10月10日(水) 2007 J2リーグ戦 第44節
徳島 0 - 3 東京V (19:05/鳴門大塚/3,107人)
得点者:4' 廣山望(東京V)、64' 萩村滋則(東京V)、85' ディエゴ(東京V)
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「徳島はこの調子を続けていけば京都やC大阪もいじめることができますよ」とは東京V・ラモス監督の弁だが、その言葉は決してリップサービスではないだろう。徳島はこの一戦で確かに『台風の目』となり得るだけの可能性を見せた。結果こそ伴わなかったが、それでもチームが高いモチベーションのもと果敢な戦いを繰り広げ、東京Vに相当手を焼かせたのは間違いない。
試合自体を振り返れば、東京Vの試合巧者ぶりが勝負を決めた。開始早々のまだ徳島が落ち着き切れない時間帯にあっという間のカウンターを仕掛けて先制すると、後半には守勢を強いられた中で得たCKから効率的に2点を追加。まさしく勝負どころを抑えた試合運びで勝利を手に入れたと言えよう。
しかし、である。内容に目を向ければ、総じてリズムよく戦ったのは徳島。前記のように3失点を喫しはしたが、チームは統一された意識と戦術を持って攻守にハードワークを繰り返していた。
まず守備では、ディエゴ、フッキという東京Vのキーマン2人を徹底的にケア。前半はアンカー丹羽とセンターバック青葉・石川が、また石川が退いた後半はアンカーに入ったダ・シルバととセンターバック青葉・丹羽がしっかり受け渡ししながら彼らを封じ込めた。ボールを受けさせない、受けられても簡単には前を向かせない守りは確実に効果を出していたと言っていいだろう。
さらに、その守備は早い時間から2人のイライラを誘発させることにも成功。それによって彼ら自身のプレー精度を下げさせるとともに、東京Vの組織としての攻撃も単調なものへと追いやっていった。
そして、攻撃においても徳島は自らのやるべきことを忠実に実践する。中でも特に良さが出ていたのは3人目の絡んだ展開だろう。トップ小林のポストプレーからボールを受けた熊林が、スペースへ飛び出す長谷川、石田らに再三ワンタッチでパスを供給。縦を鋭く突いて東京V守備陣を手こずらせた。その上、後半には投入されたアンドレが精度の高い中距離フィードで組み立てにアクセントも付ける。さらにアンドレに関して言うなら、クロスバーを強襲する強烈なミドルシュートを披露するなど、久々の出場ながら積極性溢れるプレーでチームを牽引していた。
ただ惜しむらくは、この日の徳島の攻撃にはサイドチェンジが欠けていた。終了後に塩川も「タイミングを見て使ってほしかったのですが、ボランチを使ったサイドチェンジが少なかったのが原因かもしれません」と語ったが、それがなく展開がやや窮屈になってしまったことは東京Vの最終ラインを破り切れない要因となってしまっていた。
とは言え、冒頭にも書いたように、徳島は『台風の目』となり得る可能性を十分に感じさせた。今後、次節の水戸戦を挟み、46節から京都、札幌、C大阪、福岡と上位陣との4連戦(49節は試合なし)が待っているが、それらの戦いでも各チームを慌てさせることは間違いないはずだ。
対して、この一戦を満足の内容で終えられなかった東京Vだが、それでもしっかり勝点3を逃さないところはやはりさすが。服部が「この時期は内容より結果」と語ったが、得失点差も伸ばしたこの結果はチームにとって何よりの成果となったに違いない。ただし、まだまだ激しさを増すことが予想される昇格争いを考えれば、こうしてフッキとディエゴが機能し切らない時の打開プランをより煮詰めておく必要はある。中位以下との対戦を多く残している状況で、取りこぼしをしないためにもそれは絶対不可欠と言えるだろう。
一歩一歩クライマックスへと近付きつつある今季のJ2リーグ。果たしてこの両チームは、立場こそ違えどそれぞれ目指すものを最後に手にすることができるか。興味は尽きない。
以上
2007.10.11 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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