7月25日(水)J2 第30節 仙台 vs 札幌(19:00KICK OFF/ユアスタ)
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両チームの置かれた順位、双方のサポーターの熱狂度(毎回のことだが、ユアスタに詰め掛ける札幌サポーターの多さとテンションは、迎える仙台サポーターをもを驚愕させる)、それから共に北国、さらに元J1経験クラブの意地…その他もろもろ様々な要素を考慮して考えれば、ユアスタでの対決が第3クールのこの早い時期、なおかつ平日夜の開催となったことに、今となっては若干のもったいなさすら感じる。このままの上位争いが続いたとして、第4クールのそれも終盤にこのカードがユアスタで行われていたとしたら、どれほどの興奮が我々を包んでいたのかと思うと、その思いはなおさらである。
とはいえ、そこはJ2で1位・2位を争う熱心なサポーターを擁する同士の、しかも上位直接対決。前述の憂いを吹き飛ばすような「舞台」が、両チームのためにしっかりと作られることだろう。
ところで、今回は札幌側の視点からプレビューを進めたい。
シーズン序盤から堅守を誇っていた札幌だが、第2クール後半からのスコアを見ると、若干その認識と現実に綻びが現れているのも事実である。6月から数えても、この2ヶ月で愛媛、草津、そして前節の東京V戦と3度に渡り2失点を喫している状況は、果たして三浦監督の許容範囲と言えるだろうか。特に前節、終盤でリードを奪った時点で勝ちパターンのレールに乗ったはずの試合を、フッキにわずか3分間で2ゴールを許してひっくり返された辺りなどは、当初の札幌の印象を大きく裏切る展開であった。
もし三浦監督が、今季の札幌サッカーの土台といえる守備に侵食しつつあるわずかな破綻の兆しを見逃さないのだとすれば…ここからはあくまで推測だが、この試合で札幌は、まず今季J2で最もアウェイの環境下で戦うことになる仙台のホームで、とにかく無失点で終えることにプライオリティーを置く戦いを演じても何ら不思議ではない。ここで勝点1をあげるに留まるとしても、とにかくこの試合で無失点で終えたという自信がチームに与える落ち着きを思えば、決してあり得ない話とは言い切れない背景がある。
だがそれこそ、この試合における札幌の「強み」だ。京都に一時的に首位を譲るかもしれないが、札幌は京都よりも1試合少ないので、現時点での順位に一喜一憂する必要もない。仙台との勝点差(7差)を思えば、ここは無失点でのドローでもOK…そう札幌が開き直ってくるとすれば、仙台にとっては本当に厄介な話になる。
というのも、仙台側にとっては決戦の類に含まれる一戦になるからだ。札幌に対して勝点差は7、相手が1試合少ないことを踏まえれば、引き分けで7の差を維持することが仙台として「許容すべき結果」であるとは到底思えず。なので仙台としては、札幌がゴール前に形成する強固な門扉を、最低1度は打ち破る必要がある。
もちろん、先制点をあげられれば(今季過去2度の対決では共に札幌が先制点を得ているだけに、どういう戦いになるのか具体的な想像は難しいものの)仙台にとって試合進行が一気に楽なものとなる可能性は高いのだが、逆に考えれば、札幌はそれをこそ全力で阻止にかかるだろうから、厄介な話になるのだ。
ただその意味で、前節のダービーは仙台にとって、いい予行演習となったのではないか。山形相手に先制を許し、これにより後半、山形に自陣を固められる苦しい状況を前にしながら、この試合での仙台は決して慌てることなく、前半から続けていた高いボールポゼッション率を維持し、サイドを丹念に、そして我慢強く切り替え続けた。その結果、終始揺さぶられた山形守備陣の足は止まり、最後に左の富田→ゴール右の中島→中央の永井という、絵に描いたような揺さぶりからの同点ゴールがもたらされるに至ったのである。
これで思い出すのは、第1クールの札幌戦(第7節 /jsgoal_archive/result/20070200030420070408_detail.html )。前半にセットプレーから失点を喫した仙台に対し、札幌はそれまで他チームから勝点3をものにしてきたやり方と同様、ペナルティーエリア内をひたすら固めるリアリスティックな守りで逃げ切りを図った。だがそれに対し仙台がとった策は、1トップへの変更と、永井、関口投入によるサイド攻撃の徹底。この策でゴール前に固まる札幌をなかば「半包囲」の状態とした仙台は、タイムアップが迫った82分に、萬代が美しい反転からのゴールを決めてドローに持ち込んだ。この札幌戦、そして前節の山形戦、どちらも仙台が自分たちのサッカーを貫き、逃げ切りを図る相手の意図を打ち砕いたという点で共通している。
もちろん、先制することが勝利への最短距離であることは間違いない。だがもし、今季過去2度の対戦同様、札幌に先制を許したとしても、今の仙台ならば焦って我を失うこともないだろう。
仙台の「城」であるユアスタのピッチに、札幌は(あるじの許可も得ず)「城壁」を作ってくるはず。本当の意味でこの城の主として、仙台に愛を注ぐ黄金色の臣民たちの喝采を受けるために。
焦ることなく90分間じっくりと構えて、いざ攻城戦である。
そういえばこのプレビュー、珍しいことに今節に向けた部分では、一人の名前も出てこないことに気がついた。
しかしそれも考えようによっては、双方が「チームとして」やることがはっきりしていることの表れではないだろうか。今はそう思っている。
以上
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