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【第86回天皇杯4回戦 甲府 vs 山形 レポート】二度のリードを許しながらも帳尻を合わせて勝った甲府。進歩という自信を慢心に変えることなく、正月に向けて進む。(06.11.05)

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第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会 4回戦
11/5(日)13:00KICK OFF/4,344人/小瀬
甲府 3-2 山形
得点者:21' 宮沢克行(山形)、40' ビジュ(甲府)、55' レアンドロ(山形)、63' 須藤大輔(甲府)、83' 須藤大輔(甲府)
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山梨県のサッカーファンは帝京第三高校(高校サッカー選手権・山梨県代表)と甲府の応援で年を越す楽しみを繋ぐことができた。しかし、山形戦は想定外の苦戦であったという評価は避けられない。21分に宮沢のゴールで先制を許した甲府。先制されたことはショックだが、ゲームとしては山形がリードした方が面白い展開。それに、今シーズンの中盤以降の戦いぶりは「追い付ける」という自信を持つことが出来るだけのものはあった。27分に小原が退場になったこともその自信を勇気付けた。

一人少なくなった山形は4−4−1で対応してきた。甲府が前節リーグ戦で対戦したC大阪は、闇雲にボールに対してプレスをかけずに、石原や藤田に前を向いてボールを持たせないことをポイントに置いてきた。山形は、4−4のディフェンスラインと中盤の8人でブロックを作ってきた。そして、サイドにボールが入った場合、同サイドのSHとSBが強いプレッシャーをかけてサイドを縦方向に崩させなかった。また、中央ではある程度ボールを回させても、マークの受け渡しを明確にすることで穴を作らず、浮き球はブロックの密度の高さを活かして跳ね返すことが出来た。

甲府は40分にショートコーナーを選択し、藤田を経由して石原が上げたセンタリングがビジュにきれいに入り、同点に追い付いて前半を終える。予想と期待を裏切らず追い付いた甲府は、後半にはすんなり逆転するはずだった。しかし、開始すぐにレアンドロに決定的なシュートを打たれてしまう。阿部のセーブでこのチャンスは潰したが、55分に再びリードを許してしまう。レアンドロの左からのドリブルにアライールが付いて行くが、木藤にパスが出た瞬間に判断ミスを犯した。パススピードが弱いと感じたアライールはレアンドロを捨ててボールを追って木藤にプレッシャーをかけに行くが、木藤がワンタッチでレアンドロにリターンを返してアライールの読みを裏切った。狭いコースを抜けたリターンパスをレアンドロはゴールに結び付けたのだ。

一度ならともかく、二度目のリードを許したことは甲府にとってみれば結構ショックだった。その後も決定的なFKを打たれるなど10人の山形に手を焼いた。前半開始14分で山崎を負傷で失った甲府は、ここで2人目のFWを代える。機能していなかったバレーを須藤に代えたことで流れが変わるのだ。彼は甲府が苦しいときに決定的なゴールを決めてくれる男だ。63分に左から茂原が上げたセンタリングを宇留野が折り返し、それを利き足である頭で決める。同点のまま時間が過ぎ、延長戦の匂いが漂ってきた83分に、須藤は再び大きな仕事をする。左SBに入った井上が上げたセンタリングに飛び込み、見事なフライング・ヘディングゴールを決める。最後の最後は甲府がサイドをこじ開けて勝利に繋げたのだ。

3−2で勝利した甲府。内容は満足いくものではないが、2度リードされながら追い付いて最後に勝った点は評価していいだろう。内容については大木監督が次節(京都戦)に向けてどう修正するのかというところだが、シーズンを通して見ればどんなチームでも波は出来る。波形が大きいのか、波の底が高いのか低いのかという差はあるが、強いチームは波の底を上げる努力をするから内容が悪くても勝ち点は稼ぐ。レベルはともかく、甲府が波の底を上げる方向に進んでいることは確かだ。去年から、勝っても負けても気持ちを引き締めるコメントを残してきた大木監督。その意識改革が成長を徐々に促進しているように感じる。もちろん、完璧を求めてもそこに辿り付く事はないし、慢心すれば進歩の何十倍のスピードで後退することも出来る。自信を慢心に変えることなく、リーグ戦、天皇杯と勝ち続けたい。

以上

2006.11.05 Reported by 松尾潤
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