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【レッツゴーACL】アジアの細道、遥かなるACL2008 vol.1 G大阪の戦うメルボルン、初秋の季節にアジア初参戦(08.03.13)

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3月12日(水)の朝、シドニーを経由し、メルボルン空港に到着した。南半球のメルボルンは、夏が終わり、これから秋に入ろうとするところ。機内のアナウンスは気温が27度に達することを知らせていた。湿度がそれほどでもないので、暑いという感じではないが、空はまだ夏のように見えた。

今週のメルボルンの主役はサッカーではなく「F1」。2008年開幕戦となる「オーストラリアGP」が明日、3月13日(木)から始まる。市南部の普段は静かな「アルバート・パーク」はすでにサーキットに変身。公道を使ったレースが行われる。駅にはF1グッズの店舗も営業を始めており、関係者らしき人も空港のターミナルで見かけた。

AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の初戦、メルボルン・ビクトリーvs.全南ドラゴンズの会場となるのは「テルストラ・ドーム」。街の中心部にある中央駅のような「サザンクロス駅」から通路で繋がっており、わずか徒歩3分。その名の通り開閉式の屋根を備えている。スタジアム内はサッカー専用ではなく、オーストラリアン・フットボール(日本ではオージーボールと呼ばれていた)仕様で、全体が丸い。名前はネーミングライツで「Telstra」という電話会社。それに敬意を表して、メルボルン滞在中は私の携帯電話はここのネットワークに接続させることにした。

試合開始4時間前の15時過ぎにいってみると、平日の昼間のせいか、今日試合があるような雰囲気はない。ただ、グッズ売り場のテントが作られていたことと、チケット売り場が開いていたことが、今晩の試合を感じさせるものだった。チケットは一番高い席「PLATINUM」。47オーストラリアドル(約4700円)で場所はメイン。次が「GOLD」でバックスタンドなど37豪ドル(3700円)。最後がゴール裏と3階席全部に入れる「GENERAL ADMISSION」。チケット売り場ではクレジットカードも使用できる。

市内を回った後、試合開始1時間前の18時30分、テルストラ・ドーム戻ってくると、そこにはメルボルンのサポーターが溢れていた。女性の姿も多く、レプリカユニやマフラーなど、グッズの着用率も高い。しかし、レプリカユニを良く見ると袖にリーグスポンサーの「HYUNDAI」、背中の下には「SAMSUNG」と韓国企業が2つ。さらにテルストラ・ドームの入口にある大型映像には「Panasonic」。

メルボルンはAリーグで最も観客動員の多いチームで、2007-2008シーズンは平均2万6000人を誇る。平日の夜ということで少し舐めていたが、この日も2万3000人を越える観客が集まった。もっともスタジアムのキャパが5万3000人あるので、それでも客席は半分程度。しかし、ゲート2を入ったところのゴール裏は、「BLUE&WHITE BRIGADE」(サポーター集団の名前)の指定席で、1000人ほどのサポーターが熱い応援をしていた。危険な感じは全くしないが、あまり不用意に近寄らない方がいいだろう。

今年、ACLに初参戦するメルボルンだが、オーストラリアのAリーグはちょうど2007-2008シーズンが終わったばかりだ。2月24日のグランドファイナルでニューカッスル・ジェッツが優勝。このニューカッスルと、リーグ戦で1位だったセントラルコースト・マリナーズなどが2009年のACLに出てくることになるのだろう。

2006-2007シーズンの結果で今年のACL出場権を得ているメルボルンは、今季6勝9分6敗の勝ち点27で5位(8チーム3回戦総当りで21試合)。もう1つACLに出場しているアデレード・ユナイテッドは勝点26(6勝8分7敗)で6位と低迷している。但し、1位のセントラルコーストの勝ち点も34なので、それほど大きな差があるわけではない。

初戦の対戦相手は川崎Fサポーターには、お馴染みの全南ドラゴンズ。こちらはこれからKリーグの2008年シーズンがスタートするタイミングでの試合だが、メルボルンはここからAリーグの試合がなく、3〜5月にACLを1ヶ月に2試合こなすという、難しいコンディションとなる。4月にG大阪と対戦するときは、どのような状態になっているのだろうか。

試合はメルボルンが前半PKで先制。後半にもCKから追加点を上げ、2-0と勝利した。全南は全体的にパスミスなど、連携が乱れる場面が多く、高く上げたDFラインの裏を狙われ苦戦した。一方のメルボルンもそれほどの出来とは思わなかったが、少ないチャンスを確実に生かした。目に付いたのは全南の選手がドリブルの際に転ぶシーン。上からは芝が短く刈られているように見えたが、実際はどうだったのだろうか。また試合終了後、判定に不満を持つ全南の監督、選手が審判に詰め寄る場面も見られた。

スタンドの方では、在オーストラリア韓国人を中心に30人ほどのわずかな全南サポーターが、時折「テーハミング」や、「オーピルス、コリア」などの代表チャントを歌うが、両方のゴール裏を占拠したメルボルンサポーターの前に埋没した。Aリーグでは今ひとつの成績だった、メルボルンだがサポーターたちは、その鬱憤を晴らす絶好の機会を得たようだ。第1節を終えて、まさかの引き分けに終わったG大阪を尻目に、首位に立ったメルボルン。4月9日テルストラ・ドーム、23日万博の2連戦が、このグループの動向を決めるヤマ場になりそうだ。

Reported by 小野寺俊明@メルボルン (ナノ・アソシエーション)

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