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12月30日に開幕した高校サッカーは早くも3回戦。どんなチームでも初戦は硬さが見られたり、勝負に徹するためにリスクを回避して戦うものだが、全てのチームが試合を経験した3回戦は、それぞれのチームの特徴が現れやすいラウンド。また、自分たちの形を出さなければ勝ち抜けないラウンドでもある。1回戦から勝ち抜いてきたチームには疲労というハンデもあるが、チームごとの特徴が正面からぶつかり合う試合は、目が離せない展開になることは間違いない。
その3回戦は好カードが目白押し。まず駒沢会場で行われる第一試合には、古豪復活を目指す室蘭大谷(北海道)と、インターハイ、全日本ユースでハイレベルな組織力を見せた作陽(岡山)がぶつかり合う。2回戦の高川学園戦(山口)を5−2で制した室蘭大谷は、スコアだけを見れば攻撃的なチームに見えるが、守備をベースにしたバランスの良さが身上。その総合力は高い。U-17日本代表の宮澤裕樹、その宮澤と2トップのコンビを組む樋渡英之の調子が上向いているのも好材料だ。
対する作陽は、主力選手が怪我のために十分にパフォーマンスを発揮できない中、システムとポジションをいじりながら危なげなく3回戦へと進んできた。4-1-4-1から始まり、4-1-2-3、4-2-1-3と展開に応じて臨機応変に陣形を変えて戦う姿はチームの懐の広さと対応能力の高さを感じさせる。野村雅之監督が「相手に合わせられるチーム」と言うのもうなづける。また前線の両サイドにワイドに開いた陣形から繰り出す攻撃は迫力があり、今大会では数少ない攻撃型のチームの戦いぶりに注目が集まる。
3年連続で3回戦の壁に阻まれている青森山田(青森)が登場するのは駒沢会場の第二試合。本来は攻撃型のチームだが、2回戦では勝負に徹することを選択。先制点を奪った後は徹底して守備を固めて羽黒(山形)の反撃を押さえ込んだ。果たして3回戦ではどんな戦いを見せるのか興味深い。ただし、当面の目標が3回戦突破とはいえ、国立の舞台を視野に置いていることは間違いなく、まずは守備から試合に入り、流れに応じて攻守のバランスを取りながら試合を進めることになるだろう。
その青森山田と対戦するのが静岡学園(静岡)。4年ぶりの出場となるが、高いテクニックに裏付けられたサッカーは多くのファンに知られるところだ。ただ、2回戦では3−1で佐賀東を下したものの、「今日は硬かった」と多くの選手たちが口にしたように、本当の姿はまだ見せていない。そして、「メンタルやフィジカルに自信を持っているところが今年のチームの長所」(國吉貴博)というように、蹴って、走れるのももうひとつの顔。硬さの取れた3回戦でどんなサッカーを見せてくれるのだろうか。
守備と攻撃。対照的なチームがぶつかり合うのが三ツ沢会場の第一試合。非常に粘り強い戦い方が印象的なのが地元・桐光学園(神奈川)。大阪朝鮮(大阪)、九州国際大付属(福岡)と攻撃力に定評のあるチームとの戦いを連続無失点で抑えた守備力は本物と見ていいだろう。また、両試合で見せた試合終盤の時間稼ぎはチームがしたたかさを持っていることも窺わせる。そして、その安定した守備に、スピートと突破力を持つ右MFの北井佑季のプレーがチームにアクセントを加えている。地元の声援を受けながら上位進出を狙う。
「面白いサッカー。楽しいサッカーをしたいですね」とは竹元真樹監督。神村学園(鹿児島)は積極的に仕掛けるサッカーで桐光学園に挑む。竹元監督の恩師である松澤総監督(鹿児島実業)の「魂のサッカー」を引き継ぎながら、選手に自由に判断することを求め、パスとドリブルを駆使した攻撃的なサッカーで全国の舞台へと駒を進めてきた。初戦突破という目標を達成したいま、次の目標は自分たちのサッカーを思う存分に相手にぶつけること。自由奔放なサッカーが三ツ沢で見られそうだ。
まずは目標であった初戦突破を果たした星稜(石川)は三ツ沢会場の第二試合に登場する。県予選決勝戦では11得点という怒涛のゴールを奪ったが、本来は守備のチーム。シーズン当初は思うような結果を出せなかったが、夏場の厳しいトレーニングと練習試合を通して、着実にステップアップしてきた。要因は守備陣が安定したこと。U-17日本代表の鈴木大輔とスピードのある皆口裕司のCBコンビがチームの守備を支えている。チームのスタイルを前面に打ち出してベスト8進出を狙う。
1回戦で高知を3−0、2回戦では帝京大可児(岐阜)を3−0と、ここまで順調に勝ち進んできたのが鹿島学園(茨城)。特徴は流動的に変化するポジションチェンジからのビルドアップだ。4人の中盤と右SBの芳野和哉、さらにボールを受けに下がってくるFWと合わせて6人が前後左右に入れ替わりながらボールを運ぶスタイルは独特だ。鈴木雅人監督は「粘って戦うしかないチーム」というが、チームが持つポテンシャルは高い。まずは昨年同様のベスト8進出、そして、その先にある憧れの「国立」を目指す。
絶対的な本命がいないといわれる今大会。しかし、それでも各チームには積み上げてきた特徴がある。その特徴がぶつかり合うことで、どんなサッカーが繰り広げられるのかに注目するのもサッカーの楽しみのひとつ。これまでの32試合同様、白熱した試合が続く。
以上
2007.01.03 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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