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【再開直前! J1各クラブ戦力分析レポート:鹿島】8月の連戦が最初の正念場。選手層の厚くなった鹿島は奇跡の逆転優勝を狙う(07.08.10)

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【リーグ後半戦展望】----------

首位・ガンバ大阪と勝点11差。これは4位・鹿島アントラーズにとって非常に重い現実だ。それでも今季開幕直前に「優勝」という目標を掲げたオズワルド オリヴェイラ監督は今もなお、タイトルを諦めていない。11日から再開される後半戦最大の見どころは、どこまでこの一大テーマに迫れるかだ。

鈴木満強化部長は「今後の行方は8月次第。8月の5試合で連勝できれば非常に面白い展開になる。8月次第でガンバ大阪、浦和レッズの2強にどう食い込めるかが決まる」と話していた。確かに後半戦のスタートダッシュは極めて重要だ。

しかし8月は鹿島にとって鬼門である。前半戦をダントツの首位で折り返した2005年も、優勝の可能性が残っていた2006年も8月に失速し、タイトルから遠ざかった。夏場でも比較的涼しい鹿嶋で練習している選手たちにとって、連戦と暑さは想像以上に重い負担なのかもしれない。が、今季はすでに序盤戦で大きく取りこぼしをしている。これ以上、勝点を失うことは「優勝争い脱落」に直結する。ここで一気に走るしかない。

危機感いっぱいの彼らだが、チームの選手層は前半戦より明らかに厚くなっている。まず4月末に左足を骨折した柳沢が7月のナビスコカップで復帰。その後も練習を重ねてコンディションを上げてきた。彼とマルキーニョスの連携も確実に向上している。

さらに大きいのは1年間、イタリアのメッシーナへレンタル移籍していた小笠原の復帰。1年間ほとんど出場機会を得られず体調面が不安視されていた彼だが、7月のナビスコカップでいきなり大きな存在感を示した。小笠原が抜けたことで今季の鹿島には「中盤の精神的な柱」がいなかったが、その問題もクリアできただろう。以前は守備を苦手としていた彼も、オズワルド オリヴェイラ監督のボランチ起用に精力的に応えようとしている。この男の変貌ぶりが楽しみだ。

彼ら2人だけではない。前半戦は思うようにフィットしなかったダニーロ、ファボンの両外国籍選手も本領を発揮しつつある。ダニーロが日本特有のスピードに慣れれば、野沢、本山、中後といった現在の中盤を入れ替えながら戦える。それだけ攻撃のバリエーションも増えるということ。「どこから攻めてくるか分からない」という脅威を相手に与えることも可能なのだ。最終ラインにしてもファボンと大岩、青木らを使い回しながら戦える。この豪華なメンバー構成は、首位・G大阪や2位・浦和にも引けを取らない。選手たちの競争意識は確実に高まった。指揮官も自信を持って後半戦に向かえるだろう。

まずはJ1タイトル争いへの本格参戦を目指す鹿島。加えて彼らにはナビスコカップもある。昨季、決勝でジェフ千葉に敗れた悔しさを選手たちは忘れていない。準決勝の対戦相手はまだ決まっていないが、もう1つのタイトルの可能性があることも、チーム全体のモチベーションを高めるに違いない。

今季開幕直前とは全く違う、ポジティブな雰囲気の中、彼らは後半戦に突入する。まずは12日のヴァンフォーレ甲府戦で快勝して勢いに乗りたいところだ。


【後半戦のキープレーヤー】----------

柳沢 敦(FW / No.13)
小笠原 満男(FW / No.40)

前半戦の3分の2を棒に振ったキャプテン・柳沢と1年ぶりに古巣に復帰した小笠原の存在は後半戦を戦ううえで非常に大きい。柳沢は序盤戦の予期せぬチーム低迷に苦しみ、ようやく調子が出始めた4月後半に大きな負傷に見舞われた。それだけに8月以降の巻き返しへの意欲は強い。シーズン開幕前には「今季は過去最高の22点を上回りたい」と話していたが、現時点では3点。後半戦のゴールラッシュに期待したいものだ。

小笠原もカギを握る存在であることは間違いない。イタリアで1年を過ごし「組織として戦う鹿島のサッカースタイルの素晴らしさを痛感した」と本人も言う。ボールを回しなが攻めを組み立て、時に前線へ上がっていく彼のプレーは、チームにより多くのチャンスをもたらすだろう。中盤の精神的支柱がいなかった前半戦だが、小笠原復帰はメンタル面でも大きなプラスになるはずだ。

かつて「常勝軍団」といわれた時代を知る2人が後半戦を左右するのは間違いない。


【前半戦の振り返り】----------

オズワルド オリヴェイラ新監督を迎え、悲願の10冠に向けて再出発を切った鹿島。だが開幕直前に中盤の要・野沢が負傷し、いきなり歯車が狂った。移籍してきたばかりのダニーロ、ファボン、マルキーニョスの外国籍トリオも思うようにフィットせず、序盤戦は開幕から5試合未勝利という信じられない低迷に陥った。ようやく調子が上向き始めた4月末、今度は柳沢が骨折。指揮官も頭を抱えたが、苦しい時期に中後、田代、内田ら加入2〜3年目の選手たちが奮闘。何とか踏みとどまり、5月に入ってからは負けないチームへと一気に変貌を遂げた。指揮官が先発にこだわり続けてきたダニーロをスーパーサブに回し、ファボンが負傷から復帰しても大岩をスタメンに固定するなど、日本人選手中心のメンバー構成に変えたことも大きかった。これで外国籍選手たちも目の色を変え、6月に入ってからはマルキーニョスが4試合連続ゴールをマークするなど、チーム全体にいい相乗効果が生まれた。J1前半戦18試合を4位で折り返し、ナビスコカップも準決勝進出を果たすなど、鹿島は自信と手ごたえをつかんで中断期間に突入した。


【再開時の予想フォーメーション】----------

左足第5中足骨骨折で前半戦を棒に振った柳沢が先発に復帰し、6月のJリーグで4試合連続ゴールを奪ったマルキーニョスと2トップを組む。彼らのコンビもよくなっており、後半戦はかなり期待できそう。田代はサブに回るが、切り札としては非常に力強い存在だ。中盤は小笠原の加入が最大のポイント。前半戦は鹿島らしいボールポゼッションができないゲームも多かったが、彼が戻ってきたことでよりボールが落ち着き、パスを回しながらの攻撃が効果的になるはずだ。最終ラインも4月末から負傷や不調でベンチに座っていたファボンが戻り、岩政とセンターバックを組むと見られる。大岩とファボンは激しい競争を繰り広げており、状況によっては大岩が先発というのもありえる。右サイドの内田、左サイドの新井場、守護神・曽ヶ端は不動だ。ベンチには復調してきたダニーロに青木、伸び盛りの興梠や佐々木などが入る見通しで、非常に選手層が充実してきた。この陣容ならJ1での優勝争い参戦、ナビスコカップタイトル獲得も十分可能だ。

以上

2007.08.10 Reported by 元川悦子
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