7月11日（水）J2 第27節 札幌 vs 福岡（19:00KICK OFF/札幌厚別）
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「これからは上位のビッグチームから勝点を取っていかなければいけない」。前節、敵地で湘南に快勝した福岡のリトバルスキー監督は試合後の会見をこう締めくくった。その試合の勝利で福岡は引き分けを挟んで４連勝。直近の５試合で僅か１失点と、調子を高めて第３クールへと突入する。順位は４位。ここから昇格圏内へ一気に入り込むため、この首位・札幌との直接対決でもしっかり勝点を得て、さらなる勢いを得ようとの構えが冒頭のコメントからも感じ取ることができる。

前節の福岡はまさに快勝だった。開始２分にリンコンとアレックスの細かなパス交換で湘南の守備を崩し、あっさりと先制点を奪う。その後も狙いを持ったポゼッションでしっかりとボールを動かし、ゲーム全体をコントロール。タイミングを見ては攻撃をスピードアップして湘南ゴールを脅かした。後半に入ると今度はポゼッションをしながらもゲームペースを落とし、同点を目指す湘南を引き出してカウンターを狙うという定石通りのゲーム運びへシフトチェンジ。そして54分には「今週ずっとセットプレーの練習をしていた成果」（リトバルスキー監督）という、コーナーキックからの宮本の得点で突き放した。もちろん、前がかりとなった湘南に危険な場面はいくつか作られたが、それをうまくいなして勝点３を得たのだ。前半戦の締めくくりとしてはほぼ申し分のないパフォーマンスだったと言っていいだろう。

一方、その福岡をホームで迎え撃つ札幌。前節は山形に苦しめられドローに終わってしまったが、２位に勝点差６をつけて首位の座をキープしたまま前半戦を終えている。ここ最近はホームゲームで引き分けが続き、この部分だけをみれば勢いに衰えが出てきたような印象を持つかもしれないが、第１、第２クール全体を見てみるとホームゲームは無敗である。そうしたことを考えれば、ドローで終えたものの、チームとしての地力を示した形で前半戦を締めくくったと見るべきかもしれない。シーズン序盤は堅い守備が目立った一方で、攻撃力の部分に課題が見られた。しかし、山形戦では１点を追う展開の中でダイレクトプレーからエースのダヴィがしっかりと得点してチームに貢献してみせた。このダヴィは決定力の不足を指摘される向きもあったが、ここ最近では周囲との連係も深まり、縦へ飛び込むプレーやシュートまでのアプローチの動きに精度が高まりその存在感を示しつつある。もちろん、まだまだ得点数を増やしたいところ。ダヴィを含め札幌のＦＷ陣が今後どれだけ決定的な仕事ができるかがチームの行方を大きく左右することは間違いないだろうから、後半戦の初戦となるこの福岡戦からその働きには注目したい。

この試合、展開としての焦点は両チームの組織としての動きだろう。ホームの札幌は４−４−２のシステムで組織的なゾーンディフェンスを行なうし、アウェーの福岡は４−２−３−１のシステムをベースに組織的なポゼッションで攻撃を展開する。そうした組織的な攻防により、白熱した好ゲームになるだろう。

以上

2007.07.10 Reported by 斉藤宏則