3月9日(日) 2008 J2リーグ戦 第1節
徳島 0 - 2 横浜FC (14:06/鳴門大塚/6,150人)
得点者:36' 山田卓也(横浜FC)、62' アンデルソン(横浜FC)
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徳島と横浜FCが開幕白星を争った一戦は、ベテランの閃きが勝負を決めた。36分、ゴールまでまだ30mはあろうかという位置でセカンドボールを拾った横浜FC山田卓也が間髪入れずに右足を振り抜きミドルシュート。これが、意表を突かれポジション修正時間を与えられなかった徳島GK島津虎史の頭上を抜いてネットを揺らした。試合後のインタビューで「昨日見たウェズレイ(大分)のシュートをイメージし、意識していた」と本人は語ったが、得たアイデアを瞬時の閃きとして実践するあたりが何とも百戦錬磨のベテランらしい。
そして、後半にもアンデルソンが加点した横浜FCが見事2008シーズンのスタートを勝利で飾った。
しかし、新しく生まれ変わったチーム同士の激突となったこの開幕戦、プレビューでキーワードに挙げた『まとまり』は両者がそれぞれに見せてくれた。特に、ひいき目なく見ても、敗れた徳島が素晴らしいそれをピッチ上で体現していたのは間違いない。林祐征のポストプレーに玉乃淳、六車拓也らが絡んで素早い攻撃を組み立てれば、ドゥンビアも持ち味のドリブルを効果的に使い横浜FC守備陣を混乱に陥れる。さらに左サイドDFの藤田泰成もタイミングのよいオーバーラップを仕掛けて攻めに厚みと幅を持たせていた。それによって次々と変化のある展開を繰り出すチームの姿は、昨季の徳島からは想像も出来ないほど一体感のあるものだったと言えよう。
また付け加えれば、徳島は守備においてもCBの西河翔吾と登尾顕徳を中心にまとまりを披露。直前まで不安視されていた連携はしっかり修正されており、統一意識を持った守りで横浜FCの攻撃の芽をことごとく潰していた。
対して勝利した横浜FCも、守備においては全員が集中し組織としての粘り強さを見せたと言えるだろう。守勢にまわる時間が長い状況でも、八田康介と吉本岳史を軸とした最終ラインは最後まで崩れず徳島の攻撃を凌ぎ続けた。「終盤は猛攻にさらされましたが、絶対勝つんだという選手の気迫が相手に対して圧力になったのではないでしょうか」と試合後に都並敏史監督は振り返ったが、まさしく新生横浜FCの全員一丸となったことによる完封だったように思われる。
ただ、そのようにまとまりを感じさせた両チームだが、取り組むべき課題がハッキリと出たことも忘れてはならない。
まず徳島においてはフィニッシュの精度があまりに悪すぎた。玉乃や米田兼一郎が絶好機で放ったシュートはゴールのはるか上を越え、またドゥンビアは力み過ぎもあったのかチャンスにマウスを捉えられない。これではいくらいい攻撃の形を作っても勝利という結果を引き寄せるのは難しいだろう。実際それについては美濃部直彦監督も「決定的な場面は僕の記憶の中で2回くらいあったと思うのですが、そういうのを決めていかないとサポーターに喜んでもらえる試合はできないし、勝ちにも結びつきません」と、改善が不可欠であることを語っていた。
そして横浜FCとしてみれば、山田とアンデルソンの個人能力で2得点こそ奪ったものの、「今日はほとんど作れなかった(都並監督)」中盤とそこから前の展開には問題があった。ボールを動かしながらアンデルソンで起点を作りたいという意図は感じられたが、いかんせんこのゲームではアンデルソンを孤立させてしまう場面がたびたび。さらに高い位置でボールを回せないことからチームの武器である三浦淳宏の攻撃参加も影を潜め、グループとして徳島守備陣を崩し切った回数はゼロに等しかったと言わざるを得ないだろう。
こうして両者いい所も悪い所も出たこの開幕戦。どちらも生まれ変わって挑む今季を明るいものとするためには、今後トレーニングと戦いを重ねながらよかった部分はその質をさらに高め、悪かった部分は十分な修正を図っていかなくてはならない。
この一戦での明暗は分かれたが、どちらも新生チームとして船出したばかり。期待と楽しみをもってこれからの成長を見守りたい。
以上
2008.03.09 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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