9月15日(月) 2008 J2リーグ戦 第35節
岐阜 0 - 6 C大阪 (15:04/長良川/4,639人)
得点者:12' カイオ(C大阪)、15' カイオ(C大阪)、56' 香川真司(C大阪)、63' 古橋達弥(C大阪)、89' カイオ(C大阪)、89' 小松塁(C大阪)
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーJ -
----------
スコアボードには単なる実力差では語れない現実が刻まれていた。0−6。ホーム長良川で岐阜は相手のゴールショーをサポーターに見せてしまった。この試合のプレビューで書いたように、この試合のポイントは選手たちのファイティングスピリットであった。しかし、蓋を開けてみれば、結果は言い訳無用の大敗。「いつまでも課題、課題と言っていても仕方が無い」と片桐が語ったように、もう課題という言葉では済まされない、重く冷たい現実が待ち受けていた。
岐阜は香川が累積警告から復帰したC大阪に対し、リトリートディフェンスを敷くが、立ち上がりからこれにエラーが出てしまう。リトリートディフェンスは本来、DFラインとMFラインが一定の距離感を置きながら、相手のボールに対しラインを下げることでスペースに蓋をし、ボールの出しどころを失くすことが第一目的だ。ボールや人が飛び込んできたら、ライン全体が動いてプレスを掛けたり、数的優位を作って囲い込むという第二目的がある。しかし、この日の岐阜のそれは、ただ下がっているだけで、肝心のスペースに蓋をするどころか、全開にしている状況であった。
前半の2失点は、まさしく岐阜の怠慢なプレーから生まれたものであった。1点目は右サイドをオーバーラップしてきた右SB柳沢に対し、誰もプレスにいっていなかった。慌ててMFがプレスに行くが、これによりMFラインとDFラインが一瞬広がってしまう。柳沢はそのスペースで待っていた乾へ縦パスを送ると、乾はそのまま右サイドから、二アサイドに飛び込んできたFWカイオへピンポイントクロス。これをカイオが押し込み移籍後初ゴールを決めた。
この失点には2つのエラーがある。まず1つは簡単に柳沢のオーバーラップを引き出してしまったこと。岐阜はリトリートしただけで、MFラインがプレスの位置を明確にしなかったため、柳沢がオーバーラップ出来る絶好のスペースを作り出し、そのスペースでまんまとボールを受けられてしまったのだ。2つ目のエラーは、ボールを受けた柳沢に対し、MFラインの一人がチェックに行くとき、それに連動してDFラインを押し上げなかったこと。右サイドでボールに対し半身で待つ乾に対し、DFラインが少しでもラインを上げれば、オフサイドになったり、オフサイドを嫌って乾が戻ることで、縦パスが通ってもゴールに背を向けた状況になる。しかし、DFがその場でステイすることで、乾はオフサイドを気にせず、ファーストタッチで前が向けて、中の状況がよく見える態勢で縦パスを受けることが出来た。それがピンポイントクロスにつながったのだ。
2点目も1点目とほぼ同じエラーが出た。センターライン付近でボールキープしたCB前田に対し、岐阜のラインがリトリートしてしまったため、またも柳沢がオーバーラップ出来るスペースを生み出してしまった。MFライン前に出来たスペースでパスを受けると、今度はバイタルエリアの広大なスペースに顔を出したカイオに対し、長い距離のクサビを打ち込む。これがカイオの足元に届き、慌ててDFがプレスに行っても後の祭り。彼の技ありの強烈シュートが決まった。
この2点で勝負は決した。ハーフタイムに「乾とシンジ(香川)でもっと形を作れるぞ!」など、もっと点を取れと言わんばかりに、攻撃陣に激しい檄を飛ばしたクルピ監督の発破が効いたのか、この2人が後半、大量得点を生み出す。
56分には古橋からの展開を受けた乾が、左サイドを突破して絶妙なクロス。これをファーサイドに詰めた香川が胸トラップから3点目を蹴り込んだ。これで完全に岐阜の集中が切れ、63分には菅のトラップミスから、乾にまたしても絶妙クロスをあげられ、香川のヘッドはGK日野が一度はセーブするも、こぼれを古橋が頭で押し込んで4点目。89分にはカイオと香川のワンツーから、カイオがハットトリックとなる5点目を挙げると、ロスタイムに右CKから途中出場のFW小松が決めて、ゴールショーに幕を閉じた。
C大阪は次節の山形との上位対決に弾みがつく勝利をつかむことが出来た。カイオが爆発し、香川、乾の若手も躍動した。昇格に暗雲が立ち込めていたチームに差し込んだ光明を、一時のものにしないように、次につなげてほしい。
一方、岐阜はこれで4連敗、直近2試合で13失点。「差は決めるときに決める、決めるときに決めないことにある」と松永監督は語ったが、それ以上の差があった。C大阪の選手に岐阜の印象について聞くと、ある選手は「すべてが中途半端な感じだった」という答えが返ってきた。その言葉こそが、今の岐阜のチーム状況を的確に表していた。先ほど述べたリトリートディフェンスしかり、選手のメンタル、攻撃の組み立てしかり、すべてが狙いがあるようでない中途半端な状態であった。この状態では、良くなるものも良くなるはずがない。「単純な集中力さえも取り戻せないのかと思った」と片桐が語ったように、選手一人ひとりがまだ真のファイティングスピリットを持てていないからこそ、ここまでの点差がついたのだ。
選手たちには、「いつか勝てるはず」と思わないでほしい。本当に本当に一から戦うことの意義を考え直してほしい。そうでないといつまでもこの長いトンネルから抜けることはないのだから。
以上
2008.09.15 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第35節 岐阜 vs C大阪】レポート:2試合で13失点。戦う気持ちなくして勝利なし。希望的観測はもういらない!(08.09.15)















