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【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 鹿島 プレビュー】代表戦で不在選手が多い広島。ほぼベストに近い鹿島を相手に堅守を披露したい。(07.07.08)

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7月8日(日)ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 鹿島(18:00KICK OFF/広島ビ)
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 現在の状況を広島側からポジティブに考えれば、長年の課題である「選手層」に厚みを持たせるために必要な「経験」を得る絶好のチャンス、と言えよう。佐藤寿人・駒野友一・柏木陽介という3人のレギュラーに加え、平繁龍一・槙野智章という攻守の切り札まで、広島がA代表・U-20代表に選手を5人も供出している一方、鹿島の代表戦による不在選手は右サイドバックの内田篤人だけ。怪我で離脱していた柳沢敦もサテライトでは試合に復帰しており、オリヴェイラ監督にとっては選択肢が増えた状況だ。そんなベストに近い鹿島と「ガチンコ」で勝負できることは、この試合にレギュラーに代わって出場する広島の若者にとって、何よりも代え難い「経験」になることは疑いない。

 ただ、広島のペトロヴィッチ監督は「経験」だけを求めて、この試合に臨むつもりは毛頭ない。昨日の練習中、彼は選手たちに何度もこう訴えた。
 「ここまできたら、決勝までたどりつこう。そのために大切なことは、意識として『2試合』あるということを忘れないことだ。次の試合で勝っても何も決まらないし、負けてもチャンスがなくなるわけではない、ということ。2試合やるんだ、ということを気持ちに刻み込んでほしい」

 次の試合になれば、レギュラーが戻ってくるわけではない。しかし、経験のない選手たちが陥りがちなのは、目の前の試合、局面でのプレーに一喜一憂すること。ハイテンションになりすぎてもネガティブになっても、結局は自分たちの100%を発揮することはできない。ペトロヴィッチ監督は「闘志を全面に出すのはいいし、若い選手がチャンスを活かそうと気持ちを前に出すのは当然だ。しかしそれを出しすぎて、自分の能力以上のことをやろうとすると、できることまでできなくなってしまう。それは、避けなければならない」と言う。
 経験のない選手たちが多いからこそ、冷静さが求められるのが今度の第一戦だ。ナビスコカップの決勝トーナメントはホーム&アウェイで、得失点差で並んだ場合はアウェイゴール数で決着がつく。そう考えれば、ホームの広島にとってはまず相手を0点に抑えることが第一の目標だ。もちろん、1-0以上で勝てればよし。0-0であっても、アウエイで1-1ならば広島の勝ちあがりが決定するわけだ。

 もろちん、リーグ戦で平均失点2.0を記録している広島にとって、鹿島のような強豪を完封することは簡単ではない。しかし、実はカップ戦での平均失点は0.83。6試合中4試合で相手を完封している。これは決して、偶然ではない。
 実は広島は、カップ戦をベストメンバーで戦ったことは一度しかない。それが初戦のG大阪戦で、この時は3失点と大敗。その後、ペトロヴィッチ監督はカップ戦では若手を積極的に起用してきた。ところがその結果として、リーグ戦ではできていない「全員守備」の意識が徹底し、ギリギリの局面で身体を張る粘り強いディフェンスが随所に見られるようになったのだ。特に第5節、ほぼベストメンバーが揃ったG大阪を相手に、主力4人を欠く広島は見事な堅守を披露。美しいカウンターからゴールを守りきった。この試合が史上初となる決勝トーナメント進出の大きなポイントとなったのである。

 鹿島の選手たちが、もし広島の選手リストを見てほくそ笑むようなことになれば、それは逆に彼らにとっての黄信号。広島の最終ラインはここのところ失点は多いが、その内容を見れば数的不利な状況におけるカウンターからのものが多く、シーズン当初のように単純なクロスや受け渡しミスのようなことは少ない。2トップの一角に入る桑田慎一朗や中盤の高柳一誠、李漢宰らは運動量も多く、積極的なディフェンスが一つの持ち味だ。彼らが全員守備を敢行し、その堅い守備が焦りを呼べば、G大阪が陥ったような「紫の罠」に鹿島が陥る可能性は十分にある。リーグ戦で5-1と大勝しているだけに、なおさらだ。

 もちろん、勝利が一番いいわけだが、「アウェイゴール」ルールがある以上、広島はとにかく完封を目指したい。そこを達成するには、佐藤や柏木らの不在は逆にいい方向に作用する可能性もある。一方、鹿島の敵は、広島というよりもむしろ自分たちの中に存在するだろう。相手のメンバー構成に対する侮り、小笠原満男の復帰により「アピールしたい」という気持ちが特にMF陣に強くなりすぎて個人プレーに走ってしまうことなど、メンタルな部分から壊れることが一番怖い。リーグ戦で広島と対戦した時のように、相手をリスペクトし真摯に自分たちのサッカーを貫くことができるかどうか。いずれにしてもこの戦いは、様々な意味でメンタルの勝負となりそうだ。

以上

2007.07.07 Reported by 中野和也
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