5月19日(土) 2007 J1リーグ戦 第12節
大宮 1 - 0 横浜FC (16:00/駒場/9,466人)
得点者:'83 冨田大介(大宮)
----------
試合内容よりも印象的だったのは、この日の天候。試合前は晴れ間さえ除いたこの日の浦和付近だったが、雨雲は気づかぬうちに近づいていた。試合開始頃からか黒い雨雲が割合を増やす。小雨が降りだしたかと思えば、突風が吹きスポンサー看板が転がり始めた。
驚いている間に、今度はメインスタンド側からバックスタンド側が見えなくなるほどの大雨に変わっていた。試合開始20分から、20分間にわたって試合が中断。それでも、試合後半には再び陽がさすまでに天候は回復。天候条件による中断は2000年以来のこととなるそうだが、なかなか貴重な体験となった。
肝心の試合は、この日試合開始時点で17位横浜FCと18位大宮との直接対決。攻めようと試みる大宮は、前線にボールも収まらないことと、8人で引いて守る格好の横浜FCの分厚い壁に阻まれ攻めきれない時間帯が続く。互いに堅守を見せ合う好ゲーム、というよりは負けたくない気持ちが見て取れるゲームで、印象的なプレーの少ないゲームだったというのが正直な印象だ。
大宮にとってみれば決定的なピンチは78分、ゴール前でディフェンスのクリアボールをダイレクトボレーで滝澤邦彦に打たれた一本だけ。終わってみれば横浜FCのシュートはわずかに2(大宮は9)。新戦力平本一樹も大きな見せ場はなく終わった。
結局、勝ちたい気持ちが上回り、ベンチを含め具体的な策をとったのは大宮だった。56分、早くも橋本早十をサーレスに変えて投入。濡れたピッチを考慮し「ハイボールでなく、グラウンダーのボールのほうが効果的で、ウラに抜けるスピードのある吉原宏太を前に出した」というのがその狙い。橋本は「相手が全くボールを取りに来ないから、持ったら仕掛けることと、コウタさんを見ることの二つだけを意識した」と話す。
決勝点はこの交代から生まれた。橋本が左サイドで吉原にスルーパスを出したところから左コーナーキックを得る。その橋本は左コーナーから冨田大介の動きを確認しながらニアサイドへボールを送り込んだ。これがどんぴしゃのタイミングで冨田の頭を捉えゴールネットを揺らすことになった。
橋本は5月6日に肉離れで戦線離脱して以来の実戦復帰。実は来週以降の復帰をもくろみ練習のペース配分を行っていたという。「キックもシュートもまだ全然打ってないから不安。だけど、試合になったら何も考えず全力でやっちゃうのがオレらしさだから」と話す彼からこの日の決勝点が生まれた。
ロバート監督に決定力不足を指摘され先発の座から遠ざかり始めた矢先の負傷離脱だっただけに、このアシストは本人にも大きいようで試合後は満面の笑みを見せた。「今度は流れの中から得点をとりたい」と課題も口にしながら。
大宮はこれで実にリーグ戦で2回目の勝利を手にした。だが、まだ最下位を脱出しただけに過ぎない。名古屋に勝利したあとのように、浦和に引き分けたあとのように、ならないこと。それが課題だ。
次節は出場停止選手も帰ってくる。ミッドウィークの試合もあり調整も難しいが条件はどこも同じ。試合後選手たちの口からは「次、ジュニーニョがいないんだとしたら…」と早くも次節川崎戦の話も飛び出した。ようやく、「週末が待ちきれない」そんな状況が大宮にとって生まれそうだ。
以上
2007.05.20 Reported by 了戒美子
----------
■注目プレイヤー: 橋本 早十選手(大宮)
(選手名をクリック&投票して、JOMOオールスターサッカーに選出しよう!)
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第12節 大宮 vs 横浜FC レポート】豪雨の中17位対18位の対決は大宮が粘り勝ち、最下位脱出!(07.05.20)













