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【J2:第31節 山形 vs 愛媛 レポート】勝負を分けたのは、リスタートでの意識での差。愛媛を退けた山形が苦しみながら第14節以来の連勝!(07.07.29)

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7月28日(土) 2007 J2リーグ戦 第31節
山形 1 - 0 愛媛 (19:04/NDスタ/3,293人)
得点者:'66 北村知隆(山形)

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 90分でのシュート数は山形18、愛媛4。そしてスコアは1−0。勝った山形はチャンスをつくりながら決めきれないもどかさを、敗れた愛媛はシュートまで持ち込めないもどかさを感じながらの試合となった。

 そのなかで、勝者と敗者を分けたのは後半21分、中央やや左寄りで山形がFKのチャンスを得た場面だった。ボールをセットしながら周囲を見た財前は「北村が一番いいタイミングで動いてた。それと相手がボーッとしていた」と、助走を取らずにライン裏へ蹴り上げる。「ザイさん(財前)はいつも早めのリスタートを常に狙ってくれてる。相手も見てなかった」という北村が、スルスルとラインを割りヘッドで合わたシュートはゴールマウスに吸い込まれた。

 関根が横山の背中からかなり強く当たって与え、起きあがるのに少し時間がかかりそうなファウルだった。さらに、背景としては3連戦で前節から中2日で、湿度も高いタフな状況下。プレーが止まる時間に少しでもリフレッシュしたいという心理もはたらくだろう。しかし、そこで思考回路を動かし続けた山形と止めてしまった愛媛の明暗が分かれることになった。愛媛の望月監督も「判断の早さとか、ゲームの駆け引きの差とか、まだまだ山形とは差があるなということを感じました」と、スコア以上の差を認めざるを得なかった。

 前節まで7試合連続で先制点を挙げている山形は、ここまで続けてきている「守備でゲームをつくる」展開に、キックオフから早々と持ち込む。奪ったあとはスペースへの出入りでパスをつなぎ、相手を押し下げた右サイドもを起点に攻め込んだ。前半3分には須田の右クロスをファーサイドの宮沢が左足アウトで弾く。18分には秋葉が、23分には須田が、右サイドから中へ切れ込む形で左足シュートを放つ。しかし、いずれも枠をとらえられず、30分の須田の右クロスには横山、宮沢と続けざまにシュートを打ち込んだが、これも相手にブロックされゴールならず。攻め込む山形。ただ、前半でシュートを放ったのは主に中盤の選手。パスはつながるものの、中盤から2トップヘの収まりが悪かった。さらに、枠内に飛んだのは7本中2本、そして結果としての無失点。シュート数のわりにフラストレーションが溜まる内容だった。

 ボールの支配率でもシュート数でも山形に上回られながら、愛媛は愛媛で虎視眈々とチャンスを狙っていた。その拠点としたのがサイドバックの裏のスペース。立ち上がりから左へ、右へ、立て続けにロングボールを放り込むと、10分には左スペースを突いた森脇からの右クロスに内村がジャンプ。これは届かずGK清水がキャッチするが、15分には内村がライン間でくさびを受けてターン。DFラインから小原が食いついて来ると、そのギャップを狙い右から走り込んできた大山にパスが渡り強烈なシュートにつなげた。また、41分には須田にプレスをかけた江後が弾いたボールを追って裏へ抜け、ゴールに向かうクロスに内村が飛び込んだが合わせることができず。攻撃の起点として奮闘する内村に対し、もう1人のFWジョジマールはこの試合でも前節以上の連携は見られず、山形の早いプレスにボールを失うシーンもあった。また守備でも「一緒に前からプレッシャーに行くことができず、バラバラになった」(内村)と、山形にポゼッションの土壌を提供する結果となった。

 0−1とビハインドになった愛媛は選手交代を使いながら1点を追ったが、後半27分、ほぼ1対1に持ち込んだ赤井の右からのシュートはポストの外側を通過し、31分のCKで、三木のヘッドはGK清水のファインセーブに阻まれた。前節までの4試合でシュートはひと桁台を続けていた愛媛だが、この試合の記録は4本。そのほとんどが決定機と呼べるものだったことや、クロスに飛び込んだが打ち切れずシュートにカウントされていないものも考慮したとしても、事態は深刻だ。まずはジョジマールがフィットするのを急ぎたいが、愛媛の我慢の時期はしばらく続きそうだ。

 この試合、もうひとつポイントを挙げるとすれば、先制後に2点目を取りにいく山形が、終盤に向けてどこでどのように「無失点」への舵を切るかということだった。目に付いたのは後半38分、財前がドリブルしながら左隅にボールを持ち込み、キープを図ったシーン。疲労が溜まるなか、ついに2点目狙いを断念したかに見えたが、財前の考えは違っていた。「それをキープすると見せかけて仕掛けていったり、もうちょっと行っていいシーンがあった。2対2になってもキープしていたので、そこを逆に(途中出場の)ネモ(根本)や勇人(佐々木)に『やりきるなら点を取りに行っていいぞ』と言った」。つまり、あのキープは2点目を狙うための仕込みだったのだ。

 ただ、その考えがチーム全体に浸透していたとも言い難い。CKからのキープで時間を稼げず、相手にボールを渡してしまうシーンもあった。ロスタイムには佐々木のクロスから根本のオーバーヘッドキックも見られたが、この試合でも追加点を奪うことができず、「先制、結局1得点」はこれで8試合連続となった。次節で試合のない山形の次の試合は2週間先となる。ミニキャンプも予定されているその間に、2点目を取るという宿題をどれだけ進めることができるか、サポーターは固唾をのんで見守っている。

以上

2007.07.29 Reported by 佐藤円
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