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【AFCチャンピオンズリーグ 川崎F vs 浦項】レポート:川崎F、ホームで痛恨の敗戦。グループリーグ2位転落により、ラウンド16のホーム開催権を失う。(09.05.20)

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5月19日(火) AFCチャンピオンズリーグ
川崎F 0 - 2 浦項 (19:00/等々力/13,633人)
得点者:12' ノ ビョンジュン(浦項)、72' デニウソン(浦項)
ホームチケット情報 | 決勝戦は11月7日(土)に国立競技場で開催!
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 あってはならない結末だった。ホームでライバルとの直接対決に臨んだ川崎Fは、考えうる最悪の試合展開の末、0-2で敗戦した。

 この試合にいたるまでの道のりは順調そのものだった。2度目のACLを戦った川崎Fは、もたつくライバルたちを尻目に4節終了時点でグループリーグの勝ち抜けを決定。アウェイで天津と対戦した際には、GL1位通過をも決めようか、という状況に持ち込んでいた。そんな川崎Fの連戦は「アジアの笛」に翻弄される。

 天津ではバングラディシュ人の審判団が荒れる試合をコントロールしきれず。また川崎F自身もつたない試合運びをしてしまい1-3の完敗。浦項と直接対決する最終節にGL1位通過をかける事となった。

 2節での対戦時の印象やKリーグでの試合から「テンポの速いサッカーをやってくる」(関塚監督)という立ち上がりの20分間をしのぎ、そこからペースを掴もうと関塚監督は考えていた。ところが試合は思わぬ展開を見せる。

 伊藤宏樹が「ACLではよくあること」と振り返るのは、連続して吹かれたゴール正面でのファールの場面である。「1回目はおかしいと思った」と伊藤は感じていたというが、それがカタール人レフリーの笛の基準である事を理解する必要があったともいう。その点、井川祐輔は「厳し目ではありますが、でもやはり、1回目で取られていて、そういう取り方をするのは選手は判断しないと。天津の時もそうだけど、日本と基準が違っている。そこは気をつけなければと思っていました」とゴール前で連続したファールに悔しさをにじませていた。

 1度目のFKの場面は事なきを得た川崎Fだったが、12分に同じ場所で同じような形で再びファールを取られ、これを22番のノ・ビョンジュンに決められてしまう。絶妙なコースにかなりの球速のシュートを蹴りこまれては川島永嗣であっても防げない。前半の最初の20分をしのぐというゲームプランはこれで崩れ、1点を追いかける展開となってしまった。

 浦項が体力を残していた前半。川崎Fは中盤に分厚いブロックを作る浦項を思うように攻め崩せずにいた。また最終ラインがステボを中心としたFW陣からのプレスにさらされた事で蹴らされる場面も増えていく。ターゲットとなった鄭大世は、浦項のセンターバックコンビを相手になかなか競り勝てず、このセカンドボールを浦項に拾われ、ペースをつかめなかった。そんな難しい試合の好転は、レナチーニョを投入した後半開始まで待たなければならなかった。

 その後半。関塚監督は磐田を完封(12節)したCBセットを解消し、浦和の終盤の猛攻(11節)をしのいだ菊地光将、横山知伸のCBセットへと変更。井川を右サイドバックへとずらし、レナチーニョを右のサイドハーフに据える。このシステム変更には、ファリアス監督がキーマンだと考え「機能させないようにしていればいい試合ができると思っていました」という中村憲剛をボランチに下げる事で浦項の選手によるプレッシャーを回避するという目的も含まれていたはず。そして実際に後半に入ると、川崎Fの攻撃は好転し始める。

 右サイドに張り出したレナチーニョが攻撃のアクセントとなり、浦項の守備がほころびを見せ始める。流れを変えたレナチーニョは「自分としてはいい入りができていましたし、ゲームをひっくり返せそうに思えました」と自らのプレーを振り返っている。

 後半開始から連続して浦項を攻め立てた川崎Fは決定的な場面を作り続けるが、シュートを枠に飛ばせずにいた。そしてそんな川崎Fが肩を落としたのが72分の事だった。「イージーなミス」(関塚監督)からノ・ビョンジュンのカウンターを受け、最後は警戒していたデニウソンに追加点を奪われてしまう。それまでの戦いの中で浦項の守備の堅さを痛感していたという事もあったのだろう。ハーフタイムに関塚監督から「まずは1点を取ろう」と言われていた川崎Fは、チャンスを作りながらも2点目を先に奪われ、流れを失ってしまう。

 後半もロスタイムに入る直前に浦項はシン・ヒョンミンが2枚目の警告で退場処分になるが、川崎Fが数的優位を享受するにはあまりにも遅い時間だった。固い壁に阻まれた川崎Fは、無得点のまま試合を終える事となった。この結果川崎FはGLの2位が確定。一発勝負で行われるラウンド16のホーム開催権を失い、G大阪とアウェイで対戦する事となった。

 試合後。肩を落とす選手たちにサポーターは声を送り続けた。そのスタイルを批判する記者もいたが、それが川崎Fのスタイルである。選手の頑張りが伝わってくれば、結果として敗戦しても、それを叩く事はしないというのが川崎Fサポーターのポリシーである。そしてその思いは選手にも伝わっている。「サポーターもものすごく応援してくれて力を与えてくれていました」と声援に感謝していたのはレナチーニョ。だからこそ「ここでACLが終わったわけではない。まだチャンスはあるので、がんばりたいです」(横山)という姿勢でG大阪とのアウェイでの決戦に臨んでほしいと思う。

以上

2009.05.20 Reported by 江藤高志
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