5月19日(土) 2007 J1リーグ戦 第12節
千葉 1 - 3 広島 (16:00/フクアリ/10,983人)
得点者:'6 ウェズレイ(広島)、'23 ウェズレイ(広島)、'36 ウェズレイ(広島)、'66 水野晃樹(千葉)
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シュート数は千葉が18本、広島は19本で互角。だが、得点は千葉が66分にようやく1点を奪ったのに対して、広島は前半で3点を奪った。守備ではいかに致命的なミスを犯さないか。攻撃ではいかに相手のミスを誘い、ミスに乗じて得点するか。『人とボールが動くサッカー』を目指す両チームだが、攻守の勝負どころの安定感の差がスコアに表われた。
千葉はDFジョルジェビッチを公式戦では初めてリベロでスタメン起用。前節の負傷でベンチスタートとなったMF工藤浩平の代わりに、前節までリベロのMF中島浩司を中盤に置き、MF佐藤勇人、MF下村東美とのトリプルボランチのような布陣で臨んだ。
ところが、その千葉にいきなりアクシデントが発生した。4分、佐藤勇が右膝を痛め、治療のためピッチの外へ出た。5分、ペナルティエリアの右サイドでウェズレイのシュートを防ごうと、千葉のGK立石智紀が対応。ウェズレイがゴール前へパスを出すと、クリアしようとジャンプした中島の手にボールが当たって、ハンドと判定された。これで得たPKをウェズレイがゴール右隅を狙って蹴り、ボールは立石の左手を弾いてゴールイン。広島がアウェイゲーム通算300得点という記念ゴールで、幸先よく先制した。
千葉にとってはまたもや得点する前に失点という最悪のパターンだった。佐藤勇は8分になろうとする頃にピッチに戻ったがプレーは続行できず、11分にFW新居辰基と交代。だが、FW巻誠一郎の1トップから2トップに変えたことで、千葉がゴールに近い位置でチャンスを作れるようになった。しかし、19分の新居のシュートは広島のGK下田崇にセーブされ、同点にできない。試合の流れを変える可能性を秘めた絶好機を逃してしまった。
23分、ショートコーナーのワンツーからウェズレイがシュートすると、千葉の選手がクリアできず、広島が追加点をゲット。さらに、36分にはFW佐藤寿人とのワンツーからドリブル突破したウェズレイが、落ち着いてJ1最多8回目となるハットトリックのゴールを決めた。ここぞという場面では抜け目のないプレーで確実に得点する広島の勝負強さが目立った前半だった。
千葉は後半からジョルジェビッチに代えて工藤を入れ、リベロを中島に変更。広島のカウンター攻撃を受けながらも逆襲を仕掛け、ゴール前まで何度も迫るが、ミスも出て得点が遠かった。66分、ペナルティエリアの右サイドでMF水野晃樹がシュート。下田にセーブされたこぼれ球を自ら押し込んで一矢を報いたが、それまで。「もっと速く攻めて、ゴール前でもっと落ち着いてシュートまでもっていければ、得点ももっと入ると思う」とは工藤の弁。焦らずにプレーの冷静さと精度を高めなければ、チャンス=得点とはならない。
今節は佐藤勇の負傷に続き、66分にMF羽生直剛が広島のDF盛田剛平との激突で意識を失い、意識の回復後に救急車で病院に運ばれた。脳震盪との診断で帰宅したが、今後のプレーへの影響が心配される。負傷者続出で主力メンバーは満身創痍の千葉だが、すぐに次の試合はやってくる。選手たちは「切り替えてやるしかない」と口々に語ったが、迷いや戸惑いは後半途中から降った大雨で洗い流し、きっと仕切り直してくれると信じたい。
以上
2007.05.20 Reported by 赤沼圭子
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