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【再開直前! J1各クラブ戦力分析レポート:浦和】故障者、過密日程に苦しむも、悪いなりに勝点を積み上げた前半戦。後半戦は熟成度を高め、更なる高みを目指す(07.08.06)

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【リーグ後半戦展望】----------

「Jリーグ連覇に加えて、アジアから世界へ」
シーズン開幕前に掲げた高い目標。浦和レッズはその頂に辿り着くべく、前半戦をまずまずの成績で終えることができたといえるだろう。

8月1日、延期されていた広島戦(第14節)を4対1とものにし、リーグ5連勝。第18節(11勝6分け1敗)を終えて首位G大阪に勝点2差と、リーグ連覇に向け絶好の位置をキープしている。初出場のACLでも、苦しみながらグループリーグを突破。ホームでの強さがものをいい、9月に再開する決勝トーナメントへ駒を進めている。

結果をみれば、順調そのもの。問題は何もないかのように思われる。しかし、その内容を冷静にみれば、すべてが順調だったわけではない。開幕当初、長谷部、相馬らがケガで戦列を離れ、右足首プレート除去手術からの復帰が待たれた田中達の合流も6月までずれ込むなど、チームは攻守にバランスを欠き、安定感のない戦いが続いた。
リーグと並行してACL、A3を戦うことで、過密となったスケジュールも大きな負担となった。4月、5月、6月はいずれも1カ月に7試合をこなすというハードさ。選手は貴重な経験と引き換えに、高い労力を支払うことになり、短期的にそれはそのままパフォーマンスの低下につながってしまった。

失点14(第18節終了時)はリーグ最少を誇るものの、第9節から第13節までの5試合ではいずれの試合でも失点を喫し、1勝4分とドローが続き、足踏み。調子が上がらないことを印象づけた。
ただ裏を返せば、内容はさておき、それでも勝点を積み上げているところに、浦和の真の強さがあるのかもしれない。サッカーにおいて「本当に強いチームは悪いなりにも勝点を得られる」とはよく言ったものだが、浦和はまさにそれを体現しているといったところか。

後半戦、逆転でのリーグ優勝、さらにはACLを制して日本のクラブとしては初のFIFAクラブワールドカップ(12月、日本開催)への出場権獲得に向け、浦和の挑戦は続く。
リーグ序盤戦は故障者が出たこともあってか、3バック、4バックをベースに様々なフォーメーションを試してきたものの、ここへ来て3-4-1-2というシステムが固まりつつある。メンバーが揃い、過密日程も解消される後半戦、ややチグハグだったチームが熟成すれば、期待は膨らむ。

リーグ制覇に向けては、当面は8月15日、万博でのG大阪との直接対決が大きなカギとなりそう。この試合でライバルに土をつけ、首位に立てるようなら流れは大きく浦和に傾くはずだ。
03年のナビスコカップでの初タイトル以来、ステージ優勝、天皇杯優勝と続き、06年はリーグと天皇杯の二冠に輝いた。流れを汲み取れば、07年は…。
急成長を続ける赤い波は日本を越え、アジアを呑み込むことができるか。


【リーグ後半戦のキープレーヤー】----------

田中達也選手(FW / No.11)

昨年12月に受けた右足首プレート除去手術からの復帰が遅れ、今季リーグ戦初出場となったのは6月17日、第15節のFC東京戦だった。その試合、田中達は開始3分にいきなり自身の復帰を祝うゴールで先制点をもたらすと、チームはその後も1点を追加し2対0と勝利。以降、リーグ戦では白星が続き、浦和は現在5連勝中である。

田中達の復帰とチームの連勝開始が重なったのは、決して無関係ではない。それまでワシントンに依存しがちだった攻撃は田中達の復帰により大きく幅を広げ、対戦相手に脅威を与えるとともに味方に余裕をもたらしてくれた。
「タツヤが戻ってきたことによって前線にスペースができる」
そんな声はあらゆる方面から聞こえ、スピードスターの復帰はチーム全体の流れをスムーズにしてくれた。
リーグでは5試合に出場し2ゴール。徐々に出場時間を増やして8月1日の広島戦ではフル出場も果たした。後半戦への期待は高まるばかりだ。

一方、そんな折にワシントンが故障した左足の治療のため、ブラジルへ帰国というニュースが舞い込んできた。「早ければ今月(8月)中にも戻れると認識している」(中村GM)とのことだが、いまのところ復帰時期は未定である。
小さなエースは、大エースになれるか。逆転でのリーグ連覇を目指す浦和にとって、身長167cmの小柄なFW田中達也が担う役割は決して小さくない。


【再開時のフォーメーション予想】----------

前線では、ワシントンの離脱で田中達のパートナーに注目が集まる。ポンテ、小野のダブルトップ下も考えられるが、オジェック監督は「できれば2トップで臨みたい」と話す。ポンテのFW起用、あるいは田中達と永井のコンビもあり得るが果たして。いずれしてもワシントンの不在は、選手個々の高いゴールへの意識がなければ補うことはできないだろう。
 中盤、とくに人材が揃ったボランチは、やはり鈴木と長谷部のコンビが攻守のバランスという点で一日の長があるといえる。当初は鈴木と阿部のコンビが目立ったが、ともに守備に重きを置く同士の組み合わせはどこかしっくりせず。変わって阿部が最終ラインに入ったことで、状況によっては右MF山田を含めた4バックへの移行もスムーズになり守備が安定したことは間違いない。
 最終ラインの3人は坪井、闘莉王、阿部で不動。闘莉王には、守りだけでなく、セットプレー時を含めた高い得点力が期待される。

以上

2007.08.06 Reported by 栗原まさお
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