8月25日(土) 2007 J2リーグ戦 第36節
湘南 0 - 1 仙台 (19:03/平塚/6,193人)
得点者:'89 ロペス(仙台)
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「京都戦を思い出した」
指揮官の述懐は第24節、ホーム平塚で行なわれた京都とのゲームを指していた。この試合、前半のうちに追いつき攻勢を強めた湘南は立て続けに放ったミドルが二度クロスバーを叩いている。その直後だ。ピンチを凌いだ京都が逆にフリーキックを沈め、逆転を目論むホームチームを突き離したのである。同様に今節も仙台がピンチのあとに訪れたチャンスを最後の最後でモノにし、拮抗したゲームにケリをつけたのだった。
開始わずか15秒、湘南FW原竜太のミドルで幕を開けた試合は、「お互いに死力を尽くした」と仙台DF岡山一成が振り返ったように、前半から両者とも絶えず動きボールを繋ぐガチンコ勝負だった。守備の意識も高く、湘南はセンターバックを中心に跳ね返し、あるいはボランチが梁勇基やロペスの侵入を塞いだ。一方の仙台も、望月達也監督がキーポイントとして挙げた「守備のオーガナイズ」を徹底し、相手のフィニッシュを許さない。ボールを奪うとサイドバックが上がり、またこの日スタメンでボランチに入った永井篤志が空いているスペースを巧みに突いた。起点となり、ときに梁、ロペスと絡みシュートまで至った永井の動きは湘南にとって厄介だったことだろう。
ポゼッションの綱引きのなか、決定機も両者に訪れている。20分過ぎ、湘南は北島義生を起点に加藤望へ繋ぎ、連動して尾亦弘友希が左サイドを駆け上がる。サイドへ捌いた加藤は、尾亦のクロスの軌道を思い描いたのであろう、手薄なファーサイドへとすかさず走り、送られてきたクロスを折り返す。これに反応して走りこんだ原のシュートは、しかし惜しくも枠を捉えきれない。仙台も40分、ボールを奪うと永井を経由し左サイドを駆け上がった磯崎敬太へと繋ぎ、折り返したところに走りこんだ梁が鋭いミドルを撃った。さらにGK金永基がセーブしたこぼれ球に田村直也が詰めるが、こちらもクロスバーを越えた。
後半に入り、仙台はファビーニョの動き出しや中島裕希のヘッド、加えてフリーキックからの岡山のヘッドなどで攻勢を強める。70分には関口訓充、75分に萬代宏樹、さらに85分には疲れの見えた梁に代えて富田晋伍を投入し、活性を図った。一方の湘南も永里源気と石原直樹、そして北島のポジションに松本昂聡を入れ、打開を目論む。運動量豊富にかき回す関口の動きは効いたが、それでも終盤、エドワルド・マルケスのミドルあたりから湘南が主導権を握り返し、石原の弾丸ミドルやダイビングヘッド、あるいは永里が抜け出しフィニッシュまで持ち込むなど、両者の際どい綱引きは90分が回ってもなお続いた。試合を決めた仙台の決勝弾は、そんな緊迫した状況下で生まれたものだ。ロスタイムも2分が過ぎたころ、右サイドでボールを拾った関口がクロスを入れ、中央のロペスが右足を振りぬいたのである。この劇的なゴールが仙台のアウェイ通算200得点となった。
土壇場で勝点3を手にした仙台は、第28節の福岡戦以来8試合ぶりとなる無失点勝利を挙げた。「いまの湘南に対していいゲームができた。よい追撃のスタートが切れたと思う」試合後、望月監督は言葉に喜びを滲ませた。次節はホームで京都との大一番が待っている。今季2敗を喫し、前回の対戦ではじつに5ゴールを浴びたが、今節に実現した組織的守備をあらためて発揮し、2位チームを黙らせたいところだ。
一方、敗れた湘南も最後まで戦い抜いた。殊勲のゴールを決めたロペスは「過去、湘南戦のあとにチームが好調になった」と話したが、湘南も同様に仙台戦の敗戦をそれ以降の闘いに繋げ進化を遂げてきた。次節にはこちらもまた今季2敗を喫している宿敵・福岡戦に挑む。今節の選手入場時、サポーター席に初めて掲げられた横断幕のメッセージが印象深い。「PRIDE OF SHONAN」――誇り、そして期待を胸に、つぎは博多へ臨む。
以上
2007.08.26 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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