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【J1:第32節 千葉 vs 横浜FM】レポート:素晴らしい逆転シーンを見せた千葉だが、相手をマークしきれず逆転負け。サイドを突く攻撃が奏功した横浜FMが第25節以来の勝利。(07.11.19)

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11月18日(日) 2007 J1リーグ戦 第32節
千葉 2 - 3 横浜FM (17:00/フクアリ/15,678人)
得点者:20' 中澤佑二(横浜FM)、67' レイナウド(千葉)、79' 工藤浩平(千葉)、80' 大島秀夫(横浜FM)、84' 田中隼磨(横浜FM)

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千葉の監督として自分たちを3年半指導し、急性脳梗塞で倒れる前日の15日には練習試合を観に来てくれたイビチャ・オシム日本代表監督のためにも勝ちたい。この日の千葉の選手のプレーからは、随所にそういった気迫が感じられた。

それが特に顕著だったのは79分のゴールシーンだった。MF伊藤淳嗣のパスを受けたFWレイナウドが、ペナルティエリア右サイドにスルーパス。それに追いついたMF羽生直剛が、ボールがゴールラインを割る寸前にスライディングのような形でパスを上げる。なんとしても得点につなげたいという執念のプレーは、「日本人はあまりやらないけど、外国籍選手にはできる、軸足でボールを蹴る」(羽生)キックにチャレンジして成功したものだった。そのパスからMF工藤浩平が豪快な右足のボレーシュートを決め、逆転弾(この時点での)となったのだが、その場面ではFWのレイナウドと新居辰基がDFのマークをひきつけ、工藤はフリーの状態だった。さらにレイナウドは工藤がシュートしたボールが自分に当たらないように、ピッチに倒れこんでよけていた。レイナウドと新居は千葉でイビチャ・オシム日本代表監督の指導は受けていない。だが、このゴールシーンは得点のために献身的なプレーをすること、相手の裏をかくための賢い判断をすることを誉めたイビチャ・オシム日本代表監督が、千葉の選手に叩き込んだサッカーのエッセンスに満ちていた。

だが、この千葉の歓喜の瞬間からわずか1分後、横浜FMはMF田中隼磨のスローインを受けたMF清水範久が右サイドを突破。清水のクロスボールからFW大島秀夫がヘディングシュートを決めて同点。そして84分、清水が今度は左サイドを突破し、クロスボールを逆サイドに入れる。すると、そこにフリーの状態で走りこんだ田中が、見事なダイレクトシュートで勝点3を奪うゴール。選手それぞれの個人技も光ったが、「3バックのサイドのスペースを突くことを意識していた」(清水)横浜FMの狙いが見事にはまった得点シーンだった。一時は逆転されたが、苦しい時間帯を必死の守備で耐えた横浜FMはリーグ戦では第25節以来となる勝利。チームのJ1通算得点850得点まであと1と迫った。

千葉は序盤では横浜FMに主導権を握られたが、中盤で激しく潰し合うなかで次第にリズムをつかみ、後半はボールを保持する時間は長かった。だが、20分、横浜FMのCKからのゴール前の混戦で、こぼれ球をDF中澤佑二に押し込まれた失点も含めた3失点は、いずれも相手選手をマークしきれていないというミスによるもの。いくら千葉らしい攻撃で得点しても、ミスからあっさりともったいない失点を重ねていては勝てるはずなどない。
84分の失点の場面では、千葉は直前に選手交代があり、ベンチの指示が選手には的確に伝わらなかったようだ。そのため千葉の選手のポジションや相手選手のマークに混乱があり、守備のバランスを崩したにしても、イビチャ・オシム日本代表監督が教えた「考えて走るサッカー」は攻撃だけではなく守備にも通じるものだったはずだ。今、どこが危険なのか。今、自分がマークすべき選手は誰なのか。それを的確に察知してやるべきプレーを判断し、コーチングで助け合わなければ、残り2試合の公式戦で勝利をつかむ守備はできない。

以上

2007.11.19 Reported by 赤沼圭子
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