5月23日(水) 2007 J2リーグ戦 第17節
鳥栖 1 - 0 仙台 (19:03/鳥栖/4,398人)
得点者:'77 高地系治(鳥栖)
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第16節の福岡戦を終えて、岸野監督は勝利の余韻に浸ることはなかった。指揮官として、考えたことはただ一点、「仙台勝つためには…」ということだった。そして行き着いた結論は、福岡戦での「疲れを取る」ことだけだった。
5月19日に試合を終えた鳥栖は、中3日で今節を迎えた。その間の練習メニューは、コンディション回復に絞られた。それと同時に良い雰囲気を崩さないために練習自体を明るい雰囲気で進めた。戦術の浸透ではない。秘策を練っていたわけでもない。ただひたすらに「疲れを取る」ことだけを行ってきた。強力な攻撃陣を誇る仙台を迎え撃つためのキーワードは「コンディション」だった。
仙台は、前節を5月20日(対徳島)に終えて中2日での試合となる。加えて、仙台から鳥栖までの長距離移動。前節を逆転負けで終わり、今節は萬代と千葉が出場できない。鳥栖と戦う前に目に見えない相手と戦わないといけなかった。その結果、「試合に勝とうとする気持ちが鳥栖のほうが強かった」と望月監督は最小得点差での敗戦を振り返った。
決勝点は77分、仙台陣地に入り込んだDF吉田から始まった。左サイドでボールを受けた吉田は、冷静にFW藤田の位置を見て取った。ポストプレーを得意とする長身の藤田は、自分の後ろにMF高地と尹晶煥が来ているのを感じていた。吉田からのボールは藤田のヘディングから、高地を経てフリーだった尹に渡った。「ワンタッチで高地に渡すことだけを考えていた」尹は、ゴールに向いてラストパスを出した。「来ると信じて走りこんだ」高地は、上手く身体を反転させて利き足の左でシュート体勢を取った。仙台DF渡辺は、「シュートコースを切ろうと足を伸ばした」が、高地のシュートの勢いの方が勝った。「思いっ切り振りぬいた」(高地談)シュートはコースを変えて左隅に決勝点となって吸い込まれた。
それまでも、仙台は幾度と無くチャンスを迎えていた。CKは鳥栖よりも多く機会を得た。シュート数もほとんど変わらない。55分にはロペスのシュートがクロスバーに跳ね返された。しかし、仙台は細かなミスが多く、ボールを失うシーンが多かった。「タフなゲームになるのは分かっていた」(望月監督/仙台)のだが、連戦の疲れからかいつもの強靭な攻撃は少なかった。
「シュートの意識が強く、よくみんなが動いていた」と仙台GKシュナイダー潤之介は素直に完敗を認めた。「組織と意識の差が結果に出た」と身体を張って中盤での守備を支えた村主(鳥栖)は連携の勝利を宣言した。「集中して試合に入り、90分間切らすことが無かった」と身を挺してシュートコースを消し続けたDF飯尾は、気力を最後まで見せた。仙台の守護神をも認める「勝ちたいという気持ち」(山口/鳥栖)で勝った鳥栖の90分間だった。
前節は0-5(3/4 @博多の森)と破れた福岡に逆転勝ちを見せた。
今節は2-5(4/14 @ユアスタ)と敗れた仙台を無失点で押さえて勝つことができた。
次節は0-1(3/18 @鳥栖スタ)とホームでFKを決められて敗れた愛媛に乗り込むことになる。
鳥栖にとってのリベンジマッチはまだまだ続く。しかし、選手たちの顔には「勝利への自信と確かな手ごたえ」に溢れている。鳥栖の進撃が、第2クールに入って始まった。
無失点で終えれば、負けることは無い。少なくとも勝点の上積みはできることになる。最少得点での勝利は、鳥栖にとっては「薄氷の勝利」ではなく「完勝」なのである。素直に鳥栖の試合は面白い。
鳥栖のファンには、選手たちからもう一つのプレゼントがあった。この試合で鳥栖は今シーズン初の無警告の試合だった。警告累積数が2番目の鳥栖にとって、この無警告は勝利の喜びに華を添えてくれた。選手たちの気持ちが充実していた現われでもある。素直に鳥栖の試合は面白い。
以上
2007.05.24 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
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