7月5日(日)J2 第25節 横浜FC vs 湘南(18:00KICK OFF/ニッパ球)
スカパー!生中継 Ch181 17:50〜(解説:三浦俊也、実況:野村明弘、リポーター:湯本久美)
☆勝敗予想ゲーム
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25試合目で、ほぼ折り返し地点となるこの試合。開幕で当たった横浜FCと湘南は、ここまで対照的な成績となっている。湘南は足踏み傾向にあるものの、昇格争いの主役として2位をキープ。一方の横浜FCはまだ3勝にとどまり、再び最下位に転落した。「同じスタートラインで始まったのに、このような差が開いた対戦になったのは残念」と樋口監督は語るが、歴史ある神奈川ダービーマッチとなるこの試合では、成績の差を乗り越えて開幕戦の雪辱を果たさないといけない。
その開幕戦では、横浜FCは立ち上がりこそコンパクトな守備と攻守の切りかえで、アジエルを中心とした湘南の卓越した個の力を封じ込めていた。しかし、アジエルがポジションを微妙にずらし始めると、一転湘南ペースとなり、ほぼ70分間サッカーをさせてもらえない状態になった。そのときの記者会見で樋口監督は「湘南のほうが完成度が高い印象」と述べたが、湘南はアジエルという個の力を生かしつつ、3トップのフォアチェックと、坂本紘司と寺川能人によるボランチへのプレッシングが威力を発揮し続けた。今から振り返ると、湘南の現在の成績を支える原型がすでに開幕戦で表れていたと言えるし、横浜FCにとっては本来のサッカーを90分間貫けなかった第1クールの問題点が表れた試合だったと言える。
「ただ、自分達も少なからず成長している事を表現したい」と監督が意気込むように、横浜FCは第2クールに入りサッカースタイルを貫き、ゲームを粘り強く戦うたくましさは付いている。さらに、コンパクトな陣形、追い越す動き、決定機でのゴール前の人数など、動きの質は格段に上がっている。そんな今、チームに問われているのは個々のプレーの質を保つことだ。いくら戦術的な質が高まっても、局面でのプレーにムラがあってはそれが台無しになってしまう。見事にカウンターに屈してしまった前節の草津戦の後、「クオリティを上げる必要がある」という言葉が多くの選手の口をついて出たことは、その状況を象徴している。シーズンが進むにつれ、中野裕太、中田健太郎、須藤右介、西田剛、大久保択生など多くの新たな若手選手が起用されており、徐々に試合の中で持ち味を出せるようになっているが、樋口監督は個の選手の成長という視点では、まだまだ手応えを感じていない。「若手選手にとって、出場機会がある今が変われるチャンス。続けて出場している選手も、チャンスをつかみきったわけではなく、チャンスを与えられている状態。出場した事に満足してはいけない」と、出場機会をモノにする執念と、1試合でも早い成長を待ち望んでいる。この試合でも、引き続き多くの若手選手が起用される可能性が高い。対戦相手の湘南は、アジエル、田原豊、ジャーンを始めとして、高い個の能力を擁するチームであり、若手の選手にとってはその差を実感させられる対戦となるかもしれない。だからこそ、その差を埋めるべく、いや乗り越えるべく90分間を戦うことが求められる。そういった個々のプレーの集約が、勝利への唯一の道と言って良いだろう。
湘南は、ここ6試合で12失点と守備に問題を抱えながらも、2勝3分1敗と勝点を拾う勝負強さを見せている。先述したように、3トップの迫力は十分であり、彼らにボールが入ったときの押し上げの素早さは特筆すべき完成度である。そして、負けているゲームでも、終盤に勝点を引き戻せる決定力は要注意だ。東京V戦は「ネジが緩んだ試合」、栃木戦は「リズムやテンポができない」(反町康治監督)とこの2試合はすっきりしていない試合が続いている。この横浜FC戦はそのもやもやした部分を解消する踏ん張り時だ。ホームでの勝ちに飢えてい横浜FCとの対戦で、こちらも個々の選手が局面で後手を踏まないことが大事になる。
勝敗を分けるポイントは、開幕戦と変わらない。3トップに早くボールを入れようとする湘南に対して、横浜FCがコンパクトな陣形でクサビのパスを封じてトップを無力化できるか。3トップと坂本、寺川のプレッシャーに対して、落ち着いてボールを動かし、1ボランチのサイドのスペースを使えるか。攻防のポイントとなる場面は明確であるが、それだけ、両チームのスタイルが明確で、芯が通っていることの証明でもあるし、手の内はお互い熟知している状況。だからこそ、戦術を成り立たせるための、局面局面での個のプレーの質、ディテールの積み重ねが重要になる。90分間集中を切らさず、ムラのないプレーをやり通したチームに勝利がもたらされるだろう。
とにもかくにも、神奈川ダービーである。Jリーグの初年度に唯一ダービーマッチが行われたのは現在のニッパツ三ツ沢球技場。それ以来、横浜では数多くのダービーマッチが行われている。現状の順位は関係なく、ダービーマッチの重みをぶつけ合う試合となることを期待したい。
以上
2009.07.04 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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