7月11日（水）J2 第27節 Ｃ大阪 vs 徳島（19:00KICK OFF/長居２）
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　今節からJ2は第3クールに突入。例年に増して混戦模様を見せるなか、後半戦での巻き返しを期す2チームが顔を合わせる。ホームのC大阪は、前節、前々節とアウェイの試合が続いた。第25節は仙台と対戦して0-1、チャンスを作りながら終盤にPKを献上しての惜敗だった。前節の京都戦は、前半相手に主導権を握られリードを許したものの、後半は一転して攻勢に出た。レヴィー クルピ監督の巧みな選手交代も奏功し、金 信泳（キム シンヨン）の初ゴールで追いついた。チャンスが多かっただけに欲を言えば勝って終わりたかったところだが、2連敗のあとのドローに選手たちもまずまずの表情。「勝点3は欲しかったが、負けなかったのは大きい。ただ、もうひと押しが足りない。ゴール前でのプレーのクオリティ、前に向かっていく姿勢がもっと必要だと感じる」とはGK吉田宗弘のコメントだ。

　このところのC大阪は、ディフェンスに落ち着きが出てきた印象が強い。クルピ監督の就任後、徹底してチームとしての守備を叩き込まれたこともあり、選手個々の役割が明確化した。選手たちが忠実にタスクを遂行することで、以前に比べて失点は激減している。「崩される場面はほとんどないと感じる。失点自体はアンラッキーなものがほとんど」。GK吉田が胸を張るように、バックラインの4人と2人のボランチ、さらに2人の攻撃的MFががっちりとしたブロックを形成している。

　その反面、攻撃にかけるパワーが少なく感じるのも確か。両サイドバックが低い位置でプレーし、ボランチもほとんど上がらないとなると、攻め手がなくなってしまう。前節の前半も、FWの金信泳が厳しいマークを受けてボールをキープできず、攻撃的MFの苔口卓也、濱田武の入り込むスペースがないとなると、セットプレー以外にチャンスらしいチャンスが作れなかった。ただ、後半に入って負傷から復帰したFW小松塁を前線に送って金信泳との2トップにし、FWだった古橋達弥を2列目に下げたことで流れが変わった。「古橋には右サイドハーフの位置から中に入って、（右サイドバックの）柳沢のオーバーラップのスペースを作ってほしかった」というクルピ監督の狙いが的中。同点ゴールは右サイドの崩しから得たものだった。交代出場した小松のプレーにはキレが感じられ、初ゴールを挙げた金信泳は、気持ちが乗っているはず。徳島戦では、この2人が2トップとして先発することも考えられる。

　対する徳島は、前節愛媛との四国ダービーを制して大阪に乗り込んでくる。雨中の消耗戦だったが、前半2分に挙げた羽地登志晃のPKによる1点を守りきった形。GK鈴木正人が集中したプレーを続けてファインセーブを連発したことも勝因のひとつだった。5月20日以来、9試合ぶりの勝利は、後半戦に向けて最良のカンフル剤になることだろう。まだ波に乗り切れていないC大阪を相手に粘り強く食い下がって、勝点を手にしたいところだ。前節活躍した羽地、鈴木ともにかつてC大阪でプレーした経験があるのも因縁めく。古巣相手にいつも以上に気合いが入っているはずだ。

　C大阪は9位、徳島は11位と、ともに今のところ「昇格圏内」からは遠く離れている。が、あきらめるのはまだ早い。C大阪のクルピ監督は、「徳島戦が我々にとっての開幕戦だ。今までのことは忘れて第3、第4クールでナンバーワンになろう」と選手に伝えたという。終わったことを嘆いても仕方がない。ただ前だけを見つめて前進する。それはC大阪にとっても、徳島にとっても同じ。まだまだあきらめるわけにはいかない。

以上