8月25日(土) 2007 J2リーグ戦 第36節
鳥栖 0 - 0 水戸 (19:04/鳥栖/16,661人)
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アディショナルタイムに入って最後のプレー。
途中から入った山口(鳥栖)のシュートが、GK本間(水戸)の左足にはじかれた瞬間に16,661人のため息がスタジアムを包んだ。そして、試合終了のホイッスル。ピッチ上の22人のアスリートたちは、その場に倒れこんでしまった。試合後の挨拶にも並べない。攻めるほうも守るほうも、精力を使い果たした90分だった。
この試合、鳥栖は上位に食らい付いて行くためには負けられない一戦。水戸は、最下位脱出ために負けられない一戦。どちらもこの試合の重要性は認識していた。
しかし、試合開始にペースをつかんだのは水戸。3−4−3で臨んだ水戸は、鳥栖の攻撃の芽を摘み続ける作戦だった。
鳥栖の2トップには、平松と初田が付いた。CBの吉本は、そのカバーリングとDFラインの統率に終始した。両サイドMFは、時にDFラインに吸収され、好機と見ると中盤でプレッシャーをかけた。
この作戦が功を奏して、鳥栖はいたずらに自陣でボールを回し続けた。ボールの出し手はいるのだが、受け手がいないために最後は単調なロングボールを放り込むしかなかった。
これは、開始13分の接触プレーで怪我を負ったユンジョンファンが、退場するアクシデントも重なったこともある。しかし、それ以上に鳥栖の選手たちの気勢を削いだ水戸の守備がうまかったことにもよるだろう。
後半からは、鳥栖は目が覚めた。ハーフタイムに岸野監督が、活を入れたに違いない。長短のボールで金信泳の頭に合わせ、水戸DFと競わせた。野崎が左サイドから仕掛けるとボランチに回った高地が押し上げた。結果的に後半だけで12本のシュートを放った。試合を通して、19本と数では圧倒した。しかし、水戸の固い守備は最後まで崩れることはなかった。
8分には、DFラインが固いと判断した金信泳の25mのミドルシュートはクロスバーにはじかれた。43分には、システム通りの攻撃では崩せないと判断したDF柴小屋が、30mのミドルシュートを放ったが、GK本間(水戸)に阻まれた。決して後手を踏んだわけではない。その場でできる限りの判断で策をそれぞれが講じていた。オフサイドにはなったが、70分には高地のシュートに藤田が詰めた。89分にも柴小屋と藤田でゴールに迫った。積極的に仕掛けることも試みていた。56分には、高橋がインターセプトしたボールを高地と藤田でつないでフィニッシュまで持っていく鳥栖らしさも見せた。
しかし、水戸の固い守備は最後まで崩すことができなかった。
もう少し、早めにボールを入れれば・・・
もう少し、タッチ数を減らして展開すれば・・・
もう少し、「泥臭く」(岸野監督/鳥栖)ボールを追いかけていれば・・・
冷静に考えて対処すればできることが、今節は少しだけできていなかった。
サッカーは、常に動いている。
ボールを止めて、考えることはできない。
連動した動きの中で、先の一手を読んで行動している。そして、その一手を瞬時にして変えないといけない状況が続く。
そのベースには、綿密に練られた戦術と練習で培った信頼関係がある。
今節の鳥栖対水戸戦には、「頑なに守り通した戦術」と「万感交々至る連係」を垣間見せてくれる試合だった。
試合後にほとんどの選手が倒れこんでしまった。得点を見ることはできなかったが、「攻防の妙技」をボールで表現し死闘を繰り広げた。
スタンドから見ていれば、歯がゆいところも感じたかもしれない。
しかし、今節の試合はボールがないところでも駆け引きが行われていた。
サッカーは、ボールがなくてもドラマが起きている。
以上
2007.08.26 Reported by サカクラゲン
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