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【J2:第36節 東京V vs 徳島 レポート】1チャンスで1得点を挙げた東京Vが苦しみながらも勝利。内容で勝りながらも再三の絶好機を決められなかった徳島は痛恨の8連敗。(07.08.27)

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8月26日(日) 2007 J2リーグ戦 第36節
東京V 1 - 0 徳島 (19:03/国立/5,243人)
得点者:'1 船越優蔵(東京V)

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試合開始1分のゴールで、勝敗は決した。
公式記録に記された東京Vの前半のシュート数は「1」。その1本をきっちりと決める勝負強さで勝った東京Vが、大きな勝ち点3をもぎとった。

DFの柱・萩村滋則、エース・フッキを出場停止で欠く中、ケガで長期戦線離脱していたMF名波浩が第21節草津戦(6月13日)以来の復帰を果たし、ボランチとしての先発出場に注目が集まった。
「フッキがいないから勝てないと言われたくない」と気合いを入れて戦ってきたが、ここまで3試合あったエース欠場の試合に白星を挙げていない東京Vは一念発起して挑んだ。最も期待されたのがFW陣の奮起だったが、ラモス監督が「やってくれそう」と名を挙げて活躍を願ったFW飯尾一慶が、いきなり大きな働きをする。
中盤深いところから出たMFゼ・ルイスのロングボールを飯尾がゴール前で巧くコントロールすると、徳島DF2人を引きつけてマイナスに出したところへFW船越優蔵がフリーでシュートし先制ゴール。結果を残したかった両FWによるいきなりの得点で、幸先の良いスタートを切ったかに見えた。

だが、その後はこう着状態が続く。名波が入りボールが回るようになった東京Vは、中盤でパスをつなぎながら攻めていくが「あの1失点で逆に落ち着けた」という徳島のボランチ熊林親吾に、ディエゴ、船越、飯尾ら前線へのパスをことごとく遮断され、BOX近辺までボールが運ぶことができない。
逆に、徳島に狙いとするサッカーをさせてしまった。ボールを奪われカウンターを食らうと、前半6分、32分と徳島に決定的なチャンスを作られる。しかし、いずれの1対1のシーンもGK高木義成がスーパーセーブを連発し、ゴールを死守した。

後半に入ると、両チームとも早い時間帯からベンチが動く。ラモス監督は後半14分にMF金澤慎、FW齋藤将基を一度に投入し運動量を増やし追加点を狙いにいくと、徐々にゲームは動き出した。
飯尾に続きFWのポジション争いに名乗りを上げたい齋藤が、交代早々から素早い抜け出しで好機を作り出し必死にアピール。ゴール前での決定的なシュートは、徳島GK島津虎史の好セーブに阻まれたが、果敢なドリブル、ラストパスで何度も敵陣に恐怖を与えた。
また、金澤も積極的に前線に絡むシーンが何度も見られ、齋藤とともに高い位置からのDF、相手GKへのプレッシャーなど運動量豊富に走り回り守備面でも貢献度は高かった。
後半40分、菅原智を入れたことで必勝態勢に入ると、最後まで全員で体を張って守りきった東京Vが価値ある勝ち点「3」を手に入れた。

8連敗となったが、相手を上回るチャンスを作るなど内容には十分な収穫があった徳島は、ラストの精度をいかに高めていくかが連敗脱出の鍵だろう。

内容の悪い勝利で東京Vに笑顔は無かったが、J1昇格にはこの勝ち点「3」は大きい。また、交代選手が適材適所の働きをみたことは「(先発)11人+(ベンチ)5人で戦うという、サッカーの本当の醍醐味があった」とGK高木が賞するようにベンチワークの勝利という点でも価値がある。
そしてやはり最も大きな収穫は、精神的支柱でもある名波の復帰だ。「昨年C大阪で残留争いをした時の‘星勘定’という意味での経験を生かしたい」と名波。
残り14試合は、ベテラン選手の経験、昨季東京Vで悔しさを味わった選手の思い、若手のフレッシュさ、メンバー外選手の後ろ盾・・・それら全てが貴重な戦力となる。「一体感」がJ1へのキーを握りそうだ。

以上

2007.08.27 Reported by 上岡真里江
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