3月1日(土)ゼロックススーパーカップ 鹿島 vs 広島(13:35KICK OFF/国立)
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キャンプの練習試合で勝利できなかった広島ではあるが、「それは特に重要ではない」とイリアン・ストヤノフは言う。実際、トルコで闘った相手は、ディナモ・ザグレブ(クロアチア)にロコモティブ・モスクワ(ロシア)といった欧州チャンピオンズ・リーグを狙うビッグクラブに、1998年ワールドカップ得点王=ダヴォール・シュケルがキャリアをスタートさせたクラブ=オシエク(クロアチア)。さらにACL出場クラブの全南ドラゴンズ(韓国)。レベルが昨年とは1ランク違う相手ばかりと闘っていた。
確かに、結果は2分2敗。しかし、内容は決して悪くない。例えばディナモ・ザグレブ戦の前半はほぼ一方的に相手を攻めたて、ハーフタイムには相手監督が選手を叱り飛ばしていた。ロコモティブ・モスクワ戦では前半途中から中盤を支配、ビッグチャンスの数では相手を圧倒した。引き分けたオシエク戦も全南戦も、チャンス数では大きく相手を上回っていた。失点も多かったが、組織が崩されたシーンはほとんどなかった。
つまり、チームとしてどう攻め、どう守るかという戦術は、怪我による主力不在の状況でもしっかりとした試合ができるほど、チームに浸透している。ペトロヴィッチ監督が築きあげてきた財産の継続がもしなかったら、チームをつくることすらままならなかっただろう。
ただ一方で、昨年と変わらない課題も、未だ抱えたままだ。一つは「チャンスの数と得点が比例しない」(ペトロヴィッチ監督)こと。昨年のいい状態の時は、佐藤寿人・ウェズレイ(現 大分)の2トップが驚異的なシュート決定率を誇っていた。しかし、2トップの決定率が落ちると、そのままチームの得点減につながってしまった。そしてそこは、今季のキャンプでも露呈していた。
宮崎キャンプの甲府戦。前半の甲府の攻撃をしのぎ、後半はカウンターを利してチャンスの山を築いた。しかし、結果は森崎浩司のFKによる1点のみ。桑田慎一朗はこの試合で放ったシュート7本について「すべて決めなきゃいけない」と唇をかみ、ペトロヴィッチ監督は「6点とって勝たないといけない試合」と苦笑いを浮かべるしかなかった。移動と時差による蓄積疲労を考慮しても、この得点力の乏しさは大きな課題だ。もちろん、3年連続J1二桁得点を達成した佐藤寿人、ロコモティブ戦で2得点をあげた平繁龍一、この2トップの能力は高い。だが、彼ら二人は組織の中で得点を挙げるタイプであり、天皇杯の時のようにその組織が封じられた時は、厳しい状況に陥る。そう考えると、途中出場が予想される久保竜彦とユキッチという二人のFWの存在が、大きくクローズアップされるだろう。
久保の場合、昨年開幕戦・浦和戦の強烈なゴール以降、下半身がボロボロの状態になり、11月までボールに触ることもできなくなった。ブランクからようやく立ち直ってきた現状で、ベストパフォーマンスは当然望めない。しかし、甲府戦で2得点、川崎F戦でも得点の起点となるなど、「パフォーマンスもあがってきた」(ペトロヴィッチ監督)ことも確か。短い時間であれば、かつて鹿島相手に演じたハットトリックの時のように、強烈な破壊力を見せつけることは可能だろう。また、宮崎キャンプから合流したユキッチも、徐々にその左足の破壊力とスピード、そしてクレバーで運動量豊富な動きも披露している。
この二人には高さがあり、個人で状況を打開するパワーがある。残り15分まで我慢できれば、広島はこの二人を一気に投入し、大きな勝負に出ることも可能だろう。
そのためにも、広島はまずしっかりとした守備から入らねばならない。だが、このチーム最大の課題もまさに守備であることは、昨年の結果が証明している。
天皇杯の時も、立ち上がりに内田篤人の素晴らしいゴールで出端をくじかれ、完敗した。練習試合でも、組織としてはいい守りをしているのに、集中を欠いた時間帯が必ず生まれ、セットプレーやミドルシュートを簡単に許し、「安いゴール」(ペトロヴィッチ監督)を与えてしまう。昨季もよく見た光景だ。
最後の練習試合となった大分戦の前、ストヤノフを中心に槙野智章・森脇良太の3バックが話し合い、マークの受け渡しなど細かな部分の確認を行った。そのことが功を奏し、大分戦では非常に安定した全体守備を見せ、相手にほとんどチャンスを与えなかった。これは、チームに大きな自信を与えたと言える。
とはいえ、まだ成果はわずか1試合のみ。本当の意味で守備に自信をつけたとは言えまい。トルコで活躍した高柳一誠は怪我で出場は難しく、青山敏弘はまだ試合感覚が戻っていない。正直、守備面では不安を残したままだ。
ただ、前述したように、組織が崩された失点はほとんどない。あとは、個々の選手・グループの集中の問題だ。マークを離さない、しっかりと受け渡す。基本的なことをやりぬくこと。大分戦でできたことを続けられるか。広島の闘いのすべては、そこからスタートする。
以上
2008.02.29 Reported by 中野和也
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