●日中韓サッカーU-21代表交流戦
11月14日(火)20:02(日本時間)/韓国・昌原総合競技場/9,375人
U-21日本代表 1-1 U-21韓国代表
得点者:4' PARK Chu-Young(韓国)、64' オウンゴール(日本)
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「今日の試合は前向きに捉えていい。相手は韓国代表がたくさんいるわけだし。このメンバーでこれだけの戦いができたのは、みんなに実力があって順応性もあるということ」。1トップで孤軍奮闘し、後半19分のオウンゴールを誘い出したFWカレン ロバート(磐田)は、改めてこう強調した。
U−21韓国代表は今回が北京五輪への第一歩だったが、非常に出足が鋭かった。さすがは2006年ドイツワールドカップメンバーのPARK Chu-Young(FCソウル)やBAEK Ji-Hoon(水原三星)を擁するチーム。立ち上がりの猛攻に国際経験不足のU-21日本代表の選手たちは面食らった。彼らのパワーとスピード、球際の強さは終始、日本を上回っており、序盤の20分間は1失点で済んだことが幸運ともいえた。そんな中、日本も守備陣を中心に奮闘。これまで控え組だったメンバーで結成されたチームとは思えないくらいタフに戦った。1−1のドローという結果に、反町康治監督も手ごたえを感じているはずだ。
日中韓サッカーU-21代表交流戦の第3段として行われた14日の韓日戦。慶尚南道の新興都市・昌原は厳しい冷え込みに見舞われた。キックオフの20時の気温はなんと7度。日本選手には厳しい条件となった。
反町監督は今回のゲームを「選手層を広げるための試合」と位置づけ、10月25日の中国戦(東京・国立)で先発した平山相太や梶山陽平(ともにF東京)らをあえて外した。さらに枝村匠馬(清水)、小林祐三(柏)、家長昭博(G大阪)の主力組が韓国入りを前に離脱。わずか17人で宿敵に挑むことになってしまう。この日のスタメンはGK松井謙弥(磐田)、DF(右から)田中輝和(大宮)、柳楽智和(福岡)、千葉和彦(新潟)、上田康太(磐田)、中盤の底に細貝萌(浦和)、2列目に本田拓也(法政大)、谷口博之(川崎F)、右サイド・水野(千葉)、左サイド・渡邊圭二(名古屋)、1トップにカレンという4−3−2−1。「韓国が3トップにトップ下1枚を置くという想定から、こちらは4バックの前にアンカー役の細貝を置いた」と指揮官は狙いを説明していた。
しかしフタを開けてみると、韓国のシステムはオーソドックスな4−4−2だった。2トップにはLEE Gen-Ho(仁川大)とYANG Dong-Hyen(蔚山現代)が入り、注目のPARK Chu-Youngは左MFに陣取った。「相手の布陣が予想と違って、かなり前がかりで来たので、立ち上がりは誰をどうマークするのか混乱した」と千葉が言うように、日本守備陣は浮き足立つ。韓国はここぞとばかりに攻め立て、開始4分にはMFKIM Seung-Yong(FCソウル)のFKにPARK Chu-Youngが飛び込んで頭で豪快に先制点を奪った。風邪を引いて体調が悪かったというPARKだが、さすがは韓国代表経験者。昌原競技場の1万人近い観衆もヒートアップした。
その後も20分頃までは完全な韓国ペース。反町監督から「ボールを奪ったファーストパスをしっかりつなぐ」という指示があり、日本選手たちは必死にパスを回そうとする。が、逆に中盤で取られてカウンターの餌食になることもしばしば。韓国攻撃陣のフィニッシュが不正確だったことが幸いした。
大苦戦を強いられる中にあって、光ったのがアンカー役の細貝の献身的な守備だった。相手がカウンターを繰り出してきたらフォアリベロとしてチェックに行き、ゴール前まで押し込まれた時には最終ラインに入ってカバーするなど、彼は賢い動きを披露する。攻撃陣では右サイドの水野がPARKの裏を突くいい動きを見せた。しかし相手守備陣は分厚く、前線のカレンは孤立。前半のシュート数は韓国の15本に対し日本はたった3本に終わった。
「サイドバックが勝負をかけて数的優位を作れ」と指揮官に送り出された後半。やはり立ち上がりは押し込まれた日本だが、徐々に自分たちのサッカーを取り戻す。細かいパスが回り出し、8分には水野がフリーでシュートを放つなど、得点の匂いが漂い始める。そして19分、左サイドを上がった上田のクロスが相手DFに当たりそのままゴール。ようやく同点に追いつく。これも単なる偶然ではなく、サイドからの崩しとカレンの鋭い飛び出しによって生まれた得点だった。
ホーム初戦を是が非でも勝ちたい韓国・Hong Myung-Bo(洪明甫)監督代行は交代などで主導権を取り戻そうとする。後半36分には右CKに呼応したDF KANG Min-Soo(全南)のヘッドがクロスバーを叩くなど、今にも勝ち越し点が入りそうだった。けれども、日本はGK松井の堅守と最終ラインの意思統一された守備で応戦。DF陣の予想をはるかに超えた頑張りに支えられ、何とか1-1の引き分けに持ち込んだ。
個の強さや局面局面の打開力、フィニッシュの力強さなどはやはり韓国が上だったが、日本もぶっつけ本番とは思えない粘り強い守備と90分間衰えない運動量も見せつけた。カレンや柳楽ら昨年のFIFAワールドユース選手権経験者を除き、大半が国際経験を持たないにもかかわらず、これだけの戦いができたことは明るい材料だ。個人個人を見ても、Jリーグで活躍中の水野や谷口が確固たる存在感を示し、アンカー役の細貝も攻守両面で起点となった。浦和では出場機会を得られていない彼だが、そのクレバーさを反町監督の目にしっかりと焼きつけたことだろう。千葉の高さも国際レベルで十分通用したし、松井の堅守も光った。
こうした選手の中から来週21日に東京・国立競技場で行われるU-21日韓戦には、一体何人が生き残るのか。指揮官は「今度は現状でのベストメンバーを呼ぶ」と公言しており、中国戦出場組に、今回のメンバー、そして先のAFCユース選手権(インド)で活躍したU-19日本代表の主力たちも招集することになるだろう。メンバー発表は17日。次のホームゲームでは積極的に勝ちに行く試合を期待したい。
以上
2006.11.15 Reported by 元川悦子
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■次回対戦予定
11月21日(火) 19:20キックオフ/国立競技場
日中韓サッカーU-21代表交流戦
U-21日本代表 1-1 U-21韓国代表
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