4月5日(土) 2008 J2リーグ戦 第6節
草津 1 - 2 湘南 (13:04/群馬陸/4,751人)
得点者:70' 寺田武史(草津)、81' リンコン(湘南)、86' リンコン(湘南)
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勝負の世界は、非情だ。ロスタイム、同点に追いつくためのPKを獲得した草津は、エース高田がペナルティエリア内で湘南のGK金と対峙する。高田が放ったシュートがポストを叩き、ボールがクリアされた瞬間に試合終了のホイッスルが鳴り響いた。1点を先制しながらも痛恨の逆転負け。草津にとって今節の敗戦は、あまりにも重過ぎる1敗だ。両手で顔を覆い、うなだれる草津のエースストライカーの姿が、現在のチーム状態を如実に物語っていた。
開幕5戦で1勝1分3敗の草津と、2勝3敗の湘南。今節の対戦は、どちらにとっても負けられない重要な一戦だった。「選手にはターニングポイントのゲームだと話した」(菅野監督)。草津は、ケガで戦列を離れていた守護神・本田とDF崔成勇が復帰。高田と後藤が2トップを組む4―4―2のシステムで挑む。一方の湘南は、石原、原が前線に並ぶ4―4―2の布陣。どちらもトップにスピード系ファイターを配置し、ゴールを狙う。
先手を取ったのは前半に風上へ立った湘南だった。湘南は、石原と原が積極的にDFラインの裏を突き、草津の守備ラインに揺さぶりをかける。最初のビッグチャンスは29分。カウンターのこぼれ球からアジエルがシュート。32分には石原がミドルを放ち、草津を追い詰める。草津は中盤で良いカットを見せるものの、中盤と前線との連係を欠き、決定機を迎えることができない。湘南は40分にも左CKから斉藤がヘッドで合わせるが、草津・熊林がゴールライン上で決死のブロック。前半は互いに譲らず0対0で折り返す。
後半15分過ぎ、草津は後藤に代えてベテラン鳥居塚を投入。湘南は、原、大山に代えてリンコン、鈴木将をピッチへ送り込む。膠着状態に陥っていたムードを一変させたのは、草津の司令塔・島田の衝撃のプレーだった。カウンターから中盤でボールを受けた島田は、ドリブルで一人をかわすと、左サイドをフリーで駆け上がる左SB寺田へ、ノールックのラストパス。これを寺田が確実に決めて草津が1点をリードする。
先制を許して後がなくなった湘南は、前がかりになって草津に襲い掛かる。これに対して草津は中途半端なプレーを繰り返しては、湘南にカウンターからのチャンスを与えてしまう。「前と後ろのバランスが崩れた」(松下)。ゲームの流れが一気に湘南に傾いた81分、右CKの2次攻撃からアジエルが渾身のヘッド。そのシュートはクロスバーを叩くが、その跳ね返りをリンコンが右足で叩き込んで同点。その5分後には、草津が選手交代で混乱する隙を突いて、再びリンコンがヘッドを突き刺し、逆転に成功。執念でゲームをひっくり返した。
だが、ゲームにはまだドラマが待っていた。4分間のロスタイムに、ジャーンがペナルティエリアでハンドを犯し、土壇場で草津にPKが与えられる。ペナルティマークにボールを置いたのは草津のエース高田。草津サポーターは同点になることを信じて疑わなかった。だが、高田が放ったシュートはクロスバーに弾かれ、次の瞬間、無情にも試合終了のホイッスルが吹かれた。崔成勇は「負けたのはヤス(高田)がPKを外したためではない。チーム全員の責任だ」と、高田を擁護した。
湘南にとって、草津を逆転で下したことは価値ある勝利となった。「最後のPKを含めて、チーム全員の気持ちが勝利につながった」と原。菅野監督も「この試合に懸けるという気持ちが出ていた」と評価した。湘南は3勝3敗のタイに持ち込み、暫定で6位浮上。序盤の上位争いに踏みとどまった。
ホームで最悪の結果を招いた草津だが、そのダメージは計り知れない。2節熊本戦に続く、終盤での逆転負け。負け方があまりにもひど過ぎるのだ。試合後、サポーターはブーイングを送ったが、それは「怒り」ではなく、「悲しみ」のブーイングに聴こえた。この「悲しみ」を癒すのは、次節の勝利しかない。
以上
2008.04.05 Reported by 伊藤寿学
J’s GOALニュース
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