10月10日(水) 2007 ヤマザキナビスコカップ
横浜FM 1 - 2 川崎F (19:00/日産ス/11,181人)
得点者:8' ジュニーニョ(川崎F)、47' 山瀬幸宏(横浜FM)、59' ジュニーニョ(川崎F)
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前半8分のジュニーニョの先制ゴールによって、川崎Fは呪縛から解き放たれたように見えた。手を伸ばせばつかみ取れそうなところにあったもの。ACL。その大会からの敗退の経験は、選手たちに亡霊のようにつきまとっていた。
「セパハン戦では(2試合を戦って)0点で終わって悔しい思いをした」
中村憲剛は2-1で勝利した試合後に、そんな言葉でACLの経験を口にしていた。そしてこの中村に限らず、川崎Fの選手たちにとってACLでの悔しさはアウェイゴール方式での戦いの教訓を残してくれていた。
そもそもイスファハンで第1戦で勝点1を手にした0-0という結果について、試合直後の選手たちの受け止め方は楽観的だった。「悪くはない」という評価が支配的だったが、アウェイでのノーゴールという結果はホームでの戦いに微妙な影を落とす。
「1点も失えない」
そんな萎縮した精神状態の中、結局川崎Fは得点を奪うことができなかった。十分なチャンスを作りながら、である。決戦となったセパハンとの等々力での第2戦。川崎Fの選手たちは、先鋭的なレベルのものではなかったにせよ、リスクテイクする決断を穏便なレベルで鈍らせていた。得点の喜びではなく失点の恐怖に負けたのである。そしてそれは何よりもアウェイでのノーゴール、という結果がもたらした負の遺産だった。
だからこそ、ジュニーニョの先制ゴールの意味は大きかった。欲しくて欲しくてたまらないアウェイゴールだった。
予想外の4バックシステムで勝負をかけてきた関塚監督は、試合後に選手たちに厳重な箝口令を敷いていた。「戦術に関してはノーコメントです。次、すぐに同じ相手と試合がある。そこで対策を立てられたら何もないですし」とだけ話すと足早にバスを目指した中村が、足を止めて語ったのがアウェイゴールの意味についてだった。
「大きいですね」
立ち上がりに喫し続けてきた失点の悪弊によって川崎Fは後半に一度は追いつかれたが、それでも1-1で終わればホームでアドバンテージを持って戦える。そんな心の余裕もあったのか、59分にはPKによって再び勝ち越すことに成功。選手を入れ替え攻勢に出てきた横浜FMの猛攻を、川崎Fは1失点で凌ぎきった。
横浜FMにはリーグ戦で2連敗を喫していた。苦手チームと言ってもいい相手だったからこそ、この勝利の意味は大きいものだった。しかし敵地での勝利に選手たちは油断する素振りも見せなかった。
「次はホームですし、勝って決勝に行きたい。勝てば文句なく決まる。一丸となってやりたいと思います」と話すのは中村。2ゴールを決めて勝利の立役者となったジュニーニョも「2-1の勝利は大きいが、これで決勝に行けるわけではない。次もある。そこは集中してやりたい」と気を引き締め直していた。
川崎Fはリーグ戦2連敗という悪夢を奇貨とすることができるのだろうか。試合後のロッカールームで何が話されていたのかはわからないが、ミックスゾーンでの選手たちの表情は等々力での戦いに向けてすでに切り替わっていた。そして、一切の戦術に対する質問に口を閉ざし、スタジアムを後にした。
以上
2007.10.11 Reported by 江藤高志
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