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【J2:第6節 横浜FC vs 仙台】レポート:「予想外」な開始早々の仙台の先制点で、オープンな打ち合いに。横浜FCがまたも追いつき、ドローに持ち込む(08.04.06)

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4月6日(日) 2008 J2リーグ戦 第6節
横浜FC 1 - 1 仙台 (13:03/ニッパ球/6,465人)
得点者:2' 梁勇基(仙台)、74' エリゼウ(横浜FC)

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 長いJ2のシーズンで昇格という目標を達成するには、同じチームと3度訪れる直接対決の戦い方が大きなポイントとなる。第1クールは、初対決となるため、不確定要素が多い。横浜FCは、チームを成長させている途上で、結果を残しながら出てくる課題を解決する作業を行っている。一方、仙台は「3本勝負の1本目は勝ちにいく」(手倉森監督)というように、ライバルに対して機先を制することを目標としている。そんな思惑が交錯する直接対決は、両チームが課題を再確認しつつ収穫も得る、1-1のドローとなった。

 前半立ち上がりから、予想に反して横浜FCは中田洋を高い位置に置き、攻撃的な姿勢を見せる。しかし、先制したのは仙台。2分、ミドルシュートのこぼれ球を、梁が見事なコントロールシュートで決める。横浜FCの選手が「予想外」と口を揃えるこの先制ゴールで、横浜FCは、積極的に行かなければならない立場に追い込まれる。中盤を厚くするために、エリゼウをDFに下げて、三浦淳をボランチに上げるポジションチェンジを行うと、両チームのプレッシングがそれほど強くないこともあり、オープンな打ち合いに。ただ、「前半のうちにもう1つ2つ取れていれば」と手倉森監督が悔やむように、仙台は決定力に欠け、追加点を挙げることができない。一方、横浜FCも、アンデルソンへのマークをかいくぐることができず、前半は0-1で終える。

 後半、流れを変えたのは、56分に投入されたチョ・ヨンチョル。2トップの一角に入ると、左サイドに流れながら何度も突破を見せる。さらに、ここから目まぐるしく、両チームが選手交代を行う。仙台が平瀬を投入すると、横浜FCも長谷川、池元を投入。勝点3をとるための執念の采配を見せる。そして、74分に横浜FCの執念が実る。三浦淳のフリーキックをチョ・ヨンチョルがそらすと、エリゼウがヘディングで叩き込む。仙台にとっては痛恨の失点となった。最後は、お互いにカウンターを掛け合い、スピードのあるチョ・ヨンチョル、西山を生かす展開となるが、両チームとも決めきれずに終了した。

 横浜FCにとっては、ビルドアップできずに主導権を握れないという、ここ数試合の課題は解決できなかった。都並監督が「ビルドアップのための勇気が不足している」と振り返るように、ポゼッションへの積極性がうまく表現できなかったのは事実で、勝点3を取るために、早く解決したい。一方で、ビハインドのゲームを再び追いつき、地力があることを再び証明した。さらに、打ち合いの中でも、仙台と互角にやりあえたことは、新たな引き出しを作ることができたと言える。開幕からどんな展開の試合でも負けていないという結果をベースに、引き出しの中身を詰めていきたい。

 一方、仙台にとっては、ポゼッションを高め、狙い通りの展開となっていただけに、勝点2を落としたという感覚が強いだろう。19本のシュートを打ちながら1点。決定力不足という課題を再認識する結果となった。しかし、守備で破綻することもなく安定した戦いを見せ、途中投入された西山のスピードと積極性は大きな武器となることが証明された。内容を見れば、収穫も十分にある。

「昇格争いのライバル」(手倉森監督)同士の第1戦は、予想に反して打ち合いの試合となった。まだミスは目立つが、J2の試合では珍しく、お互いの攻撃を出し合い、スリルを味わえる試合だった。だが、シーズン佳境の第43節における最後の対戦で、両チームが昇格を争う立場にいるとすれば、その試合は、今日の試合とは正反対で、わずかな隙をうかがうような緊張感のある試合となるだろう。両チームとも、ここで洗い出された課題を克服し、見出した希望の芽を育て、最後にJ2のレベルを超えた名勝負を演じるチームに成熟することを祈りたい。横浜FCも仙台も、そのポテンシャルを持っている。

以上

2008.04.06 Reported by 松尾真一郎
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