7月30日（水）J2 第28節 愛媛 vs 徳島（19:00KICK OFF/ニンスタ）
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先週の土曜日、愛媛の練習会場の空気が一気に引き締まった。
「共に闘い、共に笑おう」
白い布地に黒で力強く書かれた横断幕がピッチサイドに掲げられ、駐車場から練習会場へと続く道には
「ダービーは勝利こそ全て」
という第１クールに鳴門のゴール裏で掲げられていた横断幕、そしてサポーターたちがメッセージを書き込んだオレンジの横断幕も並んでいた。
そう、今節の愛媛がホーム・ニンジニアスタジアムに迎え撃つ相手はライバル徳島。連日３０度を軽く超える炎天下の下、「四国ダービー」を目前にいつもゴール裏で声援を送り続けるサポーターたちも練習会場でも選手たちのプレーを見守っていた。

振り返れば第１クールの対戦は、３−０という思いもかけない得点差で愛媛が快勝（ /jsgoal_archive/result/2008/0320/20080200030720080320_detail.html ）。「内容に差はなかった」と望月監督が振り返るように、強風を味方につけた愛媛が今季のダービー初戦をモノにした。しかし、３月２０日の第１戦から４ヶ月が経過した今回の対戦と、前回の対戦結果は無関係といっても過言ではない。鳴門からニンスタへ舞台を移し、両チームの選手も大幅に入れ替わった。

特に徳島がMF倉貫やアンドレジーニョ、FWソウザと攻撃的な選手を次々と補強しているだけに、愛媛は怪我のため前回の対戦を欠場しているキャプテン金守や三上ら守備陣との初顔合わせには注目が集まる。もちろん、コンディションを落として連敗中のチームが前節の熊本戦から１０日以上を経てどれだけ運動量を戻し、チームとして連動した守備を取り戻しているかも勝敗を分ける重要なポイントになる。

さらに、ダービーは初出場となる三上が語る「チームやサポーターが大事にしている試合には強い気持ちを持って臨みたい」というハートが、チーム一丸となって表現できるか。何度もダービーを経験している金守は「平常心でやれればいいが、それが難しいのがダービー」と表現を変えて心の内を話してくれたが、強い気持ちを空回りさせずピッチで表現する事が難しいのもダービーの空気。ピッチの周辺から醸し出される独特の雰囲気が漂うスタジアムで、両者がどのようなパフォーマンスを演じるかは今回もダービーの見所のひとつだろう。

さらに愛媛では、ピッチの外でも今回のダービーに向け、様々な試みが続けられた。先日会見が行われた四国ダービー満員宣言やダービーの見所も盛り込まれたフリーペーパー「Orange Life」の発行、街頭に立って道行く人たちにダービーの告知を続けた選手たち…。試合当日にはマッチタウンの砥部町をはじめ、キックオフ直前まで様々なイベントも予定されている。

選手やスタッフ、サポーターが一丸となって臨む四国ダービーの、これまでの対戦成績は愛媛の５勝４分７敗。JFL時代から通算１７回目を迎える今回の勝者には「四国ダービー・ウィナーズ・フラッグ」も授与される事になる。現在３連敗中の愛媛が沈んだまま第３クールに向かうのか、それとも浮上の足掛かりとなる四国ダービーにできるのか。ライバルから奪う勝利は連敗を止め、今季のダービー勝ち越しを決める価値ある１勝となる。その勝利だけを目指し選手、サポーターはニンジニアスタジアムへと足を運ぶ。

以上

2008.07.29 Reported by 近藤義博