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【ヤマザキナビスコカップ G大阪 vs 鹿島】鹿島レポート:対G大阪戦アウェー用の「守備的戦術」は機能するも、予期せぬPK献上で0−1の苦杯。ホームでの逆転に賭ける鹿島(07.10.11)

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10月10日(水) 2007 ヤマザキナビスコカップ
G大阪 1 - 0 鹿島 (19:00/万博/8,157人)
得点者:57' 遠藤保仁(G大阪)

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 ガンバ大阪の分厚い中盤を封じるため、4−5−1の新布陣で挑んだ鹿島アントラーズ。彼らは立ち上がりから自陣に引いて献身的に守った。ボール支配率では相手を大幅に下回ったが、アウェーでの第1戦は慎重に行かざるを得ない。オズワルドオリヴェイラ監督にしても、この程度のボールポゼッションの差は想定の範囲内だったようだ。

 唯一の誤算は後半10分、左サイドバック・新井場徹が与えたPKだった。U-22日本代表・安田理大があげたクロスボールがペナルティエリア内で彼の左手に命中。微妙なプレーで当初はCKかと思われたが、最終的にレフリーはPKと判断する。そして後半12分、G大阪のPK職人・遠藤保仁に決められたのだ。

 その後もチャンスは数多く作られたものの、終わってみれば相手のシュート数はわずか9本。鹿島の6本と大きくは変わらない。それだけに0−1の惜敗が悔やまれる。
 しかし「でもまだ0−1。チャンスはある。最後まで諦めずに戦っていけば、いける」と指揮官は言う。選手たちも前向きだ。13日の第2戦はホーム・カシマスタジアムが舞台。今回とは全く違う攻撃的な戦いができるはずだ。今年のナビスコカップを思い返せば、準々決勝・サンフレッチェ広島戦も初戦は黒星スタートだった。アウェーで0−1と敗れたが、第2戦で見事に逆転。底力を見せつけている。今回もまだ180分間の前半が終わっただけ。次の90分間が本当の戦いだ!

 5年ぶりのナビスコカップタイトルを目指し、準決勝に挑んだ鹿島。昨季はファイナルでジェフ千葉に敗れているだけに「今年こそタイトルを獲りたい」という意気込みは強い。その決勝進出を賭けて戦う相手が今季リーグ戦で2敗と分が悪いG大阪だけに、彼らの闘争心はより一層、高まったはずだ。

「柏レイソル戦(10/6)や大分トリニータ戦(9/29)などガンバのゲームを追い続けてきたが、彼らの攻撃力と中盤の構成力は強味。その中盤を抑えるために今回、我々は選手と配置を変えた」とオズワルドオリヴェイラ監督は言う。指揮官の採った新布陣は、1トップにエース・マルキーニョスを置き、2列目に(右から)野沢拓也、小笠原満男、興梠慎三、守備的MFに中後雅喜と青木剛を配するというもの。先週末のJ1・ヴィッセル神戸戦で出場停止だった内田篤人、曽ヶ端準も復帰し、守備陣はベストメンバーが揃った。

 一方のG大阪は4−4−2。マグノアウベスもバレーもおらず、先発2トップは播戸竜二と家長昭博。左MFは寺田紳一の予定だったが、急な負傷のため安田が入った。遠藤や二川孝広ら中盤の完成度は高く、前半から高度な連動性と多彩な攻撃パターンを見せる。これに鹿島は翻弄された。相手の攻めを警戒するあまり、自陣に引きすぎる傾向も強かったが、「あくまで初戦は守りに徹する」という意思統一だけは高かった。最近の鹿島は早い時間帯の失点が少なくないが、やはりビッグマッチは違う。緊張感と集中力が少しも途切れることはなかった。

 ボールはG大阪が圧倒的に支配したため、ゴール前に詰め寄られる場面もあった。岩政大樹と大岩剛がリードする鹿島守備陣は速さにやや難がある。実際、播戸や家長、安田らがペナルティエリア内へ侵入してくるたびに危ない空気も漂った。それでも彼らはボールを追いかけ、最後の最後までゴール前に立ちはだかった。「このままいけば、爆発的な攻撃力を誇るG大阪を零封できるのではないか」という手ごたえも感じたことだろう。

 後半も高度に意思統一された堅守を見せた鹿島。しかし後半10分のPK献上だけは予想外だった。新井場は「左手首が痛かったから当たったのは間違いないんだけど…」と言葉を濁したが、微妙な判定だったのは間違いない。最低でも引き分けてカシマに戻りたいオズワルドオリヴェイラ監督は、この失点でゲームプランの修正を余儀なくされる。

 後半25分、指揮官は厳しいマークにあって仕事のできなかったマルキーニョスと動きの落ちた野沢を下げ、温存していた田代有三とキープ力のあるダニーロを同時に投入。巻き返しに出た。交代直後には田代が頭で落としたボールに飛び込んだ興梠がシュートするなど、確実に流れは変わり始める。ダニーロが左サイドを積極的にえぐり、田代もゴール前で果敢に競り合いに挑むなど、勝利への意欲は強く感じられた。終盤には本山雅志もピッチに登場。彼らは全力で同点を狙った。

 けれども「自分が1トップで、後ろにダニーロ、慎三、満男さんが入る形をやったことがなくて、中途半端になってしまった。クロスが上がっても合わせきれずにズレてしまった」と田代が悔やんだように、最後の最後までゴールネットは揺らせなかった。小笠原も「今日の新たな戦術は機能したか?」との問いかけに首を振るなど、不完全燃焼感を隠せなかった。

「第1戦は最低でも引き分け」というノルマを達成できなかった鹿島。13日の第2戦は劣勢からのスタートを強いられる。移動の伴う中2日のゲームはきついが、1−0以上で勝たなければ2年連続決勝進出の道も10冠の夢も断たれる。慎重に入りつつも、アグレッシブに得点を狙うしかない。布陣やメンバーの入れ替えも当然、行われるだろう。百戦錬磨の知将がどんな策を講じるかは見ものだ。とはいえ、幸いにして、鹿島は第2戦に強い。過去のナビスコカップ決勝トーナメントでも第2戦で逆転したケースは少なくないのだ。

 この難局を乗り切ってこそ、悲願の10冠を現実にできる。次の90分間に全てを出し切ること。今の鹿島にできるのはそれだけだ。

以上
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