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【J2:第1節 甲府 vs 岐阜】レポート:ブーイングからのスタート。J2ルーキー・岐阜に勝ち点1を許した甲府。(08.03.09)

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3月9日(日) 2008 J2リーグ戦 第1節
甲府 1 - 1 岐阜 (14:03/小瀬/13,211人)
得点者:38' 羽地登志晃(甲府)、66' 小島宏美(岐阜)

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フワフワと地に足が着いていない気分だった。第2次大木政権のJ2時代とも、J1元年とも、J2降格を意識した昨年の終盤とも違う気分。開幕を楽しみにしていたが、実際にその日を迎えると純粋な期待でも純粋な不安ではない、自信と傲慢の間に漂っているような感情がチラチラと顔を出してきた。記者席の後ろのSS席からは「ほら、ボールを持っても繋げない。高校サッカーみたいだな」という声が聞こえてくる。確かに、キックオフ直後の岐阜のサッカーに対して「いいサッカー」という印象は持たなかった。甲府の方が確実に上だという傲慢な気分に浸りたい誘惑がフワフワと近寄ってきた。

しかし、15分もすればその傲慢君は、攻め込んでいる割にはいい形のシュート数が少ない現実に謙虚という姿勢を学び始める。岐阜がいいのではなく、予定(希望)していたほどのサッカーを甲府が出来なかったからだ。1/4の課題は目に見えて改善されていなかった。ただ、それはキャンプ期間だけで劇的に改善される課題ではなく、やり続けないと駄目な課題であることは千葉とのトレーニングマッチで感じていた。しかし、それがJ2の世界ではどうなるのかは2年間のブランクが都合よく邪魔をして、希望だけを育てていたのかもしれない。Jステップキャンプを見に来ていた山崎(現・清水スカウト)は「何年(プロを)経験しても、始まってみないと判らないですからね」と言っていたことを思い出した。レギュラーやベンチ入りをかけて戦うトレーニングマッチとJ1昇格を賭けて戦う本番のプレッシャーは別物だった。少なくとも開幕戦に限っては。

38分にコーナーキックから羽地登志晃の先制ヘディングシュートが決まったときは小瀬も沸いたし、「どうだね」という気分になった。ゴールが生み出す活力は素晴らしく、謙虚に傲慢になることが出来た。後半の立ち上がりも、林健太郎のスルーパスに反応した大西容平のシュートに「(Jリーグ)ノーゴールの呪いまだ解けず」と心の中で茶々を入れる余裕もあった。しかし、66分にDFラインのパスミスから岐阜の小島宏美に同点ゴールを許すと、イライラという感情がチャンスを掴んで蔓延る。スリーラインが連動できず、足が止まった甲府は岐阜の能力を引き出してしまう。岐阜は置かれた現状でやれることをしっかりやっているチームだった。甲府とは違う意味の厳しい戦いをこれからも強いられるだろうが、J2リーグの草刈場に簡単になるようなチームではないことをデビュー戦で証明しようとした。本当にそうなれるかどうかは判らないが、その可能性を充分に持っていることだけは確かだ。

1−1で引き分けた瞬間、小瀬に大ブーイングが起こった。J2に降格した時でさえブーイングをしなかったサポーターがブーイングをしたのは、今年の甲府の置かれている立場を表している。クラブ創立以来、初めて優勝(昇格)を現実的な目標として期待されるシーズンなのだ。J2リーグ第1節で一番の集客(13211人)がその期待。選手もその意味を感じていただろうが、積極的に前に進むサッカーを見たかったのだ。甲府の選手たちは2年間J1を経験し、「いいサッカー」と評価されることでそのメンタリティを失ってしまったのだろうか。一試合で判断するつもりはないが、活力が足りない選手が数人ピッチにいたことだけは事実。悲観はしないが残念な気分になった。慣れない立場にフワフワした気分も試合後には消えていた。ブーイングからのスタートを積極性へのスイッチとして第2節(徳島戦)をプレーしてくれることを期待したい。1/4の課題を改善して点を取り、J2で勝ち上がることは簡単ではないが、それをやるのが甲府の矜持。それが僕らが誇る甲府のスタイルなのだから、必死で表現しようとしてくれれば拍手を送る。それが出来れば順位も付いてくる。気がつくと第2節を楽しみにする気分が顔を出してきた。

以上

2008.03.09 Reported by 松尾潤
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