2月7日(土) 第13回北九州市長杯争奪 北九州招待サッカー大会
福岡 0 - 3 岡山 (12:00/本城/3,000人)
得点者:25' 喜山 康平(岡山)、57' 小野 雄平(岡山)、84' 西野 晃平(岡山)
ニューウェーブ北九州 1 - 0 鳥栖 (14:30/本城/3,000人)
得点者:59' 佐野 裕哉(ニューウェーブ北九州)
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晴天に恵まれた土曜日。北九州市立本城陸上競技場へ向う人波が、キックオフ時間が近づくにつれて増えていく。スタンドに足を踏み入れると、そこかしこにグループができ、それぞれにサッカー談議に花を咲かせている。耳に入ってくるのは、新加入選手の情報や、新シーズンに向けてのフォーメーションの話など。それぞれが、それぞれの思いを伝えあいながら話が弾む。誰もが、約1ヶ月後に控えたシーズン開幕に向けて期待の表情を浮かべている。
さて、この日は「第13回北九州市長杯争奪 北九州招待サッカー大会」の初日。ファン・サポーターの期待に満ちた視線を浴びる中、第1試合で福岡と岡山が、第2試合では北九州と鳥栖が対戦した。この時期の各チームの仕上がり具合はまちまちで単純に比較することはできないが、その状況の中で、各チームは勝負にこだわりながらも、ゲーム内容をチェックして現時点での課題を探ることを主たる目的として試合に臨む。
その中で、最もチームとしてのまとまりが感じられたのが地元・ニューウェーブ北九州。90分間に渡ってアグレッシブに戦い抜き、サガン鳥栖を破って決勝進出を決めた。そして、もうひとつの決勝進出チームは岡山。ボール支配率では劣ったが、少ないチャンスを確実に決めて、Jリーグの先輩である福岡に3−0と快勝した。そして、チームを作るという意味では、まだまだ最初の段階であることを印象付けたのは福岡。この大会が初めの一歩になりそうだ。
【第1試合 アビスパ福岡vs.ファジアーノ岡山】
布陣はともに、中盤をボックス型の4−4−2で臨んだ試合。「ファジアーノとしてはやろうとしていることを数多く出せたのではないかと思う。内容と結果が伴ったゲームができたのではないか」と手塚聡監督(岡山)は手応えを口にした。すでに数試合のトレーニングマッチを行って浮き彫りになっていた逆サイドの選手に対するマーキングや、マークの受け渡しの甘さを修正。ボール支配率では劣ったものの、最終ラインが崩れることはなく、福岡にチャンスらしいチャンスを与えなかった。
一方、「ビルドアップは相変わらずの課題」(同)と振り返ったように、攻撃面では物足りなさも残した。この日はロングボールを多用せずに、高い位置からプレスをかけて、奪ったボールを素早く切り替える戦い方で臨んだが、ラストサードを崩すシーンは見られなかった。それでも光る動きを見せたのは、先制ゴールを決めた喜山康平。昨シーズン、JFLで新人王とベストイレブンを同時受賞した実力は健在。Jの舞台でどれだけやれるか楽しみな存在だ。
そして福岡。「選手の組み合わせだったり、見極めをするための2試合」と篠田善之監督が話すように、10分間程度の後半戦を数回行っただけという状況では、まだチームの連携について言及する段階にはない。それでも、FWと両SHの連携で背後を狙う形がいくつか見えたのは収穫のひとつだろう。また、ボランチでプレーした新外国人選手のウェリントンが攻撃の起点として十分に機能することが確認できたのも収穫だった。
ただ、守備面では昨シーズンの課題が、そのまま持ち越されていることも明らかになった。1失点目は最終ラインの人数が足りていながら、2列目から飛び出してくる選手に誰もマークに行かなかったことから喫したもの。残る2失点は、危険なゾーンでの不用意なパスミスが原因だった。篠田監督も「去年も、ああいうミスでゲームを落としたり、追いつかれたりした。その部分はまだできていない」と振り返った。しかし、まだ準備段階。焦りは全く感じていなかった。
【第2試合 ニューウェーブ北九州vs.サガン鳥栖】
中盤をダイヤモンド型にした4−4−2で臨む北九州と、同じく4−4−2ながら中盤をボックス型にする鳥栖との対戦。互いに新加入選手を4人ずつ加えての戦いとなったが、補強の効果が十分に現われたのは北九州だった。顕著だったのは新加入選手が3人加わった最終ライン。「我々にとって失点の多さが課題だったが、今日は0で抑えられた。両サイドは1対1に強いし、CBの伊藤はラインを細かく上下動させ、落ち着いてゲームが読める。いい補強ができた」と与那城ジョージ監督も手応えを口にする。
攻撃面では、前線でターゲットマンを務める宮川大輔が存在感を発揮。ボールをしっかりと収めることで、両サイドのボールを追い越す動きが活性化されて攻撃の幅が広くなり、パスコースが増えることで佐野裕哉の選択肢が増えた印象を受ける。決勝ゴールも、そうした流れの中から生まれたものだった。全体を見渡せば、前線の宮川、ボランチの桑原裕義、伊藤琢矢、タチコのCBコンビと、中央のラインに1本の芯が通ったことが大きい。90分間アグレッシブに戦った精神面も合わせて、Jリーグ参入を狙える戦力は整ったように思える。
対する鳥栖も補強の効果は十分に表れていたように見えた。後半からチーム事情で右SBで出場した山田卓也は、サイドへボールを引き出すことでリズムが刻めていなかったチームに流れを呼び込み、同じく後半からCBのポジションに入った渡邉将基は、対峙する宮川(北九州)の動きをつぶした。チームの完成度を高めるのはこれからだが、全体がレベルアップされた印象が強く、特に中盤から後ろはJ2でもトップクラスにあることが改めて印象付けられた。
その鳥栖の課題はただひとつ。「藤田のいないところがまだ埋まっていないのが事実」と岸野靖之監督(鳥栖)も話す。前線に起点が作れなかった前半はシュートは0。中盤を支配してボールが回せるようになった後半でもシュートは4本しか打てず、そのうち、FWが放ったシュートは2本だけだった。また、高い位置で起点ができないことで、島田裕介の良さも十分に引き出せていない。J1昇格を狙える戦力は整っているだけに、藤田祥史の穴をどう埋めるかに注目が集まる。
さて、8日の最終日は3位決定戦で鳥栖と福岡が対戦。過去何度も熱い戦いを展開してきた両チームが、思わぬ形でぶつかり合うことになった。チームの課題を確認する試合とはいえ、互いの心の中に別の感情が渦巻いているのも確か。どんな戦いになるのかに注目だ。
そして決勝戦を戦う北九州は、地元サポーターの声援を受けて優勝を狙う。岡山にとってはJFLで何度も戦った相手だが、完全アウェー状態の中で戦う決勝戦は、これまでとは全く違う雰囲気の中での試合になるはず。その中で力強く戦うことができれば、それは初めて経験するJ2の舞台を戦い抜くための力となる。
いずれの試合も興味深さという点では勝るとも劣らない。第1試合のキックオフは10:30。朝からスタジアムへ足を運んで、注目の2試合を楽しもう。
以上
2009.02.07 Reported by 中倉一志
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