■U-22 4カ国トーナメント2007
8/5（日）18:00（日本時間）／中国・瀋陽オリンピックスタジアム
　U-22日本 0-1 U-22ボツワナ
得点者：46' アモス（U-22ボツワナ）
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「生ぬるい試合をしてしまった」
U-22日本代表・反町監督の試合後会見の第一声はこうだった。決して危ないシーンが多かったわけではなかったが、日本も攻め切れず。のらりくらりと９０分を過ごした試合だった。3戦トータルでの成績も勝点4で3位に終わった。優勝だけがこの時期の目的ではないし、指揮官から見れば収穫もないでもない3試合だっただろう。だが、最後の最後に「意地を見たかったよね」と反町監督も言うように、覇気のある試合を見たかった。大会前日に現地入りし調整不足を嘆くボツワナに、いくら最終戦とはいえあっけなく負ける姿は、3位という結果とともに「生ぬるい」ものと言わざるを得ない。

　帯同メンバーをまんべんなく試したいという反町監督の意向から、この日もU-22日本代表はメンバーを大幅に入れ替えた。
ＧＫ武田（清水）
ＤＦ一柳（東京V）、福元（大分）、千葉（新潟）、田中（横浜FM）
ＭＦ菅沼（柏）、青山（名古屋）、枝村（清水）、増田（鹿島）
ＦＷカレン（磐田）、李（柏）
というメンバーが先発のピッチに立った。この日のゲームキャプテンは福元。これまでこのチームでは85年生まれの選手がキャプテンマークを巻くことが多かったが、この試合では87年生まれの福元がキャプテンに。大分でも同僚で初戦・2戦目でキャプテンを務めた西川によれば、そのキャプテンぶりは「やっぱりいいっすよ、フクは。ユース（U20日本代表）でもやってるだけのことはあるし、ロッカーで『いくぞ！』って言うときなんかも一言付け足したりしていて、いいなあって思いました」とのこと。チームとして気持ちを引き締めてピッチに立った、はずだった。

だが、実際はそうはいかなかった。「フワッと入ってしまった」と言ったのは青山や武田だったが、おそらくは11人中多くがそう感じたことだろう。前半から大小のミスが頻発した。ボツワナは3−5−2が変形したフォーメーションで、ほぼマンマークをつけてくる。日本の中盤の選手の動きにもひたすらついてくるような状態だが、さほどプレッシャーがきついわけではなかったという。
つまり、とにかく問題は『内』にあった。「共通認識の欠如はある」と指揮官は認めている。急造チームだからとのことだが、それはなにもこの試合に限ったことだとは思えない。だがそれはさておき、この日はとにかくひどかった。どこから相手ボールを追うのかもはっきりしないため、中盤にはスペースができる。相手にさほどの技術がないことは幸いだったが、アフリカ勢らしく日本人では読みきれないようなプレーでそこを使われる。中盤でつなごうにも、呼吸も合わなければ、ばらばらと広がった状態でダイレクトパスをつなぐなどできるわけもない。いくつかの決定的なシーンも決めきれない。自らの連続無得点記録に終止符を打とうとやっきになるカレンが、ゴール前で迫力を見せ、もしや…というシーンを2度ほど迎えたが押し込み切れなかった。

前半は0−0で折り返したものの、後半に入って立ち上がり1分に失点。それも攻撃のミスから相手にボールが渡ったことから始まる。「攻撃しているときに守備の指示を出さなきゃいけなかった。DFを動かし切れなかった」とＧＫ武田は悔やんだが、彼のせいばかりとは言い切れない。中盤でのミスからDFが相手にボールを渡してしまい、ゴール前２５mほどの位置からゴール左すみに強烈シュートを叩き込まれた。奪われ、後手に回りという、最悪のパターンからの失点はさすがにこたえた。

試合はこのまま0−1で終了。悔しすぎる敗戦となった。
「でも、これで逆に使える選手、使えない選手がはっきりした」とは反町監督。これは選手からすれば、さらに悔しすぎる言葉だ。そんなことを言わせないくらいの奮起を、次回の8月22日　北京五輪最終予選初戦に期待するしかない。

以上

2007.08.06 Reported by 了戒美子
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