10月6日(土) 2007 J1リーグ戦 第28節
鹿島 3 - 2 神戸 (13:00/カシマ/10,503人)
得点者:6' 近藤祐介(神戸)、16' 興梠慎三(鹿島)、29' 興梠慎三(鹿島)、49' 田代有三(鹿島)、89' 北本久仁衛(神戸)
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エース・マルキーニョスが右股股関節痛で大事を取って欠場し、キャプテン・柳沢敦も不調のためかベンチに座ることになった今回の鹿島アントラーズ。彼らに代わってピッチに立った田代有三、興梠慎三の2トップがどんな活躍を見せるのかは、6日のホーム・ヴィッセル神戸戦最大の注目点だった。
オズワルドオリヴェイラ監督も大きな期待を寄せた2人は、予想以上のキレとゴールへの貪欲さを披露。前半のうちに興梠が2得点をマークし、田代も後半にはダメ押しとなる3点目を決め、チームを3連勝へと導いた。前半立ち上がりの連携ミスからの失点と、終了間際のセットプレーによる失点はいただけなかったが、来週のナビスコカップ準決勝・ガンバ大阪戦に向け、弾みのつく勝利だったに違いない。この勢いで2年連続ナビスコカップファイナリストの座を獲得し、J1タイトル争いにも最後まで食らいつきたいものだ。
気温22度の穏やかな晴天に恵まれた6日のカシマスタジアム。10月最初のホームゲームは、鹿島にとって負けられない一戦だった。神戸とは3月に敵地で対戦し、1−1のドローに終わっている。今回はすっきりとした勝ち方で実力差を示したかった。
この日の鹿島は、予想外の3−5−2から試合をスタートさせた。最終ラインは岩政大樹、青木剛、大岩剛で固め、青木は神戸のエースFWレアンドロをマークする役割を担った。右サイドの新井場徹、左サイドの石神直哉はやや前目に位置し、中央に絞ってくる相手の弱点である外のスペースをワイドに使う仕事を任された。ボランチの小笠原満男はボールを左右に散らし、野沢拓也と本山雅志が前後左右に動きながら中盤全体のバランスを取る。その前で田代と興梠が動き回るというのが、オズワルドオリヴェイラ監督の描いた今回のゲームプランだったという。神戸・松田浩監督はそんな鹿島の策を予想していなかったのか、普段通りの4−4−2で挑んできた。
序盤から鹿島優勢だったが、開始6分、本山と石神の連携ミスから不用意な失点をしてしまう。大久保嘉人の代役として先発した近藤祐介が中央でフリーになり、神戸にとって幸先のいい1点が転がり込んだのだ。
この展開は2週間前のアルビレックス新潟戦と全く同じ。今季鹿島の完封勝利がたった5回というのが、守りの落ち着きのなさを如実に示している。これは依然としてチームの大きな課題だろう。
しかし、失点しても瞬く間に覆せるのも今季の特徴ではある。今回も前半のうちに2点を奪って逆転に成功する。その立役者が興梠だった。16分には石神からのパスを受け、相手DFを抜きさってゴール右隅に1点目を奪う。さらに29分には、右サイドで本山と巧みなパス交換をした新井場のクロスをファーサイドで待ち構え、右足を振りぬいたのだ。「自分が先発でも使える選手であることをお客さんと監督の前で証明したかった」と話す21歳のストライカーは目を輝かせた。
前半の鹿島は、意図していたサイドを使った攻めがうまく機能し、興梠と田代にいいボールが数多く入った。新井場も「サイドチェンジを入れたらフリーになれると思っていたけど、まさかこんなにうまくいくとは思わなかった」と驚いていたほど。オズワルドオリヴェイラ監督の試合前の分析と戦略がズバリ当たった格好だ。
このままでは終われない神戸・松田監督は後半、左MFだった古賀誠史を前に上げ、3トップ気味の布陣に変更。勝負に出た。が、わずか4分で3点目を奪われてしまう。右サイドに開いてパスを受けた興梠がクロスを挙げる。「ミスキックだった」と彼の言うボールは中央に走りこんだ田代へ。10月2日に長女が誕生し、奮起していたという長身ストライカーは、バイシクル気味の難しいシュートでゴールネットを揺らしたのだ。あまりにも華麗な3点目。チームメートたちは2度目のゆりかごポーズで祝福した。
この後も鹿島の決定機が続く。興梠のハットトリック達成かと思われるゴールシーンもあったが、これは不運にもオフサイドと判定されてしまう。それでも興梠の意気込みは最後まで途切れることはなく、この日の鋭さと輝きはプロ3年目にして最高だったといえる。内田篤人の代わりに右サイドを務めた新井場、左サイドで久しぶりに先発した石神も奮闘。相手のシステム変更にうまく対応しながら、神戸攻略法を確実に実践した。
悔やまれるのは終了間際の失点である。前がかりになってゴールを取りにきた神戸にCKを与え、北本久仁衛にゴールを許した。小笠原と小澤英明の連携ミスも痛かった。新潟戦や今回の神戸戦はこうした守りの不安定さを露呈しても勝点3を取れたが、ナビスコカップ決勝進出を争うG大阪はそんなにヤワな相手ではない。一瞬たりとも集中力を欠いたら、勝たせてはもらえないだろう。今回の失敗をいい教訓にして、来週に向かいたい。
一方の神戸は2点を奪ったものの、内容的にはほぼ完敗に近かった。大久保や河本裕之らの欠場なども痛かったのだろうが、何よりも松田監督が重視する守備が崩れてしまったのが気がかりだ。次なるリーグ戦・横浜FC戦までの2週間を大事にし、しっかりと修正を図りたい。選手たちには、J1残留決定があと一歩のところにきていることを今一度、思い出してほしい。
以上
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