■3位決定戦
アビスパ福岡 2 - 1 サガン鳥栖 (10:30/本城/3,200人)
得点者:35'岡本 英也(福岡)、39'大山 恭平(福岡)、70'池田 圭(鳥栖)
■決勝
ファジアーノ岡山 0 - 2 ニューウェーブ北九州 (13:00/本城/3,000人)
得点者:52'宮川大輔(北九州)、71'宮川大輔(北九州)
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入場ゲーム前にできた50メートルほどのファン・サポーターの列が、この日の試合への関心の高さを窺わせる。決勝戦に先立って行われるのはアビスパ福岡とサガン鳥栖の3位決定戦。共通の生活圏を持つ両チームの対戦は『九州ダービー』と称され、力関係や順位にかかわらず、チームにとっても、ファン・サポーターにとっても、絶対に負けられない特別な試合だ。シーズン前の調整色の強い試合とは言っても、その思いに変わりはない。福岡から、鳥栖から、熱心なサポーターが足を運んでいた。
そして決勝戦は、地元・ニューウェーブ北九州が2連覇をかけてファジアーノ岡山を迎え撃つ。今シーズンは違うカテゴリーで戦う両チームだが、昨年まではJFLでしのぎを削りあった相手同士の対戦となった。北九州にとっては、Jリーグ入りは岡山に先を越されたとはいえ、ホームで戦う試合で勝利を譲るわけにはいかない。当然のようにサポーターも力が入る。そして岡山にはJリーグのチームとしての意地がある。バックスタンドでは、はるばる足を運んだサポーターたちが熱い声援を送る。自分たちはJリーグのチーム。下位のカテゴリーには負けられない。
そして、晴天に恵まれる中、それぞれの思いをぶつける試合が始まった。
【3位決定戦 アビスパ福岡vsサガン鳥栖】
両チームとも、布陣は昨日同様に中盤をボックス型で構成した4−4−2。しかし、先発メンバーは2人を除いて前日とは異なる顔ぶれで臨む。フィジカル面の影響はもちろんだが、この大会でのメインテーマは、現段階での課題や、それぞれの選手の組み合わせ等を確認すること。2日間を通して全選手をプレーさせることは当初の予定通りだ。そして、開始直後から随所で激しくぶつかり合うシーンが続く。やはり、絶対に勝たなければいけない相手という意識は隠しきれない。
そんな試合を終始リードしたのは福岡。前日の反省から、ボールを追い越す動きや、スペースへ動いてボールを受けるプレーが活性化。中盤での細かいパス交換をしたかと思えば、そこから大きく展開して反対サイドを突くなど、緩急の変化をつけたサッカーを展開する。そして狙い通りの展開から、35分に岡本英也、39分には大山恭平が決めて早々と2点をリード。後半になって反撃に出た鳥栖の攻撃を1点に抑えて逃げ切った。
「ちょっと厳しいなという選手もいる」。岸野靖之監督(鳥栖)が振り返ったように、この日の鳥栖は組織として機能せず。FWの力不足に加え、思うようにビルドアップすることができず、攻撃も同一サイドに偏るなどの課題も残った。しかし、CB、ボランチの両方でプレーした山田卓也が相変わらずの存在感を発揮。前日の試合を含めて総合的に判断すれば、中盤の構成力と最終ラインの安定感は優れている。やはり最大の問題点はFW。現段階では画竜点睛を欠く印象は否めない。補強を含めて、どのように解決するかが課題だろう。
そして前日とは打って変わった動きを見せたのが福岡。篠田善之監督が「昨日のゲームを見た結果、入り方に注意することと、活動量を多くしてボールを追い越す動きを多くしようと話した」という指示通り、狙いとしたプレーが随所に表れていた。若い岡本と大山が結果を残したのも好材料。また、ウェリントンが低い位置でも十分にプレーできることを示したのも収穫だった。一方「守備面では自分たちのミスから失点を繰り返している」(同)と言うように、やはり問題点は守備。この克服なくしてはJ1昇格は見えてこない。
【決勝戦 ニューウェーブ北九州vs.ファジアーノ岡山】
試合前に配られたメンバー表に、決勝戦に向けての互いの思いの違いが表れていた。北九州はFW中島雄大に代えて河内勇太を起用した以外は前日と同様のメンバー。そして岡山は前日から6人のメンバーが変わる。地元チームとしてタイトルにこだわることを最優先する北九州と、勝負にはこだわりながらも、初めてのJリーグの舞台に向けて、あくまでもチームの課題を探ることを主たる目的とする岡山。この日の結果は、その違いが、そのスコアに表れたと言っていいだろう。
「相手のプレッシャーと切り替えが早く、自分たちで打開できずに放り込むしかできず、セカンドボールを拾われる。そういう悪循環の試合だった。点が取れるような気がしなかった」(手塚聡監督)。それはピッチの上の選手たちがこだわるものの違いからくるものだった。「J2に参入するだけなのに上から目線になっていた。そういうものがすべての物を遅らせてしまった」(同)。勝負の世界に上も下もない。この日に限って言えば、岡山が敗れたのは必然だった。
そして、前日同様、新加入選手の活躍と組織としての完成度の高さを見せたのが北九州。前線で起点を作る宮川大輔。素早い攻守の切り替えから、ボールを追い越してパスコースを作る中盤の選手たち。その動きを捌く佐野裕哉。そして最大の収穫は高い位置からのプレスをベースにした堅守。「全体的にいいゲームだった。この時期にいいと、これからが心配だが、このチームは、まだまだステップアップできる」と与那城ジョージ監督は手応えを口にした。今シーズンにJ参入をかけるが、準備は順調とみていいだろう。
敗れた岡山にも、もちろん収穫はある。新加入選手である保坂一成は2日間を通して先発でプレー。小野雄平と組むボランチはコンビネーションも良く、相手のチャンスの芽を潰すだけではなく、互いがバランスをとりながら前線に飛び出すなど、チームに深みを与えていた。課題は、前日に引き続きビルドアップの部分と、不安定さが隠せない最終ラインの守備。特にDFラインの裏へ入ってくるボールへの対応に問題を残した。
大会を終えて意外だったのは、J2チームを連破して大会2連覇を達成した北九州が、それほど大きな喜びを表さなかったことだ。
「J2のチームはまだ始まったばかり。いろんなものを試している段階で本当の力じゃない。一方、我々は必死になって戦っていた。その中で、陣形をコンパクトにしつつも、裏を取られないという課題がうまく機能して無失点で抑えられたことが大きい。これからも成長させたい」。
与那城ジョージ監督は冷静に大会を振り返ったが、彼らが冷静な態度でいたのは、結果に囚われることなく、自分たちのやるべきことを知っているからだろう。その冷静さも、チームの準備が順調に進んでいる証のように見える。
そして、現段階での課題と収穫の両面を確かめたのがJ2の3チーム。それぞれにとって意味のある大会になったように思う。3チームとも、2試合で違う顔を見せたが、それこそが課題と収穫。これから、どうやって整理し、どこまで高められるかがリーグを勝ち抜くカギになる。今シーズンは51試合の長丁場だが、リーグ戦の結果は開幕前に準備したものに相当するものしか得られない。実際には、これからの約1ヵ月間の準備が今シーズンのすべてを決する。さて、開幕を迎えたとき、この3チームはどんな姿を見せるのだろうか。それを楽しみに開幕を待ちたい。
以上
2008.02.08 Reported by 中倉一志
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