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【AFC アジアカップ2007】対戦国分析 / UAE編:敗れたベトナム戦ではポゼッションサッカーを見せたUAE。知将・メツ監督は戦い方を変えてくるのか?(07.07.12)

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●AFC アジアカップ2007 グループB
7月13日(金)22:35キックオフ(日本時間)/ベトナム・ハノイ
日本 vs UAE
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・テレビ中継:テレビ朝日系列にて22:30〜24:40
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 初戦・カタール戦でまさかのドロースタートを強いられた日本。第2戦・UAE戦ではどうしても勝ち点3を確保しなければいけなくなった。しかしUAEも初戦・ベトナム戦を0−2で落としている。次のゲームは背水の陣で挑んでくるだろう。

 そのUAEだが、指揮を執るのはブルーノ・メツ。ご存知の通り、2002年日韓ワールドカップでセネガルを率いて8強進出を果たしたフランス人指揮官だ。その後、UAEのアルアインやカタールのアル・ガラファ監督を経て、UAE代表監督に就任した。オシム監督とはフランスリーグのバレンシエンヌ時代にプレーした仲間。老将にとってはカタール戦に続く因縁監督との対戦になる。

 UAEといえば、カタールが日本戦で採った「自陣に引いて守ってカウンター」という戦術を得意としてきた。しかしメツ監督はこの国にモダンサッカーを持ち込み、ボールポゼッションを軸とした組織的なサッカーのできるチームに変貌させた。その成果が今年1月のガルフカップ優勝だろう。今回は負傷者続出もあって、ガルフカップメンバーから12人を入れ替えたが、彼らの底力は侮れない。

 92年のアジアカップ(広島)以降、日本はUAEと節目節目に対戦している。このアジアカップでは初戦で激突し、0−0の引き分けに終わった。続く93年のアメリカワールドカップアジア1次予選でも同じグループに入り、ホームで2−0の勝利。アウェーでは大苦戦を強いられながら澤登正朗(現解説者)のゴールで1−1に追いついた。97年フランスワールドカップアジア最終予選も2戦2分の五分だった。一番最近のゲームは2年前の5月に東京・国立競技場で行われたキリンカップ。日本は欧州組不在だったが、まさかのカウンター一発に沈み、0−1で苦杯を喫している。92年のオフトジャパン以降、UAEに敗れたのはこの1回きりだが、快勝した経験も少ない。残念ながら「お得意様」とはいえない相手なのだ。

 UAEは自国開催だった2003年ワールドユースで8強進出を果たした時の主力たちがレベルを引き上げている。その筆頭がエースナンバー10をつけるマタル。24歳になった彼は、2004年アテネ五輪予選でも日本と戦っており「日本はアジア王者だし、強いと思う。特に注目しているのは中村俊輔(セルティック)。彼のことは誰もが知っている。アテネ五輪の時に戦った鈴木(啓太=浦和)も覚えているよ」と全てを熟知している。

 UAEの基本布陣は4−2−3−1だが、ベトナム戦で先発した左サイドバックのジャベル(17番)が22歳、右MFのA・モハメド(13番)が19歳、左MFのシェヒ(15番)が19歳とマタルよりも若い選手たちが急成長しているのも大きな特徴。そのフレッシュな力で日本の勝利を何とかして阻止したいところだろう。

 とはいえ、ベトナム戦では、いくつかの弱点も露呈した。前半からボールポゼッションを重視した攻撃を組み立ててきたUAEだったが、エースFWのハリル(11番)とその背後に位置するマタルの2人が決定機を逃し、フィニッシュの課題を浮き彫りにした。ハリルもマタルもスピードと個人技術はあるものの決め手を欠いた。高さもないためターゲットにもなりきれていなかった。守備陣もそれほど1対1に強い印象はなかった。さらにベトナムの高温多湿の気候を苦手としているのか、後半に入ってパッタリと足が止まり、ベトナムに走り負けてしまったのだ。

 日本戦でもベトナム戦と同じポゼッションサッカーをしてくるか疑問の残るところ。「策士」として知られるメツ監督のことだ。カタール戦に苦しんだ日本を見て、同じような自陣にベッタリ引いた超守備的戦術を採ってこないとも限らない。日本にとってはベトナム戦と同じ戦い方をしてきてくれた方がやりやすい。いずれにしても相手の戦い方をよく見ながら柔軟な対応をすること。それがまず日本選手には求められる。

 それでも、日本のやるべきサッカー自体はカタール戦と変わらない。素早くボールを動かしながら相手のスペースをこじ開け、決定機を作る形を繰り返せばいい。オシム監督はカタール戦後「内容のいいキレイなサッカーをしていたが、相手に危険だと思わせるサッカーをしていなかった」と言ったという。つまり、選手たちはよりリスクを冒して点を取りに行く姿勢が求められるのだ。

 加えてベトナムが見せたような、諦めずに走り回ってボールを奪いに行く貪欲さも必要だろう。高温多湿の環境下では日本の方が走れるはず。体力消耗度を考えながらペース配分をすることも大事だが、ムダ走りを覚悟して動き回り、一歩早く足を出すことができれば、UAEなど怖くない。

以上

2007.07.11 Reported by 元川悦子
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