●佐久間悟新監督:
「本日付で監督に就任いたしました。先ほど代表の渡邊から紹介がありましたが、私自身はNTT関東時代からサッカーに携わってきて、大宮が発足したときからさまざまなカテゴリーで指導暦を積んできました。昨日まで強化育成部長で、2004年から昨日までチームの育成とチームの強化をするというところでの仕事に力を注いできたわけですが、残念ながら現状のチームを考えると、残り16試合、非常に厳しい状況を迎える可能性が感じられた。自分自身、私情を捨てて、クラブと相談をして、監督就任という決断をしました。
前期の最終戦、G大阪にも負けましたが、その前の数試合は、負けなくなったチームになりました。しかし、結果として今の順位がある。降格圏内という中で、大宮を支えていただいたサポーター、スポンサーの皆さん、大宮に多くの方々が協力をいただき、また選手も含めた彼らの思いもしっかりと受け止めて16試合を戦っていきたい。今日、選手の前で挨拶をしましたが、僕自身、16試合十分に戦っていけると思っています。当初の7位以上という目標を見ながら、降格圏内を出ることも可能だと思っています。今日から、当面は清水戦に向けて全力でぶつかっていきたいと思っています」
Q:シーズン開幕当初になかなか勝てなく、ロバート前監督の解任もささやかれていましたが、そのときは全力でサポートをすると話していました。この時期での監督交代については、もう少し詳しい経緯を教えてください
「当初、開幕の時は監督が始めて日本に来たということを踏まえていました。ロバート監督が理想とするスタイル、4−4−1−1といって、2トップが縦関係になり、両サイドがワイドに張ったウイングタイプの選手をおいて、サイドからクロスボールを上げて決着をつける。オランダサッカーの基本なんですが、ベストポジションを見つけるというサッカースタイルを行ったわけですが、最初の次点で、ベストポジションを取るというところで選手がロボット化してしまった。結果的にモビリティーが生まれずに、活動性もなく、攻撃のサッカーを重視したあまり、トレーニングも90%以上は攻撃の練習だった。大宮は伝統的にゾーンディフェンスがあって、三浦監督(現札幌)の時代にも堅守というのがあって、守備のイメージがあったと思うのですが、ディフェンスが崩壊してしまった。ディフェンスが崩壊して、選手も思うように攻撃も出来なくなるという悪循環になってしまった。
ですから、その次点でやろうとしたことは、今の選手たちに作戦を理解してもらうこと。藤本、小林大、小林慶、桜井などショートパスをつなぐ戦術が得意な選手たちが(大宮には)多い。選手間の距離を縮めて、攻撃チャンスを作ろうと話してきた。それを理解してもらうトレーニングをと、色々とロバート監督には働きかけをしてもらいました。それが功を奏して、システムを変更し、選手の距離も縮まって自然とボールが回るようになった。監督にしても現場では、大宮のスタイルが見えてきた。最終的にはストライカーを入れて完成だろうなと思っていたのですが、残念ながら最終的なストライカーがマルケスだけにとどまってしまった。
再開後トレーニングをしていく中で、監督は4−4−1−1に戻したいというような方向性が見られ、そのあとにサテライトの浦和戦を含めて、3試合の練習試合をしました。練習試合には特別な意味があり、このチームを前期からどのように発展させていくのか、どのように見えるのかなということがひとつの基準だった。練習をしている、試合をしているということだけではなく、練習がどうなのか、結果として試合がどうなのかといったところです。東洋大学には勝利をしたが、横河にはトップチームで行って引き分け。そして湘南。サテライトの浦和戦では、過去に無いような歴史的な大敗でした。選手たちに必死さ、危機感も失せてきていた。ストライカーがいないからという形だけではなかったなと見受けられた。
前期から色々な努力はしてきたが、選手たちも自発的に話し合いをして現状を打破しようとしてくれたし、そういう現状もあったので、どこの試合であっても1試合でも勝てる確率、残留できる確立を高めるための作業をすることは、何がベストなのかということで、考えた結果です。決して清水戦から始まる連戦で、スタイルを見失ってもいいというのではなく、この試合は大切。だけども、最後残り10試合を見たときに約40日間ある。まだやり直すことができる。より残留ができる確立が高められるのかなと思っています」
Q:セカンドストライカーやポストプレーヤータイプの選手を補強してということだったと思うのですが、選手をうまく補強できなかった。そこでロバート監督にチャンスを十分に与えなかったということはないですか?
「見方によってはそう見ることもできます。現実に私自身も強化部長としてロバート監督には、申し訳なかったなと思っています。それはロバート監督ともディスカッションしてきましたが、現在のサッカーにおいてサイドからクロスをあげて、一発のヘディングシュートで決めるというのは、非常に確立が低いし、難しい。世界のストライカーや日本のストライカー、高原選手や佐藤寿人選手、ウェズレイ選手を見ても、180センチ以下の選手。優れているのはオフザボールの動きとスペースを見つけて、シュートの精度も高い。あと必要なことは2004年に昇格した時や三浦監督の時代には、バルデスという選手もいましたが、その時には安藤正裕というクロスボールのスペシャリストがいた。現実に今の大宮にクロスのスペシャリストがいるかというと、それも難しい。本当にターゲットマンとなる背の高い選手を獲ったとしても、クロスボールがあがらなければ、意味がない。コンビネーションの部分で選手にどのような役割を与えていくのか、僕は大切だと思っている。そこをリクエストはしていたが、ターゲットマンとなるような選手という意味での希望を、叶えられなかったのは反省している」
Q:当面は残留が目標だと思いますが、今のチーム状況を踏まえてのアプローチは?
「前期の成績を踏まえて、過去のデータを見ると、失点はそれほど多くない。守備のところは心配をしていないんですが、ただ、練習をしなければ、守備は大切、ということを忘れてしまうので、守備はしっかりしようというところはしっかりやっていきたい。問題なのは、選手のクオリティというところもありますが、得点をどう取るか。選手の中でボールをつないでいるだけで、満足している部分がある。突破する選手、スペースにとび出す選手、パスを出す選手。そういうところの役割分担を毎日のトレーニングの中で改善をしていきたい。コンビネーションの問題にもつながり、得点チャンスが生まれる。単純に言うと、藤本はドリブルで相手をかく乱したり、DFの背後に飛び出す動きが得意。それを彼が中盤で受けて、ゲームメーカーの役割をしてラストパスを出すということが、本当にその選手の一番いいプレーなのか、どうなのかというところ。選手たちの得意なプレーをボクが引き出して、組み合わせていきたい」
Q:今後の強化部の体制は?
(渡邊代表)「強化育成部長については、岡本武行ユース総監督が就任します。来季以降のビジョンはまだなく、この体制で後半戦を戦い抜く」
Q:残留するための勝ち点の目標とシステムは?
「システムについては4−4−2。今回は就任して間もないので、様子を見て4−4−2に移行していきたい。勝ち点については過去のデータで40前後がライン。今16ですから、8勝。50%ですね。それを勝っていかないと厳しい。ゲームをどのようにマネージメントしていくのかが難しい。(4試合で)3敗しても1勝。(2敗)2分けを狙うよりは、いいのかなと思っています」
Q選手に掲げるテーマは?
「大宮らしいサッカーの追及。10歳でも30歳でも可能性を追求してもらいたいし、自分が強くなる、上手くなる、その成長過程にあることを意識して練習に臨んでもらいたい。もうひとつは、サテライトの試合でふがいないゲームをした。私たちに夢や希望を抱いている人がたくさんいる。勝ち負けは大事。勝つことは命題だが、負けるにしても、上手くいかないにしても、必死さや感動をみなさんに伝えられるような選手であってほしい。プロフェッショナルなエンターテインメントなんだから、それができるのが一流の選手だと思っている。大宮に対する忠誠心を持ち、サポートしてくれる多くの人たちと戦っている、その人たちの夢を実現させて感動を与えることを追及してもらいたい」
以上
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