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【J2:第29節 熊本 vs 徳島】レポート:裏天王山を制したのは、カウンターからの3ゴールで快勝した熊本。徳島は引き分けを挟んで8連敗(08.08.04)

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8月3日(日) 2008 J2リーグ戦 第29節
熊本 3 - 0 徳島 (18:03/鴨池/2,026人)
得点者:62' 宮崎大志郎(熊本)、81' 高橋泰(熊本)、87' 高橋泰(熊本)
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 立ち上がりにまずチャンスを迎えたのは徳島だった。2分、アンドレジーニョが左サイドからドリブルでペナルティエリアに侵入。ここはDF上村健一が身体を張ってコーナーに逃げた。このシーンで徳島の攻撃に厚みが感じられなかった事が、その後の流れを示唆していたように思う。

 14位熊本が勝てば勝点差を広げ、15位徳島が勝てば順位が入れ替わる“裏”天王山は、「負けた方が最下位」という分かりやすいシチュエーションも相まって、お互いに「まずは失点しない」という意識が強いセーフティな守備から入る展開で、前半は緩急のメリハリのない、“緩い”ゲームとなった。双方ともにチャンスを作ったのは、前線からのプレスや中盤でのチェックが甘かったせいでもある。だが、両チームともゴール前までは迫るものの、最後の詰めを欠いてネットを揺らす事はできない。
 時折、藤田泰成から供給される熊本DF陣の裏を狙ったパスに、石田祐樹やアンドレジーニョが飛び出すものの、徳島は全体的な押し上げがないためセカンドボールを拾うシーンが少なく、またトップのソウザに対しても上村や福王忠世がしっかりと身体を寄せて決定的な仕事をさせなかった。それでも前半は徳島が迎えた決定機の方が多かったが、前節に続いてフィニッシュを決めるには至らない。

「どっちに転んでもおかしくない」——。試合後の会見で両指揮官からこの言葉が聞かれたように、失点につながるミスをした方が負ける流れ。「前半は熊本のショートパスからの展開も出ていなかったし、アンドレジーニョにもっとFWの近くでプレーをして、手詰まりになればソウザにロングボールを入れて、セカンドボールを拾って起点を作ろうという話をした」(美濃部直彦監督)という徳島は、後半に入って一転、中盤のダ・シルバ、倉貫一毅がタメを作り、最終ラインも押し上げて一気に攻勢に出る。

 これが、ゲームの流れを大きく変えた。前半は“ある程度”ポゼッションできていたせいで攻撃への切り替えが遅かった熊本は58分に動きの落ちた小森田友明に代え、右サイドの位置に中山悟志を投入。「アグレッシブに、爆発力や仕掛けに期待して入れた」(熊本・池谷友良監督)という狙い通り、徳島が攻めに出て来た事で大きくできたスペースを狙い、本来目指す“早い攻撃”を見せ始める。そしてついに62分、左サイドをドリブルで深い位置まで入った木島良輔のクロスに、宮崎大志郎が飛び込み頭で合わせて先制。「いいボールが来ると信じて上がって行った。合わせるだけだった」(宮崎)という言葉通り、全くのフリー。自身Jリーグ初ゴールとなる先制弾は、27節の愛媛戦からボランチのポジションで先発出場し、献身的に仕事をしてきたことへのご褒美だったと言えるだろう。
 徳島はこれを受け、64分にアンドレジーニョを下げて玉乃淳を投入。さらに73分にはソウザに代えて菅原康太を前線に送る。だが熊本も集中を切らさずに耐えてカンターからチャンスを作り、81分に吉井孝輔、車智鎬とつないでPKを獲得。これを高橋泰が決めてリードを広げ、さらに87分にも宮崎のクロスのこぼれ球から高橋のシュートで徳島を突き放した。

 徳島はこれで引き分けを挟んで8連敗。スコアは3点差と開いたが内容的にはチャンスも作り、監督や選手からも聞かれた通り、1点目の失点がメンタルにも影響を与えたと言わざるを得ない。「我々は難しい状況でもボールを奪いに行かないといけないので、バランスを崩して攻めに行った部分もある」と美濃部監督は話し、「チームがひとつになって、同じ方向を向いて次の試合に臨むことが大事だと思う」(米田兼一郎)と、ゲームの流れの中での意思統一が課題となる。
 熊本は、前節から最終ラインで2人を欠くという状況ながら、代わりに入った福王、車を始め、中盤から前線まで全員が持ち味を生かしたパフォーマンスを発揮。前節4失点を喫したGKの太洋一は愛媛戦以来2度目となる完封で自らの誕生日に花を添え、ここ11試合得点がなかったFW高橋も2ゴールで復活の狼煙を上げた。「前節できていなかった事が今節はできたということ。これを上位相手にもできるようになっていきたい」と池谷監督が話したように、試合によって出来に波があるのも大きな課題だが、これで第2クールの成績は3勝3分7敗となり、第1クール(3勝3分8敗)とほぼ同じ。勝ったとはいえまだミスも多く、次節(8/10@熊本)、第1クールで0−5と大敗した横浜FCを相手に、どれだけ渡り合えるか注目したい。

 ところでこの試合、上村や木島、そして交代で出場した喜名哲裕ら、「何が何でも勝つ」という姿勢を、試合終了のホイッスルが鳴るまで十分に感じさせたベテランの奮闘が印象的だった。こうした経験豊富な選手達のスピリットを若い選手達がしっかりと受け継いで行く事、そしてそれを実践する事が、必ずや将来への糧になる。その意味で、クラブの歴史に残る一戦になったことは間違いない。

以上


2008.08.04 Reported by 井芹貴志
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