8月11日（土）J2 第33節 札幌 vs Ｃ大阪（16:00KICK OFF/札幌ド）
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※オートプレーの為、実際のメンバーと異なる場合があります。また一部選手はエディットして作成・追加しています。ご了承ください。
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札幌は前節の草津戦に勝利したことで今季全チームから白星を奪うことに成功した。そして勝ち方としても、その試合だけを考えた場合にはほぼ完璧と言っていいものだった。アウェイゲームで、しかも攻撃のキーマンである西谷を累積警告による出場停止で欠くという状況。そうした中で前半にセットプレーから中山のヘディングで得点し、後半は相手が前がかりになったところをカウンターで強襲し追加点。３−０というスコアで、今季の過去２戦は勝つことができなかった草津を相手に完勝したのである。

ただ、試合の中身に目を向ければ、狙いを持ったポゼッションを軸とした草津に、ゲームの内容としては上回わられた。特に前半に関しては三浦監督自らが「率直に言って、Ｊ２の１位のチームとは思えませんでした」と厳しい評価をしたほどだった。しかし、結果という部分の優先順位を一番としたならば、やはり前節の札幌の試合運びはほぼパーフェクトと言えるだろう。もちろん、セットプレーとカウンター以外での得点力が不足するという課題があるため、０−０のスコアというノーマルなシチュエーションで奪った先制点が流れの中からのものであればより良かったかもしれない。とはいえ、前述した通り攻撃のキーマンである西谷を欠いてのアウェイゲーム。同じ節に京都や仙台、東京Ｖといった上位争いのライバルが勝ちきれなかったことを考えても、これは上々の勝ち方である。

そして、セットプレーの強さをあらためて示したことも今後に向けてのひとつの大きな意味を持ちそうだ。他チームからのマークがさらに厳しくなるこれからの第３、第４クール。ここまで多くの試合をセットプレーでモノにしてきた札幌に対しては、さすがにどのチームもこれからはセットプレーそのものを出来るだけ与えないように意識をして守備をしてくるだろう。つまり、不用意な接触プレーは避けてくるはずである。そうなるとＦＷ陣にかかる身体的負担は軽くなる。前線でボールを収めやすくなるだろうし、前を向いてプレーする場面も今まで以上に増やすことができるだろう。『セットプレーとカウンター以外での得点力が不足する』と前述したが、今後はそのセットプレーでの得点力が功を奏し、流れの中からの得点を引き出すかもしれない。この試合からは際立ったキープ力とその感性を生かしたスルーパスが持ち味の西谷が復帰する。札幌がどういった形で好機を演出するのか。是非とも注目したい。

その札幌に挑むのは７位のＣ大阪。７位ではあるが、前節の勝利によりＪ１昇格圏内である３位との勝ち点差は僅かに３へと近づいた。この第３クールは５勝１敗と勢いに乗っている。しかも、前節に倒した相手は２２節以来９試合負けなしという２位の京都との攻め合いを制してのもの。調子はうなぎ上りと言っていいだろう。

今季ここまでのＣ大阪は札幌とは対照的なチーム強化を行ってきたと言える。シーズン序盤からある程度メンバーと戦術を固定して手堅く勝ち点を拾って首位を走ってきた札幌に対し、Ｃ大阪は森島康仁、柿谷、香川ら若手選手を積極起用し、時には彼らのミスを許容しながらチームに幅を持たせてきた。そうした我慢のチーム強化がしっかりと実になり、ここにきて成績を上向かせているのだ。

そして、ここ最近のＣ大阪の注目株といえばやはりＦＷ小松だろう。今季途中から就任したクルピ監督が就任した直後の試合から抜擢され、１８７センチという長身を活かしたプレーで活躍を見せている。前節の京都戦でも右サイドからのクロスボールに素早く反応しワンタッチゴール。その存在感を強く示してた。ゾーンディフェンスによる堅守を誇る札幌に対し、チームとしての幅と、若手の台頭を加えて流れを引き寄せているＣ大阪がどう挑むのか。焦点はいくつもありそうな試合だ。

またＣ大阪は、この試合から新外国人のジェルマーノが登場する可能性もある。左利きの本格的ボランチであるこのジェルマーノは、福井で行なわれた前節の試合もスタジアムで観戦しており、チームの特徴はおおよそ把握できている。もちろんチームが好調であるため、よほど適したタイミングが訪れない限り出場の可能性は低いだろうが、ひとつの注目点としてこの選手の存在は挙げておきたい。

今季３度目となるこの対戦。前回対戦時のＣ大阪は暫定的に貴志監督が率いていたため、クルピ監督が指導してからの札幌戦はこれが最初になる（注：クルピ監督は前節、退席処分を受けたためこの試合の指揮はマテルコーチが執る予定）。三浦・札幌とクルピ・Ｃ大阪の初対戦。果たして、どういった結果が待ち受けているだろうか。

以上

2007.08.10 Reported by 斉藤宏則