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【J2:第6節 甲府 vs C大阪】レポート:2選手が負傷交代したC大阪と、2選手が退場になり9人で戦った甲府。勝ったのは最後まで集中して守ったホームチームだった(08.04.06)

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4月6日(日) 2008 J2リーグ戦 第6節
甲府 3 - 2 C大阪 (14:03/小瀬/10,389人)
得点者:11' 宇留野純(甲府)、36' ジョジマール(甲府)、39' ジョジマール(甲府)、57' ジェルマーノ(C大阪)、89' カレカ(C大阪)

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「今日のゲームを振り返るのは非常に難しいというのが正直な感想。通常ありえないことが非常に多く起こった」。C大阪のレヴィー・クルピ監督のコメントが、この試合をもっとも的確に表している。両チームともに持ち味は出し合った。ゴールも合わせて5つ生まれ、スタジアムは沸いた。最後まで目が離せなかったこの試合は、確かにいろいろなことが起こった。試合の流れを振り返ろう。

 ここまで4分1敗とまだ勝利をあげていなかったホームの甲府は、負傷が癒えた宇留野純を3トップの左に、同じく戦列に戻った秋本倫孝をセンターバックに起用した。しかし、開始からボールを支配したのは相手、C大阪だった。右サイドバックの柳沢将之、左サイドバックの丹羽竜平がバランスよく攻撃に絡み、早めに前線の古橋達弥、カレカに入れる形でリズムを作り出した。

C大阪のほうに得点のにおいが漂い始めた11分。C大阪DFがクリアしようとしたボールを「(ゴールを)狙ったというより、体が自然に動いた」と言う宇留野がカット、そのまま持ち込んで冷静にゴールに流し込んだ。思わぬ形で先制点が入ったが、リードされたC大阪が直後もチャンスを作り、反撃を試みた。が、22分に古橋が右足を押さえて倒れ、そのまま交代。さらにその2分後には柳沢が左足を負傷して交代してしまった。C大阪は前半のうちに2枚のカード、柿谷曜一朗と中山昇を切ることになった。

その後もC大阪がポゼッションする時間が続くのだが、甲府はカウンターが冴えた。36分には、美尾敦が相手ボールをカットして上げたボールをジョジマールが決めて2点目。さらに39分には山本英臣のパスから再びジョジマール。いずれも手数をかけず、すばやく相手ゴール前に攻め込んだ形だった。この時点で3-0。ダメ押しともいえるゴールに、甲府ベンチではスタッフが飛び上がって喜び、スタンドには大歓声が轟いた。勝負は決まったかに見えた。

互いにチャンスを作りあい、見ごたえある攻め合いを見せた前半と比べると、後半は荒れた展開になった。55分、カレカが倒されてC大阪がPKを得た。カレカを倒したとして、甲府DF池端陽介が退場に。そしてジェルマーノが蹴ったPK(ポストに当たる)は、甲府のGKが前に出たという判定で蹴りなおしになり、2度目のキックが決まってようやくC大阪が1点を返した。

3-1となり、逃げ切りを図りたい甲府だったが、64分にはDF秋本が2度目の警告を受けて退場、なんと9人で戦うことに。安間貴義監督は、美尾を下げて石原克哉を入れ、その石原を左サイドバックに、井上雄幾と山本をセンターバックに、吉田豊を右サイドバックにした4バックを敷いてゴール前にブロックを作った。さらにその前には、林健太郎を真ん中に、右に藤田健、左に宇留野の3人を置き、前線にはジョジマールだけを残す4-3-1の布陣に変更した。

C大阪は数的有利を生かして、とにかく攻めに攻めた。42分の森島康仁のシュートはゴールの中にいたDFにはじき出された。44分のカレカのシュートもブロックされた。ようやく2点目が決まったのは、ロスタイムに入ってから。酒本憲幸のクロスにカレカがヘディングで飛び込んだ豪快なシュートだったが、反撃もそこまでだった。

 甲府の今季初勝利は、苦しみぬいた末のものだった。ただ、数的不利のなかで見せた統率された守備や、得点に至るスピードある攻撃はチームのまとまりや熟成を感じさせた。退場者が出たことで当面のメンバーのやりくりは必要になるが、今後に期待を抱かせる戦いぶりだった。敗れたC大阪は、負傷した古橋、柳沢という経験ある選手を長期間欠くことになると厳しい。が、テンポよくパスをつないで攻めた前半のサッカーは、今シーズンまだ見られなかったもの。カレカの初ゴールも明るい材料になる。悲観せず前を向きたいところだ。

以上
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