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【J2:第42節 鳥栖 vs 草津】レポート:勝利への執念を3発のシュートに乗せた鳥栖が、アグレッシブに攻める草津に辛勝を収める。わずかな可能性を次節につなぐ一戦。(08.11.09)

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11月9日(日) 2008 J2リーグ戦 第42節
鳥栖 3 - 2 草津 (13:03/ベアスタ/6,151人)
得点者:7' 高橋義希(鳥栖)、14' 熊林親吾(草津)、55' 清水康也(鳥栖)、64' 都倉賢(草津)、84' 廣瀬浩二(鳥栖)
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「内容はアグレッシブで、良い試合だった」と敗者となった植木監督は試合後に語った。
「やっていることは間違っていないし、自分たちの方ができていた」とFW高田保則も認めた。
終始、起点となって草津の攻撃をコントロールしたMF島田裕介は、負けても「このサッカーを続けていけば良い」と言い切った。今節の鳥栖対草津戦では、草津の選手たちには敗者としての悲壮感は感じられなかった。その中で、両者の置かれている立場の違いが、この試合に垣間見ることが出来た。次の一戦に昇格の可能性をつなげた鳥栖と、来季以降の手応えを感じた草津は、鳥栖に勝点3が加わり、草津の勝点は試合前と同じままとなった。

キックオフ直後から草津のMF島田裕介が中盤を縦横無尽に動き回り、ボールのあるところに常にその存在を見せていた。併せて、熊林親吾も連携をとりつつ前線の空いたスペースに走りこんでいた。その動きに鳥栖のMF島嵜佑は、守備に追われ中盤でボールを納めることが出来なかった。必然的に好機は草津に増えていく。ゲームの支配権は、草津の手中にあった。

それでも先制点は鳥栖には入るから、サッカーは難しい。
7分にスローインからのボールを左サイドで受けたFW廣瀬浩二が、ペナルティエリア内に走り込んだMF船谷圭祐にボールをつないだ。ワンタッチでFW藤田祥史に落とすと、草津DF陣は一斉にシュートブロックに入った。藤田は落ち着いて、右サイドでフリーな状態になったMF高橋義希にボールを渡して先制点は生まれた。これで、鳥栖が流れをつかんでしまえば、「昇格争いの勢い」となり、もっと楽に勝点3を得ていたに違いない。しかし、草津のサッカーにはその先制点効果も通じず、その後も草津の中盤からの展開と早いFW陣に翻弄されてしまった。

14分に鳥栖ゴール前25m地点でFKを得た草津は、キッカー位置に島田と熊林で入り、鳥栖のDFに的を絞らせなかった。この位置からはレフティの島田が蹴ると予想し、鳥栖GK浅井俊光は壁に左サイドを切らせて右サイドにスタンスを取った。だが、蹴ったのは熊林。壁を巻いて低い弾道のシュートはゴールネットを揺らした。
「蹴った瞬間に入ると思いました。練習どおりのFKでした」と日頃からの鍛錬の成果を試合で示してくれた。追いついた草津は、なおも鳥栖を翻弄し続け、前半に鳥栖に許したシュートはわずかに2本だった。

後半に入り、両監督の交代策が実り、ゲームの流れが加速した。
54分に鳥栖がMF清水康也を入れると、その1分後にファーストタッチでボールを前線に通し、そのままゴールへ向かいヘディングで追加点を奪った。64分には、草津のFW都倉賢が途中出場3分後にヘディングで同点とした。流れを読んだ岸野監督と植木監督の采配が術中にはまったシーンであった。お互いに好機を迎えつつも試合終盤までこう着状態は続いた。

勝利しなければ、昇格争いから脱落しかねない鳥栖とクラブ史上最高位の順位で終わりたい草津。この置かれている立場での勝利に対する執念が、試合に決着をつけることになる。
84分、FW藤田が叩いたボールが草津DFの足に当たり、廣瀬の足元に入った。迷わず右足を振りぬいたシュートは、DFにあたりコースを変えて草津ゴールのネットを揺らした。
「あそこでボールが来ることも、コースが変わってゴールに入ることも、まだ僕たちは運がある」と廣瀬は今後の可能性に期待を寄せた。もちろん、運だけで昇格できるほど甘い世界ではないことを承知の上での発言である。しかし、その言葉に思わずうなずきたくなる今節の戦いだった。

前半のシュート2本で、1−1と切り抜けることが出来た。セカンドボールの多くは草津に拾われていた。2度も追いつかれたが、逆転されることなく終盤に突き放つことが出来た。草津のMF秋葉忠宏は「勝てるゲームだった」と草津の優位を感じていた。それでも、残り試合を全勝しないと、昇格を争う権利がなくなることを鳥栖の選手全員が承知の上で戦って得た勝点3である。追い詰められた状況で廣瀬の足元にボールを転がした執念こそが、今の鳥栖の実力なのかもしれない。いやっ、実力である。この実力がある限り、次節以降も鳥栖は勝点3を得ることが出来るに違いない。

見事なパスワークとポジションチェンジでサッカーを組み立てた草津。目指すサッカーに迷いがないからこそ、ボールがつながった。是が非でも、勝点3が欲しい気持ちが一致した鳥栖。その思いがボールをゴールに押し込んだ。形は違えど、置かれている立場をサッカーというキャンパスに、お互いのプレーで描いて見せてくれた試合だった。

90分の中で同じ状況は絶対に起きないのがサッカー。
選手の予見能力と順応性が問われるスポーツである。
そこにはミスがつきものであり、ミスがあるからこそ得点が生まれ競技となる。
その状況を引き出すために、執念という目に見えない力が存在する。
サッカーはきれいなプレーを並べただけでは勝つことができないスポーツでもある。

以上

2008.11.09 Reported by サカクラゲン
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