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【第87回天皇杯4回戦 広島 vs 湘南】レポート:約2ヶ月ぶりの公式戦勝利を導いた戸田和幸のボランチ起用。内容に結果が伴い、広島がJ1残留へのきっかけとなりそうな勝利を手にする。(07.11.04)

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11月4日(日) 第87回天皇杯4回戦
広島 3 - 0 湘南 (13:02/鳥取/3,372人)
得点者:52' 青山 敏弘(広島)、69' オウンゴール(広島)、89' 森崎浩司(広島)
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 広島勝利の鍵となったのは、戸田和幸のボランチ起用だった。

 「戸田・森崎和・槙野の3バックは、安定している」と、ペトロヴィッチ監督は言い続けてきた。しかし、今日の指揮官はその3バックの中心・戸田をボランチにあげ、MFとして起用されていたストヤノフをリベロに配置。横浜FM戦を戦った形に、再びチャレンジしたのである。

 それは、先々の戦いを見越した上での判断。広島の中盤を支えてきた青山敏弘と柏木陽介は五輪最終予選のため、11月18日の神戸戦に出場できない可能性が非常に高い。そのため、この天皇杯・湘南戦で戸田のボランチを試しておきたいと考えたのだ。

 とはいえ、言うまでもなく戸田はボランチが本職。「水を得た魚」とは、まさにこの日の彼のことだ。「(久しぶりの中盤?)反省の方が多い」と戸田は語るが、それはもちろん、戸田の求めるレベルの高さ故。バランスをとりながらクレバーに攻守に効果的に絡む、非常に判断の早い戸田のプレーが中盤で機能することにより、広島の選手たちが生き生きとピッチを走り始めた。

 戸田の存在によって特に輝いたのが、青山敏弘である。彼が攻守に厚い信頼を寄せるチームリーダーが中盤にいることで、青山は自らの特徴である「思い切りのいい走り」を躊躇なく発揮できた。後ろを気にすることなく前に向かって走り、強いフィジカルを利して激しくプレスをかけ、彼は何度もボールを奪った。そしてそれが、広島の攻撃の起点となった。

 さらに、ボランチが活性化したことで、トップ下の森崎浩司や柏木陽介が、FW佐藤寿人の近くでプレーできるようになった。湘南が誇るジャーンと斉藤俊秀の2CBも森崎浩や柏木の動きに惑わされ、佐藤をうまくマークしきれない。それでも前半はさすがの強さを発揮し、決定的な形はつくらせなかったが、それも52分までだった。

 きっかけは、やはり青山。強烈な中盤のプレスでボールを奪うと、そこからドリブルを仕掛け、相手を引きつけてスペースをつくってから駒野にパス。駒野はそのスペースに切り込み、左足でシュート。その強烈な弾道が故に、GK金永基はボールをこぼしてしまった。そこに、ボール奪取から50m近くを走ってきた青山が飛び込み、左足で押し込んだ。

 広島の2点目も、やはり長い距離の走りから生まれた。69分、湘南のCKを跳ね返した後のカウンターが爆発する。この時、ストヤノフは一気に右サイドを駆け上がり、相手のゴール近くでのスローインを奪った。そのスローインのボールを受けたストヤノフは、仲間の動きをしっかりと確認した上で、左足を振り抜く。そのクロスをクリアしようとした湘南DFの頭に当たったボールは、そのままゴールネットに吸い込まれた。

 2点のビハインドを追いつこうと、湘南・菅野監督は両サイドバックをベンチに下げ、高さのある梅田直哉と攻撃的MFの永里源気を投入。リスクを冒して、攻撃の枚数を増やした。その4分前、中盤で存在感を示していた戸田が足をつらせてベンチに下がったこともあり、湘南の圧力に広島の守備陣が慌てるか、と思われた。

 が、79分。ペトロヴィッチ監督は盛田剛平を投入して相手の高さを抑え、森崎和をボランチにあげる。この采配で、広島は中盤に落ち着きを取り戻すことに成功した。そしてロスタイム、カウンターから森崎浩が左足のシュートを突き刺し、9月1日の横浜FC戦以来、65日ぶりの公式戦勝利を確実なものとした。

「課題はたくさんあるけれど、今は勝利の喜びを噛み締めたい」と佐藤が言えば、戸田主将は「勝ったので、この髪型(モヒカン刈り)は続けます」とおどける。久しぶりの勝利の快感は、チームに心からの笑顔をもたらした。

 もちろん、J1残留に向けての厳しい戦いがこれからスタートすることは、誰もがわかっている。しかし、内容と結果が結びついたこの日の勝利が、浮上に向けて大きなきっかけとなってくれそうな予感を、選手たちは感じている。

 アジエル・加藤を起点とした湘南のサイド攻撃は、見応えがあった。だがビルドアップ段階でのミスからカウンターを食らい、自らリズムを失ったことが、3失点につながってしまったことも、湘南というチームが抱える一方の現実である。
 しかし「我々の戦いは、まだ終わっていない」と言う菅野監督の言葉どおり、湘南のJ1昇格への可能性は、まだゼロではない。天皇杯で見えた課題を修正し、残り4試合に向けて全力を尽くすこと。「自分たちを信じて」(加藤)やり抜くしかないのである。

以上

2007.11.04 Reported by 中野和也
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