「明日13:30キックオフ」行こや―
3月7日の開幕戦前日、愛媛の選手たちは昨シーズンと変わらず、ニンジニアスタジアムで練習を行っていた。そのスタジアムに突如現れたラッピングバス。ボディーには翌日に迫った今季初戦、水戸との試合を告知する横断幕が掲げられていた。
普段は選手が移動するために使っているラッピングバス。愛媛ではこれまでも、このバスを使った応援ツアーの企画などが行われていた。それを今回は、松山市内で開幕戦の告知をするイベントの一環として使用。いつもはゴール裏で応援するサポーターたちが企画、行動に移したのだ。
「今シーズンの開幕に向けてみんなで新しい横断幕を作っていたら、なんとなくアイデアが浮かんで。最初は軽い冗談のつもりだったんですが(笑)」とメンバーの1人が語ってくれたが「チームのために何かしたい」というサポーターの熱い思いが形になって表れたものだった。
バスでスタジアムに現れたサポーターはそのまま練習を見学、その後は引き上げる選手やスタッフを1人1人呼び止め、新しいチャントが記された歌詞を手渡した。さらにスタジアムの清掃活動を行ったあとは再びラッピングバスに乗り込み、市内繁華街を巡って開幕戦のPRを実施したのだった。
そして翌日の開幕戦。キックオフ前にはオレンジの風船がニンジニアスタジアムの客席を彩っていた。ここでも、サポーターのアイデアがスタジアムを盛り上げる。そして試合が始まると、愛媛は水戸に先制を許したものの、鮮やかな逆転劇で今季初勝利を手にした。
同点のきっかけになったFW大木勉のプレーに関して望月監督は、試合後に「(スペースに出るプレーは彼本来の)持ち味ではないが、チームのために献身的にやってくれた」と評価。ベテランがチームのために自らのプレーの枠を超えてピッチを走り回り、勝利を目指したことを称えたものだが、これは今回のサポーターたちの「プレー」にも当てはまるのではないだろうか。ゴール裏の枠を超えて、チームを支えようとしたサポーターの気持ちも今季の初勝利を愛媛にもたらした要素なのだろう。
試合後、ゴール裏ではサポーターがこの日のために準備した新しいチャントを歌い、その前で選手たちはラインダンスを披露した。昨季までも、試合が終われば選手たちはサポーターの下へ足を運び、時には拡声器を使って勝利の雄たけびを上げていた。しかし、この日の光景はより、選手とサポーターとの距離が近づいていた。「ひとつになって闘う」という今季のスローガンにも掲げられている言葉のように、みんながひとつになってつかんだ勝利だったような気がした。
以上
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2009.03.11 Reported by 近藤義博
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】愛媛:みんなで手にした初勝利(09.03.11)
スタジアム周辺の清掃をするサポーターたち。その後ろには、開幕戦を告知する横断幕を掲げたラッピングバスが止まっている。
試合後、サポーターが歌う新しいチャントでラインダンスを披露する選手たち。
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