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【アジアカップ:日本 vs カタール レポート】オシム監督曰く「勝点6が取れた試合」。悔しい勝点1に終わったカタール戦。残り2戦は絶対に負けられない(07.07.10)

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●AFC アジアカップ2007 グループB
7月9日(月)19:20キックオフ(日本時間)/ベトナム・ハノイ
日本 1-1 カタール
得点者:60' 高原 直泰(日本)、88' Sebastian Quintana(カタール)
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試合終了後のオシム監督(日本代表)コメント
試合終了後の日本代表選手コメント

 誰の目から見ても明らかな勝ち試合だった。一方的にボールを支配し、5〜6本の決定機を作った日本。中村俊輔(セルティック)が「6−1くらいのゲーム」、オシム監督も「勝点6が取れた試合」と言うほど、カタールとの間には実力差があった。それが1つのミスから1−1のドローにされてしまうのだから、サッカーは恐ろしいものだ。

 90%以上手にしていた勝利が手からこぼれ落ちた指揮官は怒りを露わにした。「お前らはアマチュアじゃないんだから最後まできっちりと抑えろ。俺は死ぬ気で試合にのぞんでいるんだから、同じ気持ちで戦え」と選手を怒鳴りつけたという。通訳も訳し切れないほどの激怒に、オシム監督がどれだけ強く初戦勝利を求めていたか、選手もよく理解したはずだ。それでも幸いだったのは、初戦の最低ノルマである勝点1を確保したこと。残り2試合での巻き返しも十分可能だ。13日の次戦・UAE戦が真の正念場となる。

 アジアカップ3連覇を狙う日本の初戦・カタール戦が9日、ベトナム・ハノイのミーディンスタジアムで行われた。17時20分という変則的な時間のキックオフとあって、猛暑が心配されたが、この日は曇り空。ピッチ上は日陰となり、気温も33度まで下がった。湿度は70%近かったが、風が吹き、選手たちもそれほど暑さを感じなくて済んだようだ。

 日本のスタメンは前日の予想通り。負傷の駒野友一(広島)はベンチ外となり、左サイドバックには今野泰幸(F東京)が入った。前線は右に中村俊輔(セルティック)、左に山岸智(千葉)、FWに高原直泰(フランクフルト)という3トップに近い形だ。一方のカタールは想定外の4−5−1。負傷で出場が危ぶまれたウルグアイ出身のFWセバスティアンは問題なくピッチに立ち、攻撃の要・ヤセルも左サイドから試合を始めた。

 人とボールを動かしつつ攻めてくると見られたカタールだったが、蓋を開けてみると全く逆のスタイルを採ってきた。1トップのセバスティアンを前線に置き、それ以外の10人を全て自陣に引かせるという超守備的戦術。これには「自分がどう動いても相手は動いてこないし、スペースが作れない」と高原も困惑する。圧倒的にボールポゼッションをしても決め手に欠いた。「これがアジア。そこで決めるか決めないかという状況が何十年も前から続いている」と加地亮(G大阪)も諦め顔で話したが、前半の日本は思うように打開策を見出せなかった。

 それでも後半になると試合が動き出す。慎重すぎる嫌いのあった前半とは違い、日本はやっと前に出る意識を前面に出し始める。中村憲剛(川崎F)、遠藤保仁(G大阪)、中村俊、高原の4人のボール回しは美しく連動し、徐々にゴールチャンスも生まれる。12分には中村俊→今野→高原とつながり、ゴール前に走りこんだ山岸がフリーに。しかしフィニッシュの精度という課題を抱える彼は肝心なシュートをふかしてしまう。「最後のシュートを落ち着いてやらないといけないのに…」と本人も反省しきりだった。

 それでもこの4分後、日本はついに分厚い守備をこじ開ける。中村憲のスルーパスに反応した今野が右足アウトで絶妙のクロスを上げる。これに合わせたのがエース・高原。彼の技ありの得点で日本はついに先制する。
「1点を取られて相手も前に出てくる。これからやっと日本のリズムになる」と高原はほくそ笑んだという。しかし相手の自陣に引いたサッカーは変わらなかった。追加点を奪えない日本は急速にリズムを失っていく。37分の中村憲と橋本英郎(G大阪)の交代も大きかった。オシム監督は橋本を入れて守りを固めようとしたのだが、大舞台に慣れていない橋本は過度の緊張からかファーストタッチでいきなりミス。流れに乗れない。ここから日本は不穏な空気に包まれる。

 最悪だったのが後半42分。中央を強引に突破しようとしたセバスティアンを止めようと体を寄せた阿部勇樹(浦和)がファウルを取られ、FKを献上。巧みに壁をこじ開ける動きをされ、セバスティアンに直接ゴールを決められてしまったのだ。日本にとっては「悪夢」としか言いようのない失点。「勝てると思った気持ちの余裕からこの状況を招いた」と加地は話したが、あまりにもったいないドロー劇だった。

 逃した勝点2は確かに大きい。指揮官の激怒も、選手たちの失望感もよく理解できる。しかし冷静にゲームを分析すれば、個人技もチーム戦術も運動量もメンタル面も、全てにおいて日本はカタールを上回っていた。難しいピッチ状態にあっても、指揮官が1年がかりで積み上げてきた「人とボールの動くサッカー」は実践できていた。駒野の代役・今野も最後のFKの場面で壁をこじ開けられた以外は計算以上の働きをし、鈴木啓太(浦和)も危ない場面をしっかり切った。国際舞台初登場の中村憲も堂々としていた。こうした内容には自信を持っていい。中村俊も「試合自体は悪くない」と強調していた。

 それにB組4チームの中で日本の総合力は頭抜けている。現時点では勝点3のベトナムが1位にいるものの、日本が13日のUAE戦、16日のベトナム戦で勝てば何の問題もなくグループリーグを突破できるのだ。初戦のミスという意味ではドイツワールドカップを想起させるが、今回はアジアの大会。同じサッカーでも周囲のレベルが違うことを忘れてはいけない。まだまだ日本にはチャンスがある。今大事なのは、いち早く気持ちを切り替えること。それしかない。

以上

2007.07.10 Reported by 元川悦子
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●日本代表 次戦の予定
7月13日(金)22:35キックオフ(日本時間)/ベトナム・ハノイ
日本 vs UAE
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・テレビ中継:テレビ朝日系列にて22:30〜24:40
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