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【J2:第28節 横浜FC vs 広島】レポート:ドラゴンヘッド炸裂!久保の恩返しとなる勝ち越しゴールで広島が4連勝。横浜FCは善戦するが地力の壁を乗り越えられず(08.07.28)

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7月27日(日) 2008 J2リーグ戦 第28節
横浜FC 1 - 2 広島 (18:03/ニッパ球/5,666人)
得点者:63' 青山敏弘(広島)、65' 池元友樹(横浜FC)、79' 久保竜彦(広島)
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 試合終了後の記者会見で都並敏史監督は「広島を追いつめる地力が足りなかった」と語った。横浜FCは、与えられた状況の中で非常に高いパフォーマンスを発揮した。しかし、それでも勝てない状況では、独走を続ける広島が相手とはいえ、監督ならば使いたくないに違いない「地力」という言葉が出てきても不思議ではない。そんな展開の試合となった。

 前半は、湿度が75%という過酷な気候の中、両チームとも、強烈なプレスを掛け合うというよりは、ゆったりとした入り方となる。その中で、広島が得意のポゼッションを見せつける。左サイドの服部公太を高い位置に置き、ピッチの横幅をフルに使うボール回しで、横浜FCの守備ゾーンを押し下げて行く。横浜FCとしては我慢を強いられる展開。しかし、この展開は横浜FCとしては織り込み済みだった。池元友樹までが、低い位置に戻って粘り強い守備を見せる。「4バックがゾーンでしっかりとスライドしながらスペースを埋める」(都並監督)狙いは、佐藤寿人を中心とした連動した動き出しで何度か崩されそうになるものの、その度にオフサイドに救われる。広島のいちばんの決定機は37分の佐藤寿人のヘディングシュート。しかし、このシュートは、出場停止の小山健二に代わって起用された岩丸史也が好セーブで防ぐ。横浜FCもアンデルソンを中心に、何度か攻撃を見せるが、決定機を作り出すことはできない。最終的には、0-0で前半を終了する。横浜FCにとっては、「前半ある程度粘り強く守り、前半の中でも攻める中で相手のパワーを消しながら後半にスピードアップしたい」(都並監督)という、ゲームプランを完遂した前半だった。

 ペトロヴィッチ監督が「もっとテンポを上げて走ること」と言って送り出した後半、その通りにゲームのテンポが上がり、両チームともにシュートに至る場面が増える。ここで、調子に乗ってきた岩丸が再三の広島の決定機を阻止するとともに、山田卓也をトップ下に移す事でプレスが掛かるようになると、徐々に横浜FCペースとなる。横浜FCの得点の匂いが増す中、スコアは意外な形で動く。63分、岩丸のスローがミスとなり青山敏弘に渡ると、そのまま無人のゴールへシュート。広島があっけない形で先制する。横浜FCにとっては、もったいない失点。しかし、ここで横浜FCは下を向かなかった。2分後に、中央でボールを受けた池元が、反転して左足を一閃。2試合連続ゴールで同点に追いつく。そこからは、両者打ち合いの展開となる。横浜FCは三浦知良、広島は桑田慎一朗、久保竜彦を投入し、フレッシュな選手でゴールチャンスを狙う。そして、そのチャンスを点に結びつけたのは、広島だった。服部が高萩からの横パスをフリーで受けると、クロスを久保に送る。その久保が、身体能力を生かしヘディングシュートを決めて勝ち越しに成功。身体能力という切り札を加えることができる広島の地力を見せる得点だった。横浜FCも中野裕太を投入し、最後まであきらめない采配を見せるが、試合はそのまま終了。1-2で広島が4連勝を果たした。

 横浜FCは、結果としては3連敗。福岡戦に続き、相手を上回る時間を作りながらの敗戦は、勝利の形が見えないもどかしさを深める結果となった。しかし、首位広島相手に100%ファイトし、内容の向上をはっきり表現できたことも事実だ。シュートが4本で「何もできなかった」(池元)前回の広島戦の敗戦に比べ、今回ははっきりと横浜FCペースに持ち込みシュートも11本。結果こそ敗戦だが、同じクオリティのサッカーを続ければ、結果もついてくる手応えを感じさせた。そのためにも、次のC大阪戦(8月3日@長居)が非常に重要になる。

 広島は万全の内容とは言いがたいが、4連勝とまったくその勢いは衰えない。攻撃だけでなく、隙の少ない守備組織が非常に光った。この試合では、後半横浜FCにペースを作られたが、今後も大崩れすることは少ないだろう。心配事と言えば、怪我の多いチーム状況。佐藤寿、久保は腰痛を抱えながらのプレーであり、この試合の後半のように相手にペースを渡すことがないようなコンディション調整が、今後の課題となるだろう。

 横浜FCの出場メンバーが全力を出し切った一方で、久保を控えに置いて、戦況に応じて投入することができる広島との地力の差が、勝敗につながった。ただし、その差と関係なく、非常に内容に富んだ試合でもあった。この内容を、広島は昇格への一本道に、横浜FCは第3クールの逆襲につなげたい。

以上

2008.07.28 Reported by 松尾真一郎
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