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【ヤマザキナビスコカップ 川崎F vs 柏】レポート:今季初ゴールのジュニーニョがハットトリックの活躍で川崎Fが大勝。一方、プレスを無力化された柏はいいところなく無得点に終わる(08.04.17)

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4月16日(水) 2008 ヤマザキナビスコカップ
川崎F 3 - 0 柏 (19:00/等々力/9,248人)
得点者:20' ジュニーニョ(川崎F)、30' ジュニーニョ(川崎F)、58' ジュニーニョ(川崎F)
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 監督会見に臨む試合で初めて勝利を手にした川崎F・高畠勉コーチは、冒頭の言葉として「立ち上がり、柏のハイプレッシャーに圧倒された感じでなかなかペースが掴めなかった」と述べて柏のプレッシングサッカーについて言及した。実際、柏は積極的に前へと圧力をかけて川崎Fを翻弄。ペースを掴むかに思えた。

 しかしご存じの通り、多くの川崎Fの選手たちは、石崎監督のプレッシングサッカーを身を持って経験済み。そういう事もあってか、徐々にハイプレッシャーの包囲網をかわすようになる。一度ポジションを捨ててプレスに出た選手は、プレスをかけようとした選手にボールが渡らなくなると、とたんに浮いてしまう形となる。担当していたエリアに広大なスペースが生じるのである。

「常識的に考えて次のパスはこの選手だろう」という局面で、中村憲剛はその予測を覆すパスを連発した。それが柏のペースを狂わせた。

 16分の中村からのスルーパスでジュニーニョはラインの裏に上手く抜け出したが得点にはつながらず。今季ここまで川崎Fを悩ませ続けてきた決定力不足は今日も継続するのかと思われたが、その不安はすぐに払拭される。前半20分。鄭大世の競り合いのこぼれ球を拾った谷口博之が起点に。「前を狙っていました。(中村)憲剛さん、大橋くんの前への意識を見習っていて、それが出せました」とパスのシーンを振り返る谷口。そのパスをもらった中村は「タニからボールを受けて、前を見たらジュニーニョしか見えませんでした。相手のバランスが悪かったので、通ったんですがその後は祈ってました」と自信のプレーを解説した。

 ジュニーニョを挟んでできていたギャップに対し中村からの絶妙なパスが通る。駆け抜けたジュニーニョが、川崎Fの誰もが待ち望んできた今季初ゴールをねじ込んだ。

 ジュニーニョ自身は「チームがいい状況ではなく、勝てていなかったが、点を取った後に神様に感謝して、友人、家族にゴールを捧げました。これで落ち着けたし、点を取る自信につながってよかった」と感謝の気持ちを口にするが、途中交代出場の養父雄仁は「今日は取ってほしい人が取ってくれた。これで雰囲気が良くなります。ベンチも喜んでいたし、みんなで行っていた。取るべき人が取ってくれました」とその得点の効果に期待を寄せていた。

 開幕から何度となくシュートを外してきたジュニーニョだが、この日は落ち着いてゴールを量産。30分には、大橋正博の蹴ったCKを鄭大世がそらしたボールを合わせて2点目。58分にはゴール前での素晴らしいパスワークを経て3点目。ハットトリックを達成した。

 前半のうちに最大の武器であるプレスを無力化された柏にとって、この敗戦は必然的なものだった。行っても行ってもすべてかわされてしまっては、選手には疲労だけが残ることとなる。もちろんそうした悪条件に対する対処法はあって、そういう場合にどうすればいいかを聞かれた石崎監督は「プレスをかけないという事です」と答えている。つまり状況判断をしなさい、という事である。それができていない、という意味で柏はまだ未完成のチームだということが言えるのだが、それはつまり伸びしろがまだある、という事でもある。またケガ人を含めて、チーム編成に苦しんでいたという事も内容を圧倒されての0-3というスコアの理由となっていたが、今後安定したメンバーが組めるようになったときに、この試合の経験が生きてくるのではないかと思われる。

 いずれにしても、この試合は川崎Fにとって上昇のきっかけを作るいい契機となったはず。また、病床にある関塚監督に対してもいい報告ができたという点でもよかった。「ヒロキさん(伊藤宏樹)が、セキさん(関塚監督)とツトさん(高畠コーチ)のためにがんばろうとロッカーで円陣の時に言ってくれました。それもよかったと思う」と中村は試合後に語り、安堵の表情を浮かべていた。

 ヤマザキナビスコカップ予選リーグで敗退の危機に追い込まれていた川崎Fだが、Cグループのもう1つの試合結果により、自力での予選突破の可能性が復活した。勝ち続ければ1位での勝ち抜けが可能となる。そういう意味でも、この試合は「実りのある試合ができたと思います」(寺田周平)という試合だった。

 ちなみに試合中に退場者が出てしまったが、この日笛を吹いた野田祐樹主審の判定基準は「戦う空間」を演出するものになっており、またそれによって試合がコマ切れになることもなかった。本場ヨーロッパの試合で見られるような笛であり、リズム感のあるテンポのいい試合が作れていて良かった。今後の参考までに、その点付記しておきたいと思う。

以上

2008.04.17 Reported by 江藤高志
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