J2第23節愛媛戦の前日である6月23日、ひとりの選手が約1カ月ぶりにC大阪の練習場のある南津守に戻ってきました。その選手とは、ブラジル人FWカイオ。第1クールで5得点を決めるなど、チームの快進撃を支えていた背番号9は、5月9日の第14節草津戦で、ゴール直後に相手選手のタックルをもろに受けて、左足関節の靱帯を損傷。全治3カ月の診断を受けて、母国のブラジルで治療とリハビリを行っていました。そして、予定どおり6月下旬に再来日という形でC大阪に帰ってきました。
そのカイオ選手の状態が気になったというか、「まさか、そんなことあるわけないかな…」という気持ちもあって、南津守の練習場に足を運んだのです。「そんなこと」というのは、愛媛戦での出場。さすがにそれはなく、レヴィー・クルピ監督も「今週はフィジカルをしっかりと上げて、来週から本合流という形になると思う。本人のコンディション次第だが、愛媛戦、水戸戦(6月28日)は難しいだろう。でも仙台戦(7月5日)あたりに照準を合わせられればと思う」と、23日の練習後には述べていました。
ちなみに、なぜ「帰国直後の出場もあるかも」と思ったかといえば、今季、カイオがケガをした際、驚異的な回復力を見せていたため。第9節札幌戦で右ふくらはぎを傷め、肉離れで全治4週間から6週間と診断されていたカイオ。しかし、そのときも休んだのは翌第10節の富山戦のみ。その直後、何ともないという表情で練習場のピッチに姿を現したカイオは、普通に体を動かし、首脳陣に猛アピール。結果、次の第11節横浜FC戦から、再び先発の座を取り戻していました。
さて、23日に練習場に来て驚いたのが、サポーターがカイオにメッセージ入りの横断幕を掲げていたこと。ちょうどクラブハウスから出てきてピッチに向かっていた通訳さんにその意味を聞くと、「おかえりなさい、カイオ! みんな待っていたよ」という、サポーターの歓迎の意を表すメッセージだと教えていただきました(そばにいたレヴィークルピ監督は「えっ、あれは『カイオよ、ブラジルに残ってろ!』って意味だぞ。訳し間違えたらダメだ!」なんて、きついジョークを笑いながら言っていたんですが)。C大阪サポーターはちゃんと見ているんだな、本当にカイオは愛されているんだなというのがわかった光景でした。
当のカイオは、想像通り、というか、想像以上に元気でした。フィジカルメニューについては、他の選手たちと同じものを平然とやってのけていました。そして、相変わらずやんちゃで、早速チームメイトとじゃれあったり、楽しそうに話しをしていました。さすがにボールを使ったトレーニングには参加していませんでしたが、ランニングスピードは、とても別メニューの選手とは思えない速さで、ホドウホ・フィジカルコーチが心配するほど。全治3カ月と診断された今回も、復帰はすぐそこまで来ているといった感じでした。彼の復帰で、仲良しのマルチネス、チアゴも、俄然、元気になったような気がします。
カイオの復帰で、チームにはさらなる刺激が生まれたと思います。24日の愛媛戦にも小松塁の2ゴールなどで、4−2と勝利。「今日からみんなで勝ち続けていこうと話をしていたので、勝ったことは次につながるし、よかった」と主将の羽田憲司も言うように、ここからC大阪が再び息を吹き返し、首位へ、J1復帰へ突き進みたいものです。それでは、最後に、23日、帰国直後の練習後に取ったカイオ選手のコメントです。
●カイオ選手(C大阪)
「(Q:おかえりなさい!)
ありがとう!
(Q:サポーターの『おかえりなさい!待っていたよ』という横断幕メッセージについて)
本当にうれしかったよ。みんなに忘れられているんじゃないかと思ったからね(笑)。僕もC大阪のことはいつも気にしてた。ブラジルにいたときも、ずっと結果とか見ていたし、家族も含めてC大阪のことをずっと応援していた。帰ってくるのが本当に楽しみだった。ブラジルでは休みなくトレーニングをしていて、日曜から次の日曜まで、朝8時半から夜6時半くらいまで、1日中ずっとクラブハウスで体を動かしていた。できるだけ早く復帰したかったし、1日も早く試合に出られるようコンディションを整えている。もう今では走ることに関しては問題ない。本当に1日でも早く試合に出たい気分。何かしらチームに貢献できるようにしたい。空港に着いてから喜びがこみ上げてきて、自分のふるさとにいるような気分になった。
(Q:ケガをしていた左足について)
まだ違和感はあるが、多少の痛みはあっても、別にトレーニングができなくなるほどではない。
(Q:マルチネス、チアゴもさらに元気になると思いますが?)
彼らとはグラウンドだけでなく、私生活でもわかり合える。お互いに支え合う機会があった時、苦しんだことを分かち合える。今回の苦しみを乗り越えて、今度は喜びを分かち合えるようにしたい」
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2009.06.25 Reported by 前田敏勝
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