9月20日(土) 2008 J2リーグ戦 第36節
徳島 0 - 0 湘南 (16:05/鳴門大塚/2,537人)
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台風一過の鳴門の空は突き抜けるほどに真っ青で、夏に逆戻りしたかのような暑さをもたらしていた。そんな予感めいた気候に違わず、両者の一戦は序盤から激しさを増す。
徳島は前線のソウザを中心に、第10節広島戦以来のスタメンに抜擢された左の片岡功二、あるいは麦田和志が右サイドを駆け上がるなどして攻撃をつくっていく。対する湘南も、この日初スタメンとなったナザと臼井幸平が右サイドを攻略にかかり、加藤望や坂本紘司もビルドアップに絡んだ。19分に坂本が持ち込み、原竜太がサイドネットを揺らせば、20分にはソウザのクロスから石田祐樹が相手ゴールを脅かすといった具合で、いずれも譲らぬ展開を見せた。
互いに厳しいプレスのかけあいが続くなか、序盤から敵の間に顔を出しては1タッチで繋ぎ、小気味よいパスワークでリズムをつくっていた湘南が次第に相手を圧していく。徳島のカウンターによる反撃もあったが、たとえば原が相手の裏を突き、ナザとのパス交換で坂本がミドルを狙うなど、前半の終盤は湘南が握っていた。
後半に入っても両者の攻め合いは続いた。徳島はソウザや石田が相手の危ういバックパスに食らいつく。また、「足に違和感があった」という六車拓也に代わり、前半終了間際に入っていた玉乃淳がミドルを放ち、あるいは米田兼一郎のシュートを演出した。ただ双方ともにシュートは枠を捉えきれず、ゴールにまでは至らない。
白熱の攻防が一変するのは、72分のことだった。驚いたことに、それまで山口貴弘とともに中央で堅陣を築いていたジャーンが、相手との接触プレーによって一発退場を食らってしまう。「最後まで全員で闘いたかった」と、菅野将晃監督が無念さを滲ませたのも無理はない。予想された0−0の展開のなかで、互いに拮抗した好勝負を繰り広げていた。終盤の失点が多い徳島に対し、間もなく訪れる残り15分の戦いが勝負の肝と思い描いてもいた。
残された15分あまり、数的優位に立った徳島は勝点3を奪うべく猛攻に出る。ソウザに代わって投入された阿部祐大朗が相手DFの背後を狙い、またヘディングで相手ゴールを襲った。柴村直弥や石田もシュートを放つ。だが人数をかけて攻めるも、湘南GK金永基の好捕もあってゴールは遠い。かたや湘南もカウンターから1トップの石原直樹が抜け出し、あるいは途中交代の大山俊輔や永田亮太が敵陣深くに攻め入るが、なかなかフィニッシュには至らない。玉乃のシュートが湘南のブロックに阻まれたところで、一戦は終わった。
「0に抑えられたことは非常によかったと思う」美濃部直彦監督は語った。だが厳しい表情でこうも付け加える。
「細かい部分の修正点、やらなければいけないところはたくさんある。もっと上の守備を目指し、これからもやっていかなければいけない」
選手たちもみな一様に、「どうしても1点欲しかった」と悔しさを滲ませた。ただ勝利こそ得られなかったものの、16試合ぶりとなる無失点という結果は、今後に向けて糧となるはずだ。得点力のある上位チームを相手に、課題のセットプレーも凌いだ。結果を積み重ね、自信に変えていきたい。
一方の湘南も、「今後に繋がる頑張りを選手たちが見せてくれた」と菅野監督が語ったように、アウェイでの厳しい状況でも落とさずに乗り切った。カピトンの無念はホームで晴らしたい。この日手にした勝点1は、いずれにとってもつぎへの糧となるはずだ。真価の問われる次節、徳島は水戸に、湘南は仙台との大一番に挑む。
以上
2008.09.21 Reported by 隈元大吾
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