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★6/25練習後の日本代表選手コメント
★【 アジアカップを振り返る -1- 《アジアカップ2000 レバノン大会》 】
7月のアジアカップに向けスタートした日本代表候補合宿。初日の24日はわずか10人しか揃わなかったが、2日目となった25日夜のトレーニングには、負傷の田中マルクス闘莉王(浦和)と水本裕貴(千葉)の2人を除く28人が参加。1時間半にわたってボール回しやゲーム形式のメニューが行われた。練習前のミーティングで1次リーグの対戦相手、カタールとUAEのビデオを見るなど、いよいよチーム全体が臨戦態勢に入りつつある。2000年レバノン、2004年中国と2度のアジアタイトル獲得を経験している川口能活(磐田)も「チームとして監督がやろうとするサッカーが間違っていないことを証明したい」と意気込みを新たにしていた。
どんよりと雲に覆われた千葉県内のグランド。19時少し前に現れた選手たちは、いつものように軽いランニングから練習を始めた。しかし23日の清水エスパルス戦で左ひざを痛めた闘莉王、アルビレックス新潟戦で右太ももを痛めた水本の姿はなかった。
日本サッカー協会広報担当は「夜に宿舎に来てドクターのチェックを受けた後にどうするか決める。もしかすると離脱の可能性もある」と説明した。その結果、2人とも練習には参加せず。今回の合宿から離脱することが決まった。特に闘莉王は浦和のチームドクターから全治3週間の診断を受けているというだけに、かなり厳しい状況となった。
彼らの離脱によって、今回の予備登録メンバー30人のうちDF登録はたったの4人になってしまった。MF登録の阿部勇樹(浦和)や今野泰幸(F東京)、橋本英郎(G大阪)らが最終ラインをこなせるにしても、不安は尽きない。特にオシム監督はここまでなかなか一堂に会することになかった闘莉王と中澤佑二(横浜FM)の2人を一緒に練習させ、コンビネーション面を確認したかったはず。その目論見が崩れたことは、今後にも少なからず影響するかもしれない。
それでも選手たちは守備陣の不安とは関係なく、黙々とトレーニングを消化した。前日にJリーグ公式戦があった中澤と本田圭佑(名古屋)以外は4対3や5対4のボール回し、5対4+フリーマン+GKなどのメニューをこなす。最後に取り入れたオールコートの11対11+2フリーマンが最も実戦的だった。これには練習開始時から別メニューでフィジカルトレーニングを行っていた中村俊輔(セルティック)と高原直泰(フランクフルト)も参加。両者ともに3−4−3の布陣で戦った。この3トップシステムを採ったのは、高原、巻誠一郎(千葉)、播戸竜二(G大阪)、前田遼一(磐田)、佐藤寿人(広島)、矢野貴章(新潟)とFW陣が6人いたため。彼らを均等にプレーさせる目的がメインで、新システムにチャレンジするという意味合いは特になかったようだ。
けれども、練習の狙いはいくつもあった。1つはオシム監督が就任当初から強調してきたシンプルでムダのないボール回しを実践すること。「素早くワンタッチでやって、相手の薄いところを突いていくこと。それは今までと変わりない。タッチ数を少なく攻撃することがこれからも大事になる」と加地は説明していた。
もう1つはカウンター対策だ。「相手のカウンターに対して数的優位の状況でどう守るかを特に注意してやった」と今野は話していた。カタールのムソビッチ監督はオシム監督が旧ユーゴスラビア代表の指揮を執っていた時のコーチ。目指すべきスタイルは非常に似ており、人とボールの動くサッカーを志向しているという。UAEも若い選手が育ち、試合中にシステムを柔軟に変えてくる。どちらも現代サッカーに合わせて洗練されつつあるが、中東勢特有のカウンターは健在だ。それを封じることが1次リーグ突破のポイントになってくる。すでにアジアカップ3連覇への道は始まっているのだ。
この日は練習の負荷がそう大きくなく、コンディション調整的な色合いが強かった。が、中村や高原もオフ明けとは思えないほどアグレッシブにボールを蹴っていた。国内組の選手たちも普段の練習合宿とは違い、激しく体を張った守りやボールの奪い合いを見せた。それだけビッグトーナメントが近づいているという証拠。練習を見る限りだと、効率のいいスピーディーなボール回し、選手たちの連動性など、指揮官が特に重視してきた部分は確実にレベルアップしているようだ。
この合宿は30人から23人への絞り込みが行われる場でもある。しかし「サバイバルも大事だけど、チームとして飛躍しなければいけない」と佐藤寿人は強調した。確かにチームとしての一体感がなければ、過酷な環境下でのタフな大会に勝ち抜くことはできない。闘莉王の離脱もあり、誰がレギュラーになるのはまだハッキリしないが、高原、中村、遠藤保仁(G大阪)、鈴木啓太(浦和)らキリンカップ出場組を軸に、アジアカップも戦っていくことになるのだろう。選手たちはオシム監督の要求にどれだけ応えられるか。Jリーグのゲームがまだ1試合あり、スケジュール面では難しい部分があるものの、ここから7月9日の初戦・カタール戦(ハノイ)までの準備期間をとにかく大事にしたい。
以上
2007.06.25 Reported by 元川悦子
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【スケジュール(7月7日〜7月29日)AFCアジアカップ2007】
7月09日(月) 17:20 vsカタール代表(My Dinh National Stadium)/Vissel koube
7月13日(金) 20:35 vsUAE代表(My Dinh National Stadium/VIE)
7月16日(月) 17:20 vsベトナム代表(My Dinh National Stadium/VIE)
7月21日(土) 準々決勝
7月25日(水) 準決勝
7月28日(土) 19:35 3位決定戦(Gelora Seiwijaya /IDN)
7月29日(日) 19:35 決勝(Gelora Bung Karno Stadium/VIE)
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