4月16日（水）ヤマザキナビスコカップ 川崎Ｆ vs 柏（19:00KICK OFF/等々力）
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　初タイトルを狙う川崎Fにとってナビスコ杯は非常に重要な大会として位置づけられており、選手のこの大会に対する思い入れも強いものがある。ところがそうした意気込みとは裏腹に川崎Fの立場は危ういものとなっている。

　フッキの去就を巡りチーム内が動揺していたという最悪のタイミングだったこともあるが、予選リーグ第1節、2節で連敗。わずかに6試合しか行われない予選リーグで未だに勝点を1点も奪えていないのである。各組首位のチームに加え、4グループの2位チームの中で上位2クラブに入らなければ決勝トーナメントに進めないという事もあり、現場の危機感は強い。また突然の関塚監督の検査入院という激震にも見舞われ、監督不在の中で戦った先日の大分でのリーグ戦はスコアレスドローという結果となった。

　関塚監督就任以降、順調にシーズンをスタートできていた川崎Fにとって大きな試練が与えられた形になっているがそうした状況で迎えるこの試合は、チームとしての真価が問われるものとなりそうだ。

　ポイントとなりそうなのは決定力である。分厚い選手層を誇る中盤では川崎Fはボールを回すことができる。しかし開幕からの傾向として、最後のフィニッシュの精度が著しく低いという現象が出ている。そうした状況を改善する手だてとして、大分戦では大卒ルーキーの菊地光将を先発起用。しかし相手に退場者が出たこともあって得点を奪うことはできなかった。ただ、谷口博之にFWを追い越す動きが見られるようになったことで、縦方向のポジションチェンジが見られるようになり、現状打破の糸口となることが期待される。川崎Fの良かったときのイメージは、その谷口が常にゴール前に顔を出せる戦い方であり、そこに立ち戻れるかどうかは、今季を占う重要なポイントとなる。この試合でその片鱗が見られることを期待したいと思う。

　対する柏だが、こちらは予選リーグ2戦2分けの勝ち点2という状況にあり川崎Fと同様に苦戦。ケガ人の多さがチーム編成を難しくさせており、この試合でも先発メンバーのやりくりに苦労する事が予想される。また今節はリーグ戦での退場処分により、鎌田が出場停止を受けており、そうした意味でもメンバー選定の行方が気になる。

　リーグ戦では、引き分けた新潟戦、そして敗戦した前節の横浜FM戦と無得点に終わっており、決定力不足の感は否めない。ただ鈴木は、「試合ごとによくなりつつあるという手応えを持っている」と話しており、いない選手の穴を埋めるべくチームは進化を続けているようだ。そんな柏の鍵を握るのは、新加入の茂原である。彼を起点として柏は攻撃を組み立てており、ここを抑えられると柏の攻撃の歯車はうまく回らなくなる可能性が高い。また、今季公式戦、未だ1ゴールの李が本領を発揮してくるのかにも注目したいところ。

　ナビスコ杯、予選リーグ突破に向けた大事な一戦は、チーム編成に苦しむ得点力不足の両者の対戦となった。さて、90分を終えて笑顔を見せるのはどちらのチームになるのだろうか？

以上

2008.04.15 Reported by 江藤高志