7月29日(火) キリンチャレンジカップ2008
なでしこジャパン 2 - 0 アルゼンチン女子 (16:01/国立/13,774人)
得点者:33' 大野 忍(なでしこジャパン)、36' 永里 優季(なでしこジャパン)
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7月29日火曜日、国立競技場で、キリンチャレンジカップ2008なでしこジャパンvsアルゼンチン女子代表が開催された。これは、なでしこジャパンにとって、北京五輪前の最後の実践の場。女子の後、夜には男子U−23日本代表のアルゼンチン戦も開催。ともに北京五輪の強化試合、および壮行試合という意味合いを持つことから、開場前から多くのサポーターが国立競技場に集まり、グッズ売り場やフェイスペインティングコーナー、メッセージを送るコーナーなど、コンコースは賑わいを見せていた。
午後2時頃、スタジアムに到着したなでしこジャパンの選手たち。試合会場である国立競技場は、彼女たちにとっては数々の大勝負をしてきた特別な場所だ。
スタメンは、24日のオーストラリア戦とまったく同じメンバー。GK福元美穂、DF近賀ゆかり、池田浩美、岩清水梓、柳田美幸、MF安藤梢、澤穂希、阪口夢穂、宮間あや、FWには大野忍と永里優季。これがいわゆる現在のなでしこジャパンの試合スタート時における、ベストメンバーといえる。
対ニュージーランドを想定して行われたアルゼンチン女子代表との対戦。「相手の良さが出てくる前にこちらから相手の自陣の中でサッカーをやり、攻守にわたって相手の勢いが出てくる前に点を取ろう(佐々木則夫監督)」という狙いで試合に臨んだ。しかし、15日に集合してからハードなトレーニングと男子高校生とのゲーム、移動、オーストラリア戦など、「一昨日まで体を絞ったせいで、少し体が重くてなかなかエンジンがかからなくて、前半ちょっとバタバタした状況(佐々木監督)」で試合に入った。
「どんどんボールを動かして、3人目がどんどんうまく動いていこうとしていたけど、最初のほうはあまりうまく出来ず点をとるのが遅れた」と阪口。「4−4−2のマンマークで対応してくるチームだったので最初ちょっと戸惑ってしまったところもあった」と大野。
しかし、試合はほとんど相手陣内で行われ、試合の主導権は握り続けた。数あるチャンスをなかなか決められず、嫌なムードも漂ったが、次第に連動した動きが見え始めた。
そんな中、「練習どおり(宮間)」の流れで1点目が決まるとその動きにも変化が見えた。その先制点は33分、阪口から始まった。「狙い通りです。あや(宮間)がうまく走ってくれたのであそこしかないなと、むっちゃ集中して出しました(笑)インサイドにここだ!と思って出しました。練習でいつもやっているし、いつもいいところに走ってくれていた」といいう阪口からのパスを受けたのは「阪口選手が本当にやさしいパスをくれたので、あとは本当にシノ(大野)のFWの嗅覚というか自分に“ここに出して”というような指示をくれたので、良かったです」という宮間。そしてその宮間からのクロスに反応した大野は「神戸でも東京でも同じ部屋で、“私にパス出したい、パス出したい”ってずっと言ってくれていて、やっと本当に言っていた通りあんなにいいボールが来て触るだけでした」と振り返った。まさに狙い通りの得点が決まった。そのわずかに3分後、宮間からのパスを受けた安藤梢が放ったシュートはポストにあたり、その跳ね返りを大野が触り、その流れに永里が反応し左足で押し込み追加点をあげた。
前半を2−0で終えたなでしこジャパン。後半になると「いろいろな選手の見極め(佐々木監督)」を中心に、更なる確認とシミュレーションを行う佐々木監督。後半の冒頭から、永里に代えて荒川恵理子を、池田に代えて矢野喬子を投入。12分には安藤に代えて原歩、阪口に代えて加藤與惠を投入。加藤も荒川同様、別メニューで調整を進めてきたため、実践でそのコンディションを確認しておきたいところだった。28分には大野に代えて丸山桂里奈を、40分には柳田に代えて宇津木瑠美を投入。キーパーの海堀あゆみ以外、すべての選手をピッチへと送り出した。後半は、両チームともにかなりの疲労が見て取れるゲーム展開となり、結果どちらにも得点は生まれることなく試合は2−0のまま終了。
試合後に「途中から出した選手のコンディションをもう少し整えることで、今以上のパフォーマンスを彼女たちはやってくれると思います」という手ごたえも口にした佐々木監督。
試合終了間際にも、“どんな状況でももう一点!”と、そのプレーでチームを引っ張ろうとする姿を見せ続けた澤は、「ニュージーランドを想定して、早めに点を取って前掛かりに行くということがテーマだったが、引いた相手に対してなかなか崩せず、連動も出来ず、パスミスも多くて課題の残る試合になった。ニュージーランド戦は、トーナメントに進むには絶対勝点3が必要だし、得失点差も関わってくるので、1点でも多く取りたい。90分通してみんなもっと動けるはず」と試合後には反省ばかりを口にした。「でも、そういう課題が出たことをプラスにして北京に乗り込みたい」と、目差すメダルへの思いを強めた。
これで国内での準備を追え、いよいよ31日には五輪の地、中国に向かうなでしこジャパン。佐々木ジャパンが始動したのは、今年の初めのことだった。時間のない中でのチーム作りではあったが、そこからひとつずつ、一歩ずつ、自分たちのサッカーに手ごたえを覚えて、全員が力を合わせ五輪に向かうチームとして着実に成長をしてきた。
大会にのぞむ18人だけではなく、今回選ばれなかった仲間の思いもともに、なでしこジャパンは、中国へと旅立っていく。
以上
J’s GOALニュース
一覧へ【キリンチャレンジカップ2008 なでしこジャパン vs アルゼンチン女子】レポート:五輪前最後の実践を2-0で勝利したなでしこジャパン。確かな手ごたえとともに五輪の舞台に乗り込む。(08.07.30)
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